株式会社NATTY SWANKY

更新日 2024.10.312021.11.29

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アルバイトまで含め全社で「5つの心」の浸透を徹底
業界平均の1/3まで離職率を減らした数々の取り組み

株式会社NATTY SWANKY
代表取締役社長 井石 裕二 様

餃子ブームの火付け役となった『肉汁餃子のダンダダン』を運営する株式会社NATTY SWANKY。2020年版GPTWランキング中規模部門(100人から999人)においてベストカンパニーに選出されています。同社代表の井石 裕二様に、従業員のコミュニケーションが活発で、深い信頼関係が築かれているNATTY SWANKYの組織文化がどのように育まれているのか語っていただきました。

※本記事は2021年10月27日に開催した【GPTW事例セミナーVol.5】タテ・ヨコ・ナナメの連携を強化し働きがいを高める!ニューノーマル時代の”強いチーム”をつくるには~「働きがいのある会社」ランキング上位企業登壇~において、『全階層に伝えている事~5つの心を育む~』というテーマでご講演いただいた内容の抄録です。

<記事のポイント>
✔アルバイトまで含め全社で「5つの心」の浸透を徹底
✔規模が拡大する中、立ち戻ったのは「挨拶」
✔業界平均の1/3まで離職率を減らした様々なユニーク施策

>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る

「人材の定着」を目的に働きがいのある会社調査に参画

interview_211129_01.jpg当社は2001年に設立し、今年で20周年になります。「肉汁餃子のダンダダン」が誕生したのが2011年ですので、ブランドとしては10周年です。従業員数は正社員が238名、アルバイトが約1200名となっています。GPTWに初めて参加したのは2018年。その当時は、正社員が100人前後でした。2019年3月にマザーズに上場し、今に至ります。当社が運営する「肉汁餃子のダンダダン」は、餃子がメインの大衆居酒屋です。お客さまのほぼ100%が看板商品である肉汁焼き餃子を頼んで、お酒を飲んでいただく業態になっています。こだわりは餃子です。チェーン店ではありますが、餃子は今でも手包みでやっていますし、餃子の味に関しては自信があります。

企業理念は「街に永く愛される、 粋で鯔背(いなせ)な店づくり」。飲食業界は流行り廃りがあり、5年間続くブランドは3割と言われています。一軒一軒がその街で長く愛されるようにしていこうという想いを込めました。後ほどご説明しますが、行動指針としては「5つの心」を掲げています。GPTWに参加しようと思ったきっかけは、人材を定着させたいという思いでした。それまで社内では、従業員向けのアンケートをとったことはありませんでした。従業員のみんながどこに満足していて、どこに不満を感じているのかを把握したいと思ったのです。実際に調査に参画した結果、さまざまなところにプラスの影響が出ています。やはり人材の定着の部分の効果が大きかったのですが、ベストカンパニーに選ばれたことで採用にも好影響がありました。

当社の行動指針として、従業員に大きな影響を与えているのが先ほどの話にも出てきた「5つの心」です。向上心=現状に満足せず、今よりも成長するという強い意志を持ち続ける。好奇心=何人や何事にも関心を持ち、新しい事を発見する。探究心=足元を振り返り、目の前のことを突き詰める。自立心=決して人のせいにせず、何事もまずは自分に責任があると思う。忠誠心=関わる全ての人々に感謝し、忠誠を尽くし、恩返しをする。以上の5つを常に頭に入れた状態で仕事をしようと常に言っています。

「挨拶の徹底」にはじまる会社の文化をつくるための取り組み

interview_211129_02.png年商が3億、4億に成長し、社員が増えてきた段階で社員教育をしようと考えましたが、そのころは何から手をつけていいのかわかりませんでした。人数が増えると私が直接会って話す機会が少なくなります。そのせいで伝えたいことが伝わらなくなることも多くなりました。とはいえ、社員教育のためにあれこれ言っても、なかなか伝わらないと思ったのです。そこで、挨拶は誰にでもできることなので、とにかく挨拶を徹底的にやることにしました。お店に入ってきたときにまず姿勢を正して、大きな声と笑顔で「おはようございます」と挨拶する。また、帰るときには「お疲れさまです。お先に失礼します」とお客さまにも聞こえる大きな声で挨拶するようにしました。店舗だけでなく本社でも挨拶を徹底しています。

