働きがい認定企業交流会を密着取材! 「働きがい認定」はブランディングにどう活かせるの?
更新日 2024.07.292024.07.04インタビュー
「働きがい」を高めることは、人材採用ブランディングや離職防止、企業イメージの醸成にも効果があります。特に人材不足が慢性化している今こそ、単に求職者の応募を増やすだけではなく、企業理念や価値観への共感を重視した採用活動が重要です。そのために「働きがい認定」を有効活用している企業も存在します。
そこで今回は、「働きがい認定」を採用ブランディングにどう活かしていくのか、「働きがい認定企業」のご担当者をお招きし、情報交換の場をつくりました。
現在「働きがい認定」をどのように活用しており、これからどのように活用していきたいかなど、3つのテーマで意見交換しました。当日の意見交換の様子から、各社が「気づき」を持ち帰るところまで密着取材しましたので、「働きがい認定」の活用に興味がある方はぜひご覧ください。
※参考:働きがい認定企業一覧はこちら
目次
グループディスカッション①:現在は「働きがい認定」をどのように利用していますか?
グループディスカッション②:他社の取り組みを聞いて、自社ができていないと感じた点はなんですか?
今回はこちらの3名に密着しました!
株式会社クナイプジャパン
人事総務部 部長
小原隆平さん
参加理由:従業員のエンゲージメントをより高めていくことを課題としている。「働きがい認定」の活用方法を学びたい。
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社
マネジャー 経営管理グループ マーケティングチーム
知嵜資徳さん
参加理由:アドバイザリーファームとして社内の足並みを揃えながらブランディングをしていく上で、「働きがい認定」をどう活用すべきかのヒントを得たい。
ourly株式会社
人事
相原真菜さん
参加理由:社内エンゲージメントを扱う会社としては、まずは自社のエンゲージメントをさらに高めるため、「働きがい認定」の活用事例を学びたい。
グループディスカッション①:現在は「働きがい認定」をどのように利用していますか?
まずは、各社が「働きがい認定」をどのように活用しているのか情報交換しました。
各社に共通していたのは、働きがいのある会社調査のレポートを、企業のトップから従業員まで、広く共有する機会を持っていたことです。なかには、調査結果をもとにして、自社が目指す理想の組織像に足りない要素を明らかにし、経営幹部が1日かけて改善に向けたディスカッションを行うという、熱のこもった取り組みもありました。
株式会社クナイプジャパンの小原さんは「経営層から一般従業員まで一同に会するタウンホールミーティングの場で、調査を通じて得た組織の課題や、働きがい認定について発表しています。『働きがい認定』を活用していい会社をつくろうという発信はこれからも積極的にやりたいです。また、GPTWから働きがい認定のロゴデータをいただいたので、それをもとに盾をつくりました。エントランスに飾っておいたら、業者さんのリアクションもよかったそうで、マーケティングの責任者が『働きがい認定を一緒に発信していきましょう!』と言ってくれています」というエピソードを、自作の盾の写真を見せながら紹介しました。これにはほかの参加者も「どうやってつくったんですか?」「これ当社でもやりたいです!」と興味津々でした。
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社の知嵜さんは「私個人のメールの署名に『働きがい認定』を入れています。また、弊社は今採用活動に注力しており、エージェントと連携しています。アドバイザリー業界は一般にハードワークで離職率が高いイメージを持たれているのが現状です。それを払拭する目的で、エージェント向けの情報発信でも、働きがい認定を絡めていきたいと考えています」と発表しました。参加者からも「エージェントへの発信はぜひ参考にしたい!」という声が上がりました。
続いて、ourly株式会社の相原さんは「社内外の発信に力を入れています。具体的にはメディアプラットフォームのnoteや、ビジネスSNSのウォンテッドリー、そして自社サービスでもあるWEB社内報です。『連帯感』のスコアなど組織として優れている点だけでなく、『誇り』などこれから伸ばしていきたい点についても包み隠さず発信しています。特に採用活動の場面では組織の良い点が強調されがちですが、あえて弱みも出すことで信用されやすいと考えています」という具合に「働きがい認定」を用いたブランディングと採用マッチングについて語りました。参加者はオンラインでの積極的な情報発信と、求職者に向けての真摯な企業姿勢に感心していました。
グループディスカッション②:他社の取り組みを聞いて、自社ができていないと感じた点はなんですか?
