日本イーライリリー株式会社

「働きがい」は持続成長の源泉
目指すは”best“ place to work

日本イーライリリー株式会社
執行役員兼人事本部長 加納香 様

世界における医療用医薬品売上高ランキングにおいて継続してトップ10前後に位置するイーライリリー・アンド・カンパニー。その子会社として1975年に誕生したのが日本イーライリリー株式会社です。社員をはじめとして、関わる人すべてを尊重することを基本姿勢としている同社は、「働きがいのある会社」調査において10年連続でベストカンパニーに選出されています。今回は、同社の執行役員兼人事本部長としてご活躍中の加納香様に、「働きがい」をどのようにとらえて、向上させるための取り組みをしているのか教えていただきました。

働きがい向上施策の背景にある社長の強い意志

イーライリリーは1876年の創業時から、「リリーバリュー」という3つの価値観を大切にしてきました。ひとつ目は誠実で倫理的、模範的な言動をとる「誠実さ」。二つ目は、最高を目指すため新しい手段や改善に取り組む「卓越性の追求」。そして三つ目は、患者さん、顧客、社員など関わる人全てを尊重する「人の尊重」です。

こうした価値観に基づき、社員と会社の成長のために、一人一人の社員の声を聴くことも大事にしており、古くからグローバル全体で社内意識調査を実施しています。ただしこの調査だけではイーライリリー内での海外との比較はできても、日本国内のベストカンパニーなどとは比べられません。そこで、第三者の視点を取り入れて、より社員が力を発揮できる環境をつくりたいという想いから、GPTWの「働きがいのある会社」調査を開始しました。

初回の調査からベストカンパニーに選出され、今年度で10年連続の選出になることは、会社として誇りであり、またそれにとどまらずさらなる向上を目指していく糧となっています。前年度と比較し、強みを伸ばし、課題に取り組むといったことを繰り返し、着実に改善を続けたいと考えています。

3年前からは、「働きがいのある会社」調査を、サンプリング調査から全数調査に切り替えました。会社全体としての傾向だけでなく、部署ごとの特色をつかむためです。この全数調査への切り替えには、現社長の「社員がイキイキとやりがいを感じられる会社にしたい」という、強い意志が反映されています。社長は日本に赴任する前、イタリアで働きがい向上に注力していました。その成果が業績に直結したこともあり、「働きがい」に関する取り組みを強力に支援しているのです。

高い「誇り」をさらに高め、「連帯感」を育む機会をつくる

私たちには人の生命に関わる薬をつくり、患者さんやそのご家族の人生を変える仕事をしているという誇りがあります。「働きがいのある会社」調査の結果を見ても、「誇り」に関するスコアは高いです。しかし、私たちはそこに安住してはいけないと考えています。

素晴らしい薬を患者さんに届けられるこの仕事の幸せを、もっともっと感じてほしい。ところが、バックオフィス系の部署などは、目の前の仕事が、患者さんのQOL向上につながっていることが見えにくいものです。そのため仕事の喜びと誇りをシェアする取り組みをはじめました。

当社には、社員のリーダーシップとエンゲージメント(帰属意識)を高める目的で作られたService Value Chain (SVC)アンバサダーと呼ばれるクロスファンクションチームがあります。 2016年度は、“We are Lilly! Together let’s create the best place to work in Japan”を合言葉に、働きがいを高めるための取り組みをおこなっています。

SVCは私たちの戦略の枠組みとなるものです。私たちはまず“社員のリーダーシップとエンゲージメントを高める”ことが必要であり、そのことが“最高の顧客経験”の実現、ひいては業績の拡大へとつながる、この順番にこだわることが重要だと考えています。代表的な取り組みのひとつとして、今年はイーライリリーの仕事の理解度を高め連帯感を育むべく、さまざまな部署から寄せられた「社員の顔と仕事が見える記事」を毎月2本程度ずつ、全社員が見られるイントラネットに公開しています。「自分の仕事をあらためて誇らしいと思えました」などの反響も聞こえます。このほか、患者さんの感謝の手紙やビデオレターを、全社員でシェアすることもあります。

