株式会社セールスフォース・ドットコム

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信頼と平等で紡がれたOhana(家族)カルチャーが
「働きがい」と「イノベーション」を育む

株式会社セールスフォース・ドットコム
代表取締役会長兼社長 小出伸一様

クラウドテクノロジーを活用したアプリケーションと、クラウドプラットフォームを展開している株式会社セールスフォース・ドットコム。2019年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング(Great Place to Work® Institute Japan)において、大規模部門(従業員数1000名以上)1位に輝きました。毎年売上を伸ばしている超成長企業であり、イノベーティブであることも知られる同社。その原動力の一つである「働きがい」を生み出す取り組みについて、代表取締役会長兼社長の小出伸一様にお話しいただきました。

イノベーティブな企業文化の根底にある4つのコアバリュー

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セールスフォース・ドットコムは、創業以来毎年順調に売上を伸ばしてきました。事業の柱は、クラウドテクノロジーをベースにしたアプリケーションシステムの販売です。具体的には営業支援、コンタクトセンター支援、デジタルマーケティング支援といった顧客接点を360度で支援するCRMを提供しています。2018年には、売上が100億ドルを超えました。このように成長し続けている企業ですから、働きがいを生み出しやすい環境であると言えるかもしれません。

米国のビジネス誌などのメディアでは、世界で最も社会貢献に取り組む企業や、世界で最もイノベーティブな企業としても取り上げられました。なぜ、セールスフォース・ドットコムがこの20年間、企業として高い業績と社会的な評価を得られたのか。それは創業以来、行動規範としている4つのコアバリューが根底にあるからだと考えています。

まず一つ目は、「信頼」です。お客様との関係、社員との関係においては信頼が欠かせません。二つ目は、「カスタマーサクセス」です。私たちの提供するCRMソリューションは、お客様がそれを使いビジネスを成功に結びつけるためのもので、お客様の目的・利用方法に合ったものをご選択いただく利用料モデルをとっています。いわゆる「サブスクリプション」と言われるものです。したがってもしもお客様が成功しなかった場合には、すぐに解約されてしまいます。文字通り、お客様の成功が、我々の成功でもあるのです。三つ目は、「イノベーション」。お客様の成功を導くためには、常にイノベーションを起こしていくことが非常に重要です。そして、四つ目は「平等」。多種多様な人たちが、お互いを認め、尊重しあい、化学反応を起こすことがイノベーションにつながります。

4つのバリューを体現する企業文化を我々は「Ohana Culture(オハナカルチャー)」と呼んでいます。Ohanaとはハワイ語で「家族」の意味。信頼でつながる平等な関係と言えば「家族」。お客様と社員、全てのパートナーと家族のような信頼関係で結ばれています。

ビジネスの成長と社会貢献は、自動車でいう両輪の関係

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我々が取り組む社会貢献活動も、全世界から注目されています。特に有名なのが創業以来実施している「1-1-1モデル」という社会貢献モデルです。まず最初の「1」ですが、これは社員の就業時間の1%をボランティア活動に使うことを言います。当社では創業以来20年間に渡りこれを続けています。私自身もゴミ拾いをしたり、孤児院でペンキを塗ったりなど、頻繁に奉仕活動をしています。

また株式の1%をNPOなどの非営利団体に対して助成金としてご提供することも継続しています。そして我々の製品の1%を教育機関や非営利団体に無償提供する取り組みも行なっています。コミュニティという概念は、ご近所同士の助け合いから生まれたものです。私たちは、企業もコミュニティの一員であり、助け合うことがビジネスの成功につながると考えています。ところが昨今、企業は目先の数字に囚われ、社会貢献活動は利益が出てから…と考えがちです。でも、想像してみてください。世の中が良くなれば、コミュニティもビジネスもより豊かになると思いませんか。

テクノロジーによって社会貢献活動の幅が広がり、人と人のつながりがあらゆる問題を解決へ導くと信じています。我々が提唱する「1-1-1モデル」は、前述の通り就業時間の1%、株式の1%、製品の1%を社会に還元するための取り組み。これまで従業員が参加したボランティアは累計で380万時間を超え、2億6000万ドルを超える助成金を、4万以上の教育機関や非営利団体に提供しています。日本では2018年に全社員合計で2万5000時間のボランティア活動を行いました。ボランティア活動への参加率は90%です。

