株式会社東急キッズベースキャンプ

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理念で従業員をつなぎ、一体感を醸成
働きがいのある会社をみんなで創る

株式会社東急キッズベースキャンプ
代表取締役社長 島根 太郎 様

“社会につながる人間力”を育む民間学童(アフタースクール)「キッズベースキャンプ」をはじめ、公的な放課後児童クラブの委託運営事業、保育園運営事業などを展開している株式会社東急キッズベースキャンプ。日本における「働きがいのある会社」ランキング(Great Place to Work® Institute Japan)では中規模部門(従業員100人以上、999人以下)にて、2018年、2019年と2年連続でベストカンパニーに選ばれました。事業の特性上、簡単には給与・待遇を上げられないなかで、どのように働きがいのある会社づくりに取り組んできたのか代表取締役社長の島根 太郎氏にうかがいました。

学童保育業界を変え、キッズコーチを憧れの職業にしたい

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私がベンチャー企業の新規事業開発をしていたころ、小学1年生の息子が「学童保育に行きたくない」と言い出したことをきっかけに、学童保育に関心を持ちました。ワーキングマザー約30名にインタビューしたところ、公共のサービスは社会に不可欠であるものの、その内容に利用者が満足しているわけではなく、「小1の壁」にぶつかり仕事を諦めるケースも多いと知ったのです。この社会問題を解決するために、保護者と子どもが安心して利用できるサービスをつくると決意し、「子どもの可能性を引き出し、社会とつながれる場を作りたい」という想いから、キッズベースキャンプを立ち上げました。

当社ではアフタースクール(学童保育施設)の先生を「キッズコーチ」と呼んでいます。 「キッズコーチを憧れの職業にすること」が私の目標です。キッズコーチたちは、保護者も知らない子どもの成長場面を見て感動したり、保護者から「あなたと一緒に子育てができてよかった」という感謝の手紙をいただいたりしています。お客さまから「大好き!」と言ってもらえる仕事は世の中にそれほどないはずです。

一方で、事業の特性上、当社を日本一報酬が高い会社にするのは難しいです。それでも、会社の「仕組み」を変えることはできます。何より大事なのは、従業員が「この仕事を選んでよかった」と充実感を抱きながら働ける仕組みをつくることです。

そのため、当社は東急グループのシンクタンクである東急総研のES調査を実施し、人事制度や労働環境の改善を重ねてきました。具体的な目標数値を掲げて労働時間の短縮に取り組む、またはスポーツや文系の部活を従業員が自ら立ち上げて交流の場を増やし、連帯感を強めるなどさまざまな取り組みを行ってきました。

取り組みを続けるなかで、GPTWの調査に関心を持ったのは、「働きがいを高める」という考えに共感したからです。たとえ働きやすい環境があって、報酬が高かったとしても、幸せを感じながら働けなかったら意味がないと思っています。

当社は2018年に初めて調査に参加し、以降2年連続でベストカンパニーに選出されました。ベストカンパニーに選出されたことで、採用応募者に対するイメージアップにもつながっているようです。2年連続で選ばれたことは光栄ですが、「これに満足せず、毎年少しずつでも評点を上げていこう」と従業員と話しています。

採用から一貫して、理念への共感・浸透をはかる

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一般的に保育施設は、先生と保護者という関係性になりがちです。そうなると、先生によって保護者への対応が異なるという問題が発生します。また、「あの先生とこの先生で言うことが違う」となると、子どもも混乱します。だからこそ理念を共有し、連帯感を強めることで、企業として質の高いサービスを提供できるようにしたいのです。

採用活動でも、理念への共感を重視しています。一般的には資格所持者が優遇される業界ですが、教育業界以外出身の人も大勢います。自衛隊や警察官として働いていた人を採用したこともありました。ユニークな社会経験を子どもたちに伝えてほしいし、個性が交じり合うことで化学反応が起こってほしいと考えているから、資格よりもその人の経験や人格を見ているのです。

事業を立ち上げた当初、「キッズベースキャンプの理念に共感しました」と言って入社してくれた社員たちが、次第に衝突することが増え、多くが離れていきました。そんな苦い経験があるからこそ、理念やクレドを従業員たちの言葉に翻訳するプロセスが大切だと考えています。そのプロセスの一つが、「クレドカードの更新」です。3年に1回のペースで職場の推薦者が集まって、クレドカードの見直しを行っています。重要なのはクレドを“自分たちで作ること”。自分たちで作ったものだからこそ、しっかりと機能するのだと思います。