また、普段は約2000名のMRが日本全国それぞれの持ち場で仕事をしていますが、年に1回、全社員が一同に集まる「ナショナルカンファレンス」を開催。今年は2月におこない、前年度を振り返りながら、各々が情熱を持って取り組んできた仕事を称え合いました。

新しい仲間を歓迎し、絆を強めるための取り組み

強みである「誇り」を伸ばす一方で、調査で浮き彫りになった課題にも向き合っています。当社はリリーバリューをはじめとする共通の価値観や言語が浸透しているからこそ、新しくきた人が疎外感を抱きやすいのです。

そのため、入社式をあえてワークショップ形式にして、一緒にイーライリリーのロゴが入ったチョコレートを作ってみたり、手作りのウェルカムボードを作ってみたりなど、手作りの「ぬくもり」を大切にしながら、歓迎の仕方を工夫しています。中途採用で入ってきた社員は、入社後すぐに各部署に配置されますが、中途社員にも部署を超えた同期の仲間を持ってほしい、そのために配属前に中途同期の一体感を醸成するアクティビティを提供したいと考えています。

社員だけではなく、その家族まで含めて歓迎し、日頃の感謝を示すファミリーデーという職場訪問イベントも開催。各部署が仕事を紹介するためのブースをつくり、日ごろの仕事について分かりやすく説明したり、子供も含めて家族で楽しめるゲームや体験実験を行いました。当日は、社長も自ら子供たちに飴や風船を配るなど、社員やその家族と積極的に触れ合う姿が印象的でした。社員の家族からも、「いい会社だね」と好意的な感想が寄せられています。

2016年4月から、社員同士の「ありがとう」や「いいね」を、簡単に送り合い、共有できる「inspire」というプログラムもスタートしました。「inspire」で感謝のメッセージを送り、職場全体で称賛し合うことで、一体感を高めることが狙いです。この取り組みを浸透させ、習慣として根付かせるために、各部署のSVCアンバサダーが取り組みを推進。開始からわずか3カ月で、2万3545通の「ありがとう」や「いいね」が送られました。

企業の持続的成長に欠かせないもの

なぜ私たちは、直接売上につながらない取り組みにも、ここまで情熱を注ぐのか。そこには、薬の開発には10年、20年という長い時間を要することが関係しています。世の中のために素晴らしい薬を届けたいという志を持って始めた社員たちには、患者さまのQOLを高めるところまで、しっかりと見届けてほしいのです。つまり、社員には働きがいを感じながら、長く働いてほしい。これが会社の持続的成長の原動力にもなるはず。このことは、創業から140年に渡り、短期的な業績よりも、リリーバリューの実践を優先してきた、イーライリリーの歴史が証明しています。

これから私たちが取り組むべき課題はまだまだあります。たとえば昇格について。グローバルで活躍出来るリーダーの育成を目指しているリリーでは、ポテンシャルの高い若手をリーダーに抜擢することが珍しくありません。しかし、そうした人事に疑問を持つ社員もいることでしょう。これまでこうした疑問について積極的に説明をしてきたかというと残念ながらそうとはいえません。今後はこうした疑問に正面から答え、決断の理由を開示説明していくことが重要だと考えています

会社の制度などは徐々に変わっていくものですが、絶対に変えられないものもあります。それはやはりリリーバリューです。当社はどんなに素晴らしい業績をあげていても、バリューに反した人物を重要ポストに抜擢することはありません。こうした判断の積み重ねで、企業文化を育んできたのです。

もし、社員にもっと働けと命令し、無理をさせれば、短期的に業績は上がるかもしれない。でも、私たちは決して、それをしません。なぜならそれは、バリューに反することであり、社員が大切にされない職場からはイノベーションは生まれないと考えているからです。私たちは、揺るぎない価値観を胸に抱きながら、best place to workを合言葉に、当社ならではの改善活動を続けていきたいと考えています。

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1876年に創業し、140年を超える歴史を持つイーライリリー・アンド・カンパニーの子会社。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じて日本の医療に貢献している。

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