企業理念とコアバリューの浸透策がコロナ禍で真価を発揮
プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員 第一営業本部長 菊地 直人 様
プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員 盛田 穣 様
更新日 2024.10.312021.03.23
企業理念とコアバリューの浸透策がコロナ禍で真価を発揮
プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員 第一営業本部長 菊地 直人 様
プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員 盛田 穣 様
世界最大級の金融サービス機関、プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であるプルデンシャル生命保険株式会社。2021年版「働きがいのある会社ランキング」にて大規模部門4位に選ばれました。選出回数5回以上のベストカンパニー常連でもあります。同社の菊地氏、盛田氏に「働きがいのある会社調査」に参画した背景や、企業理念とコアバリューの浸透を軸とした、従業員の主体的な業務改善の積み重ねについて聞きました。
>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る
菊地様 当社は「日本の生命保険事業のあり方に変革をもたらし、日本の生命保険市場において顧客から最も信頼される会社になることをビジョンに掲げて1987年に創業しました。従業員数は6,482名、うち営業社員が約5,200名(2020年3月末日時点)であり、全国146拠点で営業活動をしています。創業以来対面営業にこだわり、ライフプランナーが顧客一人ひとりのニードに応える「ニードセールス」を展開しています。
また当社は、企業理念をとても大切にしています。中でも行動指針であるコアバリューは「信頼に値すること」「顧客に焦点をあわせること」「お互いに尊敬しあうこと」「勝つこと」の4つ。全社員が暗唱できるくらい、徹底して浸透させてきました。社員一人一人が企業理念を深く理解することで、この会社で働く意義や成し遂げたいことを常に意識することができ、それがやりがいを持って働く、ということにつながっていると考えています。コロナ禍においては、まさにそれが顕著に現れました。
当社の営業部門では、2020年4月の第一波のときにWebex(Web会議アプリーケーション)を用いたオンライン商談を業界に先駆けて開始しました。対面営業にこだわってきた当社ですが、コロナ禍においては顧客に焦点をあわせた感染予防を優先順位の第一とし、非接触のオンライン商談に素早く切り替えたのです。
5月にはオンライン商談を円滑にするための研修が、6月にはオンライン商談の発表会が開催され、オンラインであってもお客さまに正確で分かりやすい情報をご提供するため、全国各地でスキルやノウハウの共有が活発に行われました。
こうした営業社員による相互学習は、当社の大きな特長であり文化です。インフラは会社が用意しますが、その後は社員による自発的な学び合いが発生します。対面営業をオンラインに切り替えるという、当社にとって大きな変化でも軸がぶれることなく、一人一人が行動してくれたことを嬉しく感じました。
またコロナ禍では、企業理念の浸透を目的とした有志の組織「Team Find the Rock」が、全12回のメッセージを全国に発信。当社には、過去の大きな災害時(阪神・淡路大震災、東日本大震災時)に、社員の家族やお客さまを全国の仲間で支え合い、危機を乗り越えてきた経験があります。今回も「我々であれば必ずこの危機を乗り越えられる」というメッセージを発信し続けました。
これらは、会社が主体となって始めたことではなく、社員一人一人が仲間のために何かしなければという思いで始めた活動です。
盛田様 続いてコロナ禍における本社部門の対応事例をご説明します。生命保険会社としての役割・機能を保ちながら、コロナを乗り越えるための施策を数多く打ってきました。キーワードは「信頼に値すること」です。菊地の説明にもあったように、オンライン商談へ総力を上げて舵をきったことによるシステム面、リスク面での対応や、コロナ禍での特別対応など、さまざまなことが同時多発的に生じました。
急速な変化が求められたこともあり、営業現場と本社サイドの間に溝のようなものができた時期もありました。そうした状況に危機感を抱き、相互理解を促すための社内報の特集や、事務部門の社員インタビュー動画を配信するなどし、溝を埋める働きかけをしました。その結果、全員が同じ行動指針に則り、「信頼に値する」仕事をしていることを再認識できたのです。
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この他、全国約6,500名の社員がオンラインで一堂に会する「Employees Meeting」では、企業理念をテーマとして3時間のプログラムを実施。経営陣のメッセージやお客さまインタビュー、コロナ禍でのエピソードなどをVTRやライブで配信しました。コンテンツづくりや当日の司会は本社や営業の各部署から集まった社員で行い、実施後のアンケートでは参加者の90%が「満足」したという結果を得ています。オンラインではあるものの、一体感を感じられる会となりました。
今回のコロナ禍で、困難に直面した時に社員一人ひとりがどう考え、どう動くのか、そんなことを垣間見ることができました。そして、皆の行動の下支えとなったのが企業理念であり、コアバリューであったと思います。お互いを讃え合う表彰制度や、一体感を高める研修、集合イベント等、創業時より企業理念の浸透を脈々と続けてきたことが、今回プルデンシャルの強みとなって発揮されたと思っています。
GPTW荒川 コロナが発生してからの1年で、さまざまなエンカレッジ施策を実証されたことがよくわかりました。ここまで多岐にわたる施策を次々と実証できる土台がどのようにできているのか、部署機能や仕組みの面からお聞かせいただきたいと思います。
盛田様 当社では、課題に対して経営直下ですぐにタスクフォースが組成されます。先ほどご紹介した「Employees Meeting」も実はタスクフォースで運営しております。チームや部門、人事制度にとらわれず、すぐに情報が集約されて課題を解決していきます。
本社のみならず営業部門においても、何か課題が生じるとすぐに対策を考える会が発足します。当社の営業社員はフルコミッションではありますが、自分の時間を削ってでも会社をよくしていこうという文化があるのです。
GPTW荒川 対面営業からオンラインへの切り替えは、ハード面やシステム面だけではなく、心理的なハードルが大きかったのではと思います。特にベテランの方などが抵抗したり、混乱したりということはありませんでしたか。他社様へのナレッジ提供の意味も込めてぜひTipsがありましたらご紹介ください。
菊地様 弊社は創業以来、対面営業にこだわり抜いて営業をしてきましたので、特にベテラン勢の困惑はありました。「オンラインで商談するのはお客さまに失礼である」と考える社員も多かったです。何度も何度も対話を重ねることで、理解を深めていったというのが実際のところです。
現場の声をダイレクトに聞くために、月2回、オンライン商談に関する課題解決専門の会議を開催しました。営業トップのエグゼクティブプランナー、支社長、営業所長、さまざまな現場の社員たちから、オンラインにおいて何が障壁になっているのか、何に困っているのかをヒアリングして、改善を繰り返しました。今年の1月までそれを繰り返したことによって、万全の態勢が出来上がったと考えています。
走りながら考え、解決に向かっていくのが当社の特長です。ゴールは誰も分からない、でも一つひとつの課題に答えを出しながら、ベストを尽くして進めていった結果、今では業界でもダントツのオンラインセールスを実現できていると思います。