株式会社ソーラーパートナーズ

更新日 2024.10.252023.02.28

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事業成長と組織マネジメントの足並みをそろえ
社員が働きがいを生み出す「仕組み」をつくる

株式会社ソーラーパートナーズ 
代表取締役 中嶋 明洋 様

2023年版「働きがいのある会社」ランキング ベスト100の小規模部門(従業員100名以下)でベストカンパニーに選出された株式会社ソーラーパートナーズ。代表の中嶋氏は、日々社員が働きがいを感じられる仕組みづくりに取り組んでいます。「事業成長と組織マネジメントの関係性」や「働きがいのある会社をつくるためのトップの関わり方」などのテーマでお話をいただきました。

<記事のポイント>
✓増員は年間30%までに留めカルチャーの“ゆらぎ”を最小限に抑える
✓調査結果からあるチームの「誇り」改善に手を打った事例
✓「働きがい認定」を活用し、カルチャーフィットする人材を採用

>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る

ハードワークと超急成長組織を経験してからの独立

interview_230228_01.jpgGPTW 中嶋様のご経歴と、ソーラーパートナーズの成り立ちを教えてください。

中嶋様 ハードワークで知られるメーカー「KEYENCE」で営業職に従事し、そのOBが立ち上げた看護師人材紹介会社「株式会社エス・エム・エス」で新規事業の立ち上げを担いました。会社は5年目にマザーズに上場、その2年後に一部上場するところまで、急成長しました。そこでの組織マネジメントの経験を生かして自分で事業をやりたいと思い、始めたのが「ソーラーパートナーズ」です。

太陽光発電を買いたい人に地元の優良工事会社を紹介する事業なので、看護師人材紹介会社から全く違う事業にシフトしたと思われるかもしれません。しかし、「インターネットを使ったマッチングビジネス」という根幹と、社会に価値あるサービスを提供したい点は同じです。前職とは被らない分野で社会的意義が大きな事業をやりたいと思い、環境分野に進出しました。太陽光発電の世界には悪質な業者も存在し、不当に高額な支払いと杜撰な工事に悩まされている消費者がいるのも事実です。現在は太陽光発電に加えて、外壁塗装や屋根工事など建設業に関わるところで、情報を持たない消費者が不利益を被らないためのマッチングサービスを展開しています。

GPTW わずか5年で上場した前職と、2010年に設立し現在社員数50名未満の御社を比較した場合、マネジメントのあり方も違うのではないかと思います。事業成長と組織マネジメントの関係性をどのように捉えていますか?

中嶋様 前職の会社では、競合が増える前に市場を掌握しようと必死でした。短期間で上場を果たした一方で、事業成長に組織成長が追いつかず、歪みがあったのです。

そうした経験もあり、14期目で47名というペースで着実に組織を育てています。事業成長が急激な場合、組織マネジメントは難しくなるものです。自分が組織マネジメントできるレベルの事業成長にとどめるべきだと考えています。我々の事業は急激な成長によって業界トップに上り詰めないと生き残れない事業ではないため、急激な事業成長は志向していません。社員が働きがいをもって働くための仕組みをつくった上で、事業成長を目指すという順番で考えています。

事業成長に組織成長が追いついていれば、揺らがない

interview_230228_02.jpgGPTW 事業の規模拡大に際して組織カルチャーのゆらぎを感じますか。どのように乗り越えていますか。

中嶋様 無理のないペースで成長してきたため、企業理念が埋没しているとか、人間関係がこじれるなどの問題はなく、カルチャーの揺らぎは感じていません。ミッション、ビジョン、バリュー(MVV)が浸透していることも大きいです。私自身がMVVの奴隷のように行動しているので、社員にも言行一致していると感じてもらいやすいのでしょう。社員も毎月の理念研修を通じて、自分の言動を振り返る習慣があるため、しっかりと浸透しています。

また、当社のカルチャーに合わない可能性がある人は採用しない方針をとっています。採用人数が計画に到達しなくても、カルチャーフィットしない人を採用するリスクは排除できるので、それでよしと考えています。過度な成長を求めていないからこその強みですね。

GPTW 働きがいのある会社調査の結果をどう活用していますか?

