紙文化からリモートワーク先進企業への変革!ギンガシステム株式会社の事例

更新日 2024.10.082024.10.08

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いつでもどこでも働ける環境を自らつくることが
従業員の働きがいの向上と顧客への価値提供につながる

ギンガシステム株式会社
代表取締役社長 阿久津 貴史 様

2024年版の働きがいのある会社調査にて、「働きがいのある会社」として認定されたギンガシステム株式会社。働きがいのある組織づくりのために、社内改革に取り組み、自社製品を活用したリモートコミュニケーションの体制を整えています。今回のインタビューでは、社内改革の過程での苦労や、「働きがい認定」をどのように活かしているのかを、代表取締役社長阿久津様に伺いました。

<記事のポイント>
✓人材戦略は単体ではなく、経営戦略の延長線で考える。
✓取り組みの軸が周知されなければ、社内改革は進まない。
✓「働きがいのある会社認定」の取得をきっかけに、魅力的な人材からの応募が増加。

>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る

テレビ会議一筋でニッチなニーズを取り込む

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GPTW ギンガシステム株式会社の成り立ちや事業内容について教えてください。

阿久津様 当社の前身が英会話NOVAのお茶の間留学というシステムを作っていたことが始まりで、25年以上前から、テレビ会議の専用機を他社に先駆けて提供してきました。長年にわたり、使い勝手の良いテレビ会議とは何かに向き合い、ネットワークや音響などにこだわって研究を続けてきたことが、現在の事業の礎となっています。

最近は、zoomなど様々なオンライン会議のツールが登場し、テレビ会議の専用機はほとんど市場からなくなってしまいました。大手メーカーは撤退してしまい、テレビ会議の専用機を取り扱っている会社は現在わずか数社という状況です。しかし、秘匿性の高い情報を取り扱う企業などからは、専用機で自社サーバーを通して自分たちのネットワークを構築したいというニーズが依然としてあるため、テレビ会議一筋でやってきた当社を現在も重宝していただいています。

GPTW 貴社の経営戦略ならびに人材