続いては、「まだできていない取り組み」についてです。「働きがい認定」を活用したエージェント向けのPRや、ロゴデータを用いた盾の作成にすぐに取り組みたいという声が集まりました。
やりたいことはあるけれど、リソースが足りず着手できていないという各社の実情も見えてきました。従業員向けのインナーブランディングをしたいけれど、繁忙期と重なってまとまった時間がとれないという悩みもありました。
株式会社クナイプジャパンの小原さんは「社外への発信にはもっと注力したいです。一人でやっているので、なかなか手が回らない面もあるのですが、マーケティングの担当者と連携して取り組んでいきたいと考えています」とのこと。
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社の知嵜さんは、継続的な発信を課題と感じており、「求職者などに向けてのスポットでの説明だけではなく、オウンドメディアをつかった継続的な発信もできるのが理想です。また、当社は月に3名くらい中途入社の社員が増えているので、彼らに対して働きがい認定の価値を感じてもらうことも大切かなと。CSRなどの文脈と同じで、働きがい認定は社会的価値がある取り組みをしている証拠であり、ビジネスパートナーとして選ばれる理由の一つにもなりうると思うので、ビジネスの提案書に盛り込むこともできると考えています」と話しました。
各企業とも「働きがい認定」を付加価値として、社外に発信していきたい想いがあるけれど、まだ取り組みに反映しきれていないと考えていることが伝わってきました。
グループディスカッション③:各社の発表を受けて、自社でやってみたいと思うこと
最後のテーマは、他社の発表を受けて、自社も取り入れたいことです。まず話題に上がったのは、株式会社クナイプジャパンの小原さんがつくった「働きがい認定の盾」について。働きがい認定企業には、ロゴデータが提供されるので、それを用いて盾を自作することができます。「すぐにでも作りたい」という声が上がりました。
続いて、「採用エージェント向けの発信」についてです。働きがい認定を得たことが、採用エージェントにどのくらい好意的に受け止められるのか、そして、採用効果があるのか試してみたいという声がありました。
エージェントへの発信を発表した太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社の知嵜さんは「エージェントに頼りすぎると採用コストが嵩むので、オウンドメディアの発信にも力を入れたいです。その意味で、相原さんの会社のやり方には興味を持ちました」とのこと。そのほか、働きがい認定を取得時にニュースリリースを出すけれど、継続的な発信ができていないので、ourly株式会社のようにオウンドメディアやnoteをつかって「働きがい認定」を得た組織であることを、ステークホルダーに浸透させていきたいという意見もありました。ourly株式会社では、経営層をはじめとして多くの社員を巻き込み、働きがい認定についてだけではなく、組織の現状をオープンにしています。
こうした取り組みを継続的に実施することで、社員が日常的に働きがい認定について意識できれば、自ずと社内に浸透し、エンゲージメントも向上し、ひいては採用活動にも寄与するのではないか。そのような話題でディスカッションは締めくくられました。
今回密着した3名に感想を聞きました!