理念の浸透と並行して、連帯感を強める取り組みもしています。先ほども少し紹介しましたが、当社は部活動がとても盛んです。従業員がフットサル部、テニス部、バスケ部、ダンス部、野球部や茶道部などを自ら立ち上げて活動しています。ちなみに私はテニス部の監督です。東急グループ内の大会に出場し、フットサル部は優勝しました。このほか駅伝大会などのイベントにも参加し、みんなで熱く盛り上がりながら親睦を深めています。

「KBCアワード」という表彰制度も会社が一つになる大切なイベントです。これは従業員の他薦でノミネート者を選んで、さらに一番活躍した人を選ぶというもの。選ばれた人だけではなく、一緒に関わった人たちも涙を流す感動の場です。個人ではなく施設の取り組みを表彰する「サードプレイスコレクション」という表彰の場もあります。子どもが成長する特別な場所をつくるためにどんな工夫をしたのかを発表し、お互いに褒め合う場です。どの施設が一番か決めるためのものではなく、あくまでも称えあうことを目的としています。

お互いにコーチングしながら、働きがいのある会社をみんなで創る

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従業員を称える仕組みとしては、「サンキューカード」も定着してきました。コーチたちは子どもを褒めて伸ばすことを大切にしています。褒められたり、感謝されたりして伸びるのは、子どももコーチも同じです。お互いのよいところ、よい行動に対する感謝を伝えるために、カードのやりとりをしています。受け取る側からすると、ちょっとしたサプライズ感があるようです。

子育て中の従業員へのフォローも行っており、結婚や出産をきっかけに今後の働き方やキャリアについて考えたい人たちのために、「KBCネウボラ」という子育て中の社員同士のつながりをつくる仕組みがあります。出産に対して漠然とした不安を持つ従業員が、先輩パパ・ママコーチへ相談することができます。こうした助け合いの文化があるからか、当社在職中に結婚や出産をする従業員が非常に多いです。しかも、育休を取得した従業員はほぼ100%復帰しています。正社員は約200名ですが、2020年には10名復帰する予定です。子育ての経験をいかに職場に還元してもらうのか、受け入れる側はどこまで子育て中の従業員をフォローできるのかみんなで考えています。今後は男性のキッズコーチの育休取得もサポートする予定です。

GPTWの調査をきっかけに生まれた取り組みもあります。その名も「働きがい向上委員会」。会社組織を本気で良くするためには、従業員に当事者意識がなくてはなりません。経営陣や事務局だけでなく、みんなで働きがいのある会社を創るために、各職場の代表者からなる委員会のメンバーが集まってアイディアを出し合っています。最近では本部と現場との距離感を縮めるために、名前と顔と趣味などのプロフィールを載せたマップをつくりました。名前と顔が一致し、キャラクターも見えてくることから、本部に相談しやすくなったようです。

当社は、設立時から一貫して子どもの主体性を大事にしてきました。子どもたちがコーチになり、いろいろなイベントを自分たちで取り仕切ったり、施設のルールを決めたりすることもあります。それと同じように、やはり現場のコーチたちが、自分たちの職場に主体的に関わってほしいのです。従業員のみんなには、「この仕事を選んでよかった」と心の底から感じられるように、仲間を大切にしながら、働きがいのある会社を自分たちの手で創ってほしいと考えています。

株式会社東急キッズベースキャンプ 代表取締役社長 島根 太郎 様 プロフィール

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1965年、東京都目黒区生まれ。中央大学商学部商業貿易学科卒業。輸入雑貨事業や自然食事業等を経て、2003年株式会社エムアウトに入社。事業開発や起業の仕組みづくりに関わる。2005年よりキッズベースキャンプの事業開発に着手し、2006年5月に同事業部長に就任。民間学童保育事業スタートさせた。2008年、分社化により現職。2児の父。

株式会社東急キッズベースキャンプ

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「子どもたちの将来のために“社会につながる人間力”を育みます」という理念のもと、民間学童保育(アフタースクール)事業、児童館・放課後児童クラブ等の受託事業、未就学児保育事業、コンサルティング事業、研修・人材育成事業を展開。民間学童保育事業では、小学生を対象に最長22時まで保育。学校、駅・自宅までの送迎サービスを徹底。英語、農業体験、アート工作などの多彩のプログラムを有する。2018年より学童保育のパイオニアとして培ったノウハウを活かし「KBCほいくえん」をスタートした。

本内容は2019年12月時点の情報です。

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