また他社にはない制度としてボランティア活動をするための有給休暇もあります。活動に参加できない社員がいる場合は、アメリカのトップが自ら「ボランティア活動に行くための障害があれば、それを取り除くために一緒に考えましょう」と語りかけることもあります。わずか1%というささやかな分かち合いであっても、より良い世界を描けると確信しているのです。

カスタマーサクセスのために、エンプロイーサクセスにこだわる

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セールスフォース・ドットコムは、ビジネスを立ち上げたころに、「カスタマーサクセス」という部隊をつくりました。販売前のエンジニアよりも、販売後にお客様に寄り添い、ともに成功を目指すエンジニアの数が多いのです。

また、いわゆる人事部門を「エンプロイーサクセス」という部門名にしています。従業員の成功を意味しますが、従業員の成功を支えるためには、従業員満足度の向上が不可欠。そんな考えに基づき、一人ひとりの従業員の成功(エンプロイーサクセス)を目指しているのです。そしてその実現のため、そして従業員1人ひとりが「働きがい」を感じる働き方をするためには、どういう制度を導入したらパフォーマンスがあがるのか常にモニタリングし、必要な施策をその都度導入しています。

徹底的な透明性の確保も、働きがいのある会社になくてはならないものです。セールスフォース・ドットコムでは、世界中の経営幹部が一堂に会する経営会議を年1、2回開催しています。会議はそこに参加しない全ての社員にも公開され、リアルタイムで視聴が可能で、オンラインツールを使い質問や意見を出すことも可能です。私自身が主催する日本の会議も内容は全てオープンにしています。

V2MOMという目標管理手法も透明性の確保に貢献しています。V2MOMとは、「Vision(ビジョン)、Values(価値観)、Methods(方法)、Obstacles(障害)、Measures(測定)」の頭文字をとったもので、トップを含めた全従業員が社内のシステムで公開しています。そして各自が半期ごとに経過をチェックしています。またV2MOMが公開されていることで、私がどんなビジョンやバリューを掲げているのかを全社員が閲覧でき、それに対してフィードバックが可能です。

従業員の満足度調査の結果もすべて共有化しており、前年度と比較して伸びたところ、課題となっているところもすべて全社員が確認できます。リアルタイムでフィードバックできる「フィードバックアプリ」もあります。同僚への助言はもちろん、チームや会社に対して提言することもできる仕組みも、クラウドテクノロジーを使って実現しています。

「平等」もイノベーションの源になる重要な要素です。当社には平等性を担保する役割を担うチーフ・イクオリティ・オフィサーという担当役員が存在します。全世界のイクオリティ(平等)を統括し、不平等が発生したときに率先して解決にあたります。男女平等という観点では、同ポスト・同キャリアであれば賃金は全く同じです。毎年適正に調整を行う制度も機能しています。

今回ご紹介した取り組み以外にも様々な取り組みがありますが、これらの取り組みが実り、2019年版「働きがいのある会社」ランキングの大企業部門1位というご評価をいただいたのも、これらの取り組みが大きく貢献していると考えています。また、来年、再来年と1位を継続できるどうかは、これから新しく家族になる従業員と化学反応を起こせるかどうかにかかっています。今まで以上に一つひとつの取り組みを実践し、「働きがいのある会社」であり続けたいです。

株式会社セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長兼社長 小出伸一様 プロフィール

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1981年日本アイ・ビー・エム入社。ハードウェア、アウトソーシング、テクニカルサービス、ファイナンシャルサービスの各事業の責任者を務め、ニューヨーク本社 戦略部門へ赴任。2002年には取締役に就任。日本アイ・ビー・エムに24年間在籍後、2005年、ソフトバンクテレコム(旧:日本テレコム)に入社、代表取締役副社長兼COOに就任。2007年より6年4ヶ月間、日本ヒューレット・パッカード代表取締役社長執行役員として、同社のハードウェア、ソフトウェア、サービスの各事業ならびに全業務を統括。2014年4月、株式会社セールスフォース・ドットコムの代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に就任、2016年11月より現職。また、2018年6月より三菱UFJ銀行の社外取締役に就任。

株式会社セールスフォース・ドットコム

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2000年の創業以来、中小・中堅から大企業まであらゆる規模・業種の企業が、最先端テクノロジーを使えるよう「テクノロジーの民主化」を推進し、パートナー企業とともに企業が顧客と新しいカタチでつながることをサポートしている。デジタル化の進行により顧客接点は、セールス、サービス、マーケティング、コマースと多様化している。これらの接点をシームレスに連携し、顧客の成功を実現する包括的なソリューションを提供している。

本内容は2019年5月時点の情報です。

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