従業員の家族にもよりそい、笑いや楽しさを盛り込む
大和リースらしさあふれる働きがいのある会社づくり
大和リース株式会社
代表取締役社長 北 哲弥 様
更新日 2022.04.262021.09.24
従業員の家族にもよりそい、笑いや楽しさを盛り込む
大和リースらしさあふれる働きがいのある会社づくり
大和リース株式会社
代表取締役社長 北 哲弥 様
システム建築・プレハブ建築・土地活用・商業施設の開発・運営から、駐車場建設や自動車・農業・福祉分野のリース事業、都市緑化、再生可能エネルギー事業など幅広い事業・サービスを展開する大和リース株式会社。「働きがいのある会社」ランキングには2018年から4年連続でランクインしており、2021年版ランキング(大規模部門)では24位に選ばれています。同社の代表取締役社長 北哲弥様に、従業員想いの福利厚生と、大和リースらしさあふれるユニークな取り組みについてお話いただきました。
<記事のポイント>
✔働きがいの源泉は脈々と受け継がれる「社会」への貢献
✔さらなるダイバーシティ経営のため、社長自ら「イクボス」宣言
✔働きがいを支える、大和リースならではのユニーク施策
当社は大和ハウスグループの会社であり、プレハブ仮設建物の賃貸と販売を祖業としています。現在は、公共・民間の施設整備を支えるシステム建築や公民連携のPPP・PFI事業などを行う「規格建築事業」、商業施設やコインパーキングなどの土地活用立案から建設運営まで一括サポートする「流通建築リース事業」、リース、レンタル、シェアという視点から社会のニーズに応える「リーシング ソリューション事業」、そして壁面、屋上など幅広い場所での緑化の施工や再生可能エネルギー、省エネ提案など環境アイテムの整備・運営を行う「環境緑化事業」の4つの事業を柱としています。
「会社は社会の公器である」という創業者の言葉に則り、被災地支援など社会貢献活動にも積極的です。
大和ハウスグループが誕生したのは66年前。創業時からの企業理念は、社是として脈々と受け継がれています。その1行目にあるのが、「一、事業を通じて人を育てること」です。この言葉を元に経営判断ができているか、行動の基準になっているかを期初方針で話しました。また毎朝の朝礼や研修会などで改めて企業理念を振り返るだけでなく、ビジョンブックを全従業員へ配布したりなど、常に目に触れるところに企業理念があり、従業員一人ひとりに染み付いています。
仕事を通じて成長すること、世の中に貢献することはもちろん、家族からも「いい会社だね」と認められることが、働きがいにつながるのではないでしょうか。私たちはこれまで、従業員だけではなく、その家族にも喜ばれる会社づくりをしてきました。期初の取締役会で決議するんですが、これは業績が伴わなければできないので、例えば、「学問のススメ奨励金」では、従業員の子どもの入学時に奨励金をお渡ししています。「エンジェル奨励金」は、第1子は出産祝金として30万円、第2子50万円、第3子以降に100万円を支給する制度です。出産・育児でお金が必要なときに支給できるようにしました。男女問わず、子が3歳に達するまでの休業できる育児休業制度もあります。つい最近も、休暇中の社員が私宛に「子どもが生まれました」と連絡をくれました。休業中も会社のことを思い出して連絡をくれたことがうれしいですし、笑顔で従業員が戻ってこられるよう、新しい活躍の場をつくって迎え入れたいと思いましたね。
仕事と育児の両立のためには、本人の努力だけではなく周囲の協力が欠かせません。カギとなるのは、職場の仲間と上司の理解です。当社は2017年から「イクボス」の考えを取り入れています。「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、部下のキャリアと人生を応援しながら、自らも仕事と私生活を楽しむボスのことです。毎月19日を「イクボスの日」と制定し、ダイバーシティ経営の考え方に基づく「働き方の変革」に取り組んでいます。少子化問題という大きな社会課題の解決に向けて、まずは会社としてできることに取り組みます。
経営に「笑い」を取り入れる施策も実施しました。健康経営の一環として社員の発案により落語家さんや漫才師さんを本社へお呼びし、全国の事業所とTV会議システムで生中継しています。(現在は一時中断)ストレスの発散や脳の働きの活性化、免疫力の向上を期待するとともに、日本の伝統文化に触れる貴重な時間になっています。10年以内の若手の方に出演をお願いすることで、活躍の場を提供し、伝統文化を守る一助になればという期待もあります。
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個人的には、落語家さんや漫才師さんの話の組み立て方、間の取り方、聞く人を惹きつける話し方を見て学ぶことは、仕事にもつながるのではないかと考えています。コミュニケーションにおいて大事なのは、部下や上司などの聞き手の立場になって言葉を選び、どう伝えていくか。自分の発した言葉が、相手にどう伝わっているかです。コミュニケーションを磨く上でも、有効な取り組みだと考えています。
このほか、現会長の発案から取り組んだ「ラボ」もあります。これは役職も性別も関係なく、5人程度が集まり、それぞれテーマを決めて好きなことを、楽しみながらやるものです。昨年度は21のラボが活動しました。予算は1ラボ100万円で、取り組み内容は仕事と直接関係がない活動が基本です。コロナ禍で予定通り進まなかったようですが例えば、「甲子園ラボ」は、甲子園出場経験がある人を中心に野球が好きな人たちが集まり、大和リース内での東西対決野球や、野球経験者の情報を集めた大和リース版の野球名鑑を企画したりしました。若手から役員まで野球経験者はいますし、全国に散らばっている仲間が野球をきっかけに交流をはかることができるわけです。ラボの活動がすぐに仕事に結びつかなくてもいいので、いずれ交友関係の広がりや個々人の能力アップ、会社の文化醸成につながればと期待しています。
働きがいを高める取り組みと並行して、働き方改革も続けていきます。コロナ禍ではリモートワークの割合が多くなりましたが、今後、コロナが終息しても働き方を昔に戻すことはしません。常に進化させていく方向で考えています。オフィスの在り方、会議の開催の仕方も再考する必要がありますし、継続的に新しいやり方を模索していくべきだと痛感しました。
また今回、GPTWの「働きがいのある会社調査」でベストカンパニーに選ばれたことは光栄ですが、一喜一憂せず、人間ドックのように毎年、定期点検することが大事だと考えています。「地域や社会に貢献している」と感じている従業員の割合が他社と比較して大きいことは誇らしいですが、一方で改善したい課題も浮き彫りになりました。例えば、「明日会社に行くのが楽しみである」や「管理者層に気軽に話せる」、「一体感を感じられる」と回答する社員ももっと増やしたいと思っています。仲良しクラブのような会社にするつもりはありませんが、悪いところは改善し、良いところを伸ばす取り組みを継続していきたいですね。
※ 本内容は2021年9月時点の情報です。