また、会社の価値観を明文化しました。『餃子論』という1冊の本のなかに、会社の価値観をまとめています。現在はスマホでも読めるようにしました。新人研修もこの『餃子論』をもとに実施しています。こうした取り組みが浸透するようにするには、反復することが大切です。当社は毎月1回、歓迎会や送別会で必ず集まる機会があるので、そのときに「5つの心」の浸透をはかるテストを実施することにしています。みんなが一字一句、正しく書けるようになることが目標です。そのくらいしないと普段から意識できないと思っています。

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書籍代を負担する「読書感想文制度」で価値観を共有する

interview_211129_03.jpg当社ならではの珍しい取り組みとしては、「読書感想文制度」があります。会社から月1回課題図書を出して、それを読んで感想文を書いて社内SNSのグループに投稿すると3,000円もらえるというものです。その3,000円をまた次の課題図書を買うお金にしてもらいます。みんなが同じ本を読んでいるので価値観の共有にも寄与するなど、副次的な効果も感じられるようになりました。ちなみに私は全く本を読まないタイプの若者で22歳くらいから少しずつ読み始めて、価値観が大きく変わった経験をしています。みんなにも同じような経験をしてもらいたいという思いから、こちらで少しお金を出して読んでもらうことにしました。やるからには徹底したいので、読書感想文の提出率なども上司の評価に含めています。

「最強店舗」という取り組みもあります。これは現在の100数店舗のスタッフの中からメンバーを選抜し、オールスターのチームを組んで3日間営業するというものです。店舗が増えてくると商品のクオリティや、サービス、笑顔や声出しなどがバラバラになりがち。最高の店舗はどういう状態なのか体感してもらうために「最強店舗」をつくり、他の店舗のメンバーが訪問します。そこで自分の店舗との違いを感じてもらい、改善につなげることが狙いです。アルバイトの子たちは無料で食事もできるし、オールスターに選ばれた人たちの仕事ぶりも見えるため、参加のモチベーションは高いです。

社内SNSも活発です。ツールは「Talknote」を使っています。店舗ごとやプロジェクトごとのグループでやりとりしたり、私が全社に向けて発信をしたり、あとは朝礼の動画を流したりという具合です。SNSを通じてアルバイトの子たちにも私の声が届くようになっています。また四半期に1回、「BORA」という社内報を出しています。こちらで私が会社の歴史をずっと連載しています。これが会社を知っていただくきっかけになっており、採用にもつながっています。

飲食業界は離職率が高いです。当社は業界平均の3分の1ぐらいで収めることができていますが、まだ何が正解かわからず、ひたすらブラッシュアップし続けている状態です。こうした取り組みを進化発展させていきながら離職を減らし、これからも働きがいのある会社づくりを進めていきたいと思います。

株式会社NATTY SWANKY 代表取締役社長 井石 裕二 様 プロフィール

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1974年生まれ。東京都出身。会社員を経て、現在の取締役副社長、田中竜也氏と共に起業。2001年に有限会社ナッティースワンキー(現 株式会社NATTY SWANKY)取締役に就任。2018年より代表取締役社長就任(現任)。愛読書は「キングダム」。座右の銘は「餃子とビールは文化です」。

株式会社NATTY SWANKY

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2001年設立。「街に永く愛される、 粋で鯔背な店づくり」~期待以上が当り前、 それが我等の心意気~を理念に、餃子ブームの火付け役となった『肉汁餃子のダンダダン』を運営。2011年に調布に1号店を出店し、現在全国に109店舗展開している。2021年1月に10周年を迎えた。2018年度『ホワイト企業大賞 人が輝く経営賞』を受賞、2018年~2021年の4年間、「働きがいのある会社ランキング」でベストカンパニーに選出。

本内容は2021年10月時点の情報です。

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