認定企業とのディスカッションは刺激的 オフラインだからこその気づきがあった
株式会社クナイプジャパン
人事総務部 部長
小原隆平さん
当社が目指すのは、働きがいのある会社です。仕事がラクで雰囲気もゆるいぬるま湯職場ではなく、人生の一部である仕事を有意義なものとし、自己成長を促す職場をつくりたいと考えています。我々が目指す理想の組織像と共通するものを感じているからこそ、「働きがい認定」は価値があるものであり、積極的に社内外に発信したいと考えていました。
イベントに参加して感じたのは、働きがい認定企業とのオフラインのコミュニケーションは、オンラインよりも学びが多いということ。モニター越しでは想いが薄まってしまう部分もあると思います。
「働きがい認定」という共通項で括られた企業の集まりで、共通のテーマで対話できることがとても新鮮でした。他の参加企業と業界も違いますから、この機会がなかったら出会うこともなかったと思います。
当社は「天然由来素材のものを使って、みなさんに幸せで健康的な生活を提供すること」をパーパスにしています。その実現のためには、そこで働く私たちも健康的で幸せでないといけません。身も心も健康であるために、働きがいを引き出すことを最大限やっていく必要があるわけです。
働きがいを追求する当社を、いろんな人に知っていただき、仲間を増やしていきたいと思っています。ひいてはそれが、我々の組織を強めることと、パーパスの実現につながっていくはずだからです。
異業種交流会などと違い、「働きがい」という
共通テーマで意見交換するから有意義な場になる
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社
経営管理グループ マーケティングチーム マネジャー
知嵜資徳さん
当社は人を財産として最重要視し、働きがいのある職場づくりに取り組んだ結果、働きがい認定をいただきました。激務と言われるアドバイザリー業界では珍しい組織環境を構築してきた自負もあり、これを価値ある強みとして発信していきたい想いがありました。
今回のイベントに参加して重要だと感じたことの一つは、盾を作って従業員が目にする場所に置くことです。「働きがい認定」について意識する機会をつくることが重要だと感じました。
働きがい認定を持つ会社が集まって、コミュニケーションをすることも有意義だったと思います。身内でいろんな取り組みをするにしても限界があります。他社の取り組みを聞くことによって得られる気づきは多いです。一般的な異業種交流会と違い、「働きがい」という共通テーマで意見を交わすことも新しい体験でした。
コンサルティング業界において、当社が「働きがい認定」を持っていることは、大きな強みになると考えています。トップが従業員の声をしっかり吸い上げるボトムアップの風土もあり、従業員主導で営業、マーケティング、働き甲斐、社内DXや研修・教育などのプロジェクトが立ち上がり、活発な意見が交わされています。このあたりも、働きがい認定と絡めて、組織の魅力として求職者にアピールしていきたいと思います。
「働きがい認定」のオンライン発信だけでなく
オフラインでの発信の重要性を痛感
ourly株式会社
人事
相原真菜さん
GPTWの「働きがいのある会社」と、私たちが目指している「一人ひとりが生き生き働ける会社をつくる」という理念には近しいものがあります。「働きがい認定」があるかないかで、我々が持つソリューションの説得力も違ってくると思っています。
今回、イベントに参加して痛感したのは、オフラインの取り組みが十分ではなかったことです。IT系企業なので「働きがい認定」に関する情報や、組織風土についてテキストで発信しており、定期的に記事をアップすることで情報の蓄積もできていると思います。一方で、オフラインでは積極的な取り組みはしていなかったことを反省しました。他社さんの取り組みを見て、オンラインもオフラインもどちらも大切だと痛感しました。
私たちは「目線の揃った組織は強い」というキャッチコピーのもと、SaaSのプロダクト×コンサルティングで、組織課題や経営課題へのアプローチをしています。3年目の企業ですが、大手企業にもご活用いただいています。組織課題や経営課題を扱う仕事は難易度が高いです。だからこそ、若い力で盛り上げながら、難しい領域で成果を上げていくことは、従業員のキャリアにおいても、人生においても素晴らしい経験になると確信しています。
そのためにも、まずは私たちが働きがいを感じながら生き生きと働くことで、「この会社は信頼できるな」と思ってもらえるようにしたいです。そして、理念に共感してくださる求職者の方を集めて、仲間にしたいと考えています。
株式会社クナイプジャパン
株式会社クナイプジャパン 働きがい認定企業ページ:https://hatarakigai.info/ranking/certified_companies/0331_3365.html
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社
太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社 働きがい認定企業ページ:https://hatarakigai.info/ranking/certified_companies/1231_3324.html
ourly株式会社
ourly株式会社 働きがい認定企業ページ:https://hatarakigai.info/ranking/certified_companies/1130_3315.html
※ 本内容は2024年6月時点の情報です。