株式会社ディスコ

信頼関係を強化し、組織の連帯感を高める
世界トップシェアを支える企業文化づくり

株式会社ディスコ
経営支援室長 石井秀明 様

「高度な Kiru(切る)・Kezuru(削る)・Migaku(磨く)」3種類の技術に特化し、精密加工装置やツールを開発・製造・販売しているDISCO。大半の製品で7-8割の世界シェアを誇るグローバル企業です。早くから組織力の強化にも取り組んでおり、「働きがいのある会社ランキング」の選出回数は8回。そんな同社が働きがい向上にむけてどんな取り組みをおこなっているのか、経営支援室長の石井様にお話を伺いました。

「働きがい」に自信があるからこそ感じたギャップ

当社は、“「事業経営」と「組織経営」の両者を共に追求することで、どんな環境下でも生き残ることができる強い会社を創る”という信念のもと、1990年代から理念経営の考え方を取り入れ、企業としてあるべき姿を明文化した「DISCO VALUES」を社内で共有してきました。それに基づき、「人を大切にした経営」をおこなってきたことは、「人財部」という部門名や、社員の健康づくりのためにつくられたプールやフィットネスジムといった福利厚生施設などにも表れています。

時を経て「DISCO VALUES」が会社全体に浸透している手ごたえを感じ、従業員満足を測るES調査でも、よい結果が出るようになりました。そうした背景もあり、当社は「働きがい」に関して自信があったのですが、社外の調査サービスを活用したところ、予想外の結果が出たのです。

社内のES調査ではアンケートの8、9割がポジティブな回答だったので、社外の調査でも同じく高評価かと思いきや、働きがいという切り口でみると新たに取り組むべき課題が見えてきました。そこで、当社とは異なる指標で働きがいを調査することの大切さを痛感し、社外のサービスも継続的に利用することになったのです。

数ある調査サービスのなかから、Great Place to Work ®を選んだ決め手は、「数千人の声を集めてつくられた」という成り立ちと、世界50カ国の利用実績、そしてアンケート設問の合理性を感じられたからです。

「働きがい」のような定性的な調査は、設問を変えずに経年変化を見ていくことで組織の成長を測るものと考えています。そのため、「働きがいのある会社」調査も、2017年発表予定の今回で9回目の参加です。前年度の結果をベンチマークにしながら、働きがいのある職場づくりに役立てています。

チームの「信頼関係」を見える化し、数値改善を目指す

「働きがいのある会社」調査を実施して見えてきたのは、「連帯感」の指標に改善の余地があることでした。「連帯感」を高めるために参考にしたのが「関係の質を高める」という考え方。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱する「成功の循環図」によると、同僚と信頼し合える関係性があれば、ディスカッションを通じて生まれる思考の質が高まります。そして、自分たちで考え、自発的に動くことで行動の質も上がり、それが結果の質にもつながるというものです。

関係の質を高めるためにおこなったのは、信頼関係の「見える化」。社内アンケート調査を部門ごとに実施し、設問の回答に点数をつけることで数値化しました。設問は、「同じ部門で働く同僚は誠実か」「仕事の能力を認め合っているか」など、信頼の要素を盛り込んだものを用意。このほか、「ここ1週間で褒められたことがあるか」「上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気遣ってくれているか」など、改善策を立てやすいものも加えています。このアンケート調査には全部門の約7割が参加し、2011年から継続していくなかで、数値も全体的に向上しました。

なかなか改善が見られない部門に関しては、社内の「働きがい推進チーム」が現場に赴き、ヒアリング調査を実施。その結果、ある生産拠点では、現状の評価制度で社員のモチベーション維持することが難しいとわかったため、社員のやる気を引き出す、納得度の高い人事制度を新たにつくり、改善に繋げることができました。

取り組みへの自発的参加を促し、形骸化させないための工夫

社長からのメッセージ発信も大切にしており、年間50回以上、それぞれの拠点で社員との交流を実施しています。当社ではこれをタウンミーティングと呼んでいます。そこで話される内容は、「プロとアマの違い」「信頼残高の増やし方」など定性的なテーマが中心。社長と社員の双方向コミュニケーションが特徴で、タウンミーティング開催後に、社員はアンケートを通じて社長に質問します。社長はすべての質問に目を通し、次の開催時に回答するのです。

タウンミーティングを部門単位にスケールダウンし、リーダーとメンバーで双方向コミュニケーションを図る場もつくりました。タウンミーティングと同様に、リーダーに向けて質問が投げかけられ、次のミーティングまでに回答するという流れです。匿名で質問できるので「今さら聞きづらいこと」「5年後どんな部門にしたいのか」など、普段の業務では出てこない内容が寄せられ、リーダーはそれに真摯に回答することで、社員との信頼関係が増しています。

これらの取り組みを行う上では、「何故こうしたことをやるのか?」という、意義・背景を徹底して伝えるようにしています。ただ単に「関係の質を高める」ためにやりましょうと訴えたところで、社員が「本当にやる意味があるの?」と疑っているようでは、自発的な参加は期待できません。関係の質には信頼が深く関わっており、信頼関係は業務のスピードとコストに影響を与えます。こうした情報をきちんと伝えることで、社員の納得感につなげています。

社内通貨Willの活用も工夫の一つ。Willは社内で使われている通貨で、賞与にも連動する価値を持ったものです。社員一人ひとりが経営者のように個人の収入と支出を管理しています。Willは業務の依頼料や会議室の使用料、清算書の遅延課金など、さまざまな場面で使われるため、社員は自身の収支に敏感です。働きがい推進という点でも、信頼関係が強化されたチームや、部下から面談内容が評価されたリーダーにWillを支給することで、各部門の積極的な参加を促すことに活用されています。

「働きがいのある会社」にランクインし、企業信用力も向上

取り組みを継続するなかで、社外からの評価も変わってきました。Great Place to Work ®は海外での認知度が高いので、海外営業の現場では「DISCOはGPTWのランキングに載ったんだって?」と尋ねられることも。そのためランキング情報を公式資料として活用していくことになりました。採用面の効果も大きく、第三者機関によって「働きがいのある会社」に選出されている事実が、安心感につながることもあると思います。

より働きがいのある会社を目指して、これから取り組もうとしているのが、「働きがい向上の仕組み化」。今までは事務局の熱意やスキルが活動推進の原動力でしたが、さらに社員に自発的に取り組んでもらうことを狙いとしています。具体的には、関係の質アンケートの結果と関係の質向上活動への評価という2つの軸で全部門をランキングする仕組みです。

当社にはコロシアムと名付けられたプレゼンテーション専用の施設があります。そこで、ボクシングのように赤コーナー、青コーナーに分かれてプレゼンテーションし、どちらが素晴らしかったか判定しています。ギャラリーもどちらが勝つか予想し、社内通貨Willを賭けるため、自然と発表内容の理解が進む仕掛けとなっています。働きがいに関する活動も事務局が内輪で評価するだけでなく、この施設を使ってプレゼンテーションしてもらうことで、良い取り組みが全社共有されていくことになります。

これら一連の取り組みを通じて私たちが目指しているのは、どんな時代も揺らぐことのない企業風土づくりです。短期的な売上やシェア、規模の拡大よりも、本質的な組織力の向上を追求するという強い意志をもち、取り組みを継続していきたいと考えています。

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東証一部上場。高度な Kiru(切る)・Kezuru(削る)・Migaku(磨く)の3つの技術を軸に、最先端を追求し続ける。大半の製品で7-8割の世界シェアを誇る。営業利益率10%超が続く高収益企業。

本内容は2016年9月時点の情報です。

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