中嶋様 現時点での課題を突き止めるために調査結果を活用しています。社内で話し合って課題を抽出して、必ず何かしらの手を打つようにしています。たとえば、社内のあるチームの「誇り」のスコアが低いことがありました。そのチームは「誇りを実感できるチームになる」というテーマを立てて、自分たちの仕事を「見える化」して成果を感じやすくしたり、業務を一覧できる表をつくったりして会社への貢献を感じられるようにしたのです。また、「バリューポイント掲示板」というものをつくり、チームメンバーで会社のバリュー(価値観)にあった行動を書き込めるようにしました。すると、お互いを褒め合うコミュニケーションが活発になり、結果として「誇り」のスコアにも好影響を与えました。

トップの役割は働きがいのある会社の仕組みをつくること

interview_230228_03.jpgGPTW 中嶋様にとって「働きがいのある会社づくり」はどのような位置付けですか。

中嶋様 当社は「売り手よし、買い手よし、世間よし、未来よし」というビジョンを掲げており、売り手の中には社員が入っています。ですから、社員にとって良い状態とはどんな状態なのだろうと常に考えてきました。その答えが「働きがいがある状態」だと思うのです。先ほどもお話ししましたが、「働きがいのある会社」をつくることは、MVVの実践そのもの。私自身、社員が働きがいを感じられるような仕組みをつくることが好きです。私が何もしなくても、社員のみんなが働きがいをもって社会に役立つサービスを提供している状態が理想だと考えています。

GPTW 事業の規模拡大に際して、どんなことを大切にしながら採用活動を行っていますか?その際「働きがい認定」をどう活用していますか?

中嶋様 「全社員の30%以上を1年で増やさない」という前提で採用計画を立てており、ペースはゆっくりです。その上で、カルチャーフィットを重視して採用しています。採用広告の応募数を増やすことだけを考えたら、待遇面を打ち出すことが効果的で、たとえば「年間賞与7.5カ月」と表記したときは応募が殺到しました。しかしながら、その中に採用したい人がいるかどうかは別問題。どちらかというと、「働きがい認定」のある社員の働きがいを大切にしている会社として打ち出したほうが、カルチャーフィットしやすいのです。働きやすさとやりがいの両方を求める人に向けて発信する上で「働きがい認定」が効果を発揮しています。

GPTW 過去の研究レポートでは、「規模の拡大期では、特に組織が300名以下の場合、職場の働きがいがプラスにもマイナスにも変化しやすい」というデータが出ていますが、納得感はありますか。

中嶋様 その通りですね。組織の拡大期は揺らぎが起こりやすいと思います。プラスにも大きく振れるし、マイナスにも振れるイメージですね。ポジティブな方向でまとまっていたものが、目標に対するプレッシャーなどが原因でネガティブな方向に進んでしまったことは過去の実体験としてありました。

GPTW 組織マネジメントに苦労しているベンチャー企業に向けてのメッセージをお願いします。

中嶋様 組織マネジメントも、事業マネジメントと同じように捉えていくべきです。事業マネジメントでは目的を確認し、現状を理解し、課題を抽出して対応策を考えて、実行に移すというPDCAを回していくと思うんですけども、組織マネジメントでもそれは同じ。どんな組織を目指すのか、現在どういう現状なのか、そして何が課題でそこに対して何をしていくのかというPDCAをしっかり回していきましょう。その際、「働きがいのある会社調査」は、現状分析や課題抽出を行う際に有効なツールになると思います。

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株式会社ソーラーパートナーズ 代表取締役 中嶋 明洋 様

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神戸大学卒業後、大手電機メーカー、ITベンチャーを経て、2010年に株式会社ソーラーパートナーズを設立。二級建築士、2級電気工事施工管理技士、第二種電気工事士、既存住宅状況調査技術者など、設計から施工までの専門的な国家資格およびMBA(経営学修士)を取得。これまでに培った知識と経験をもとに、専門工事店と消費者が直接出会えるプラットフォーム構築に日夜力を注いでいる。

株式会社ソーラーパートナーズ

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住宅業界では、多重下請け構造における高コスト体質や、知識や経験が不足した営業担当による無茶な営業活動が、残念ながら今でも多くはびこっています。こうした問題の多くは、確かな経験のある専門工事店とお客様が直接出会うことで解決します。株式会社ソーラーパートナーズは、建築士資格をもつ代表者と、会社自体が建設業許可をもつという建築分野での専門性を基盤としつつ、さらにWEBマーケティングノウハウとマッチングノウハウを蓄積していくことで、専門工事店とお客様が直接出会えるサービスを提供しています。

本内容は2023年2月時点の情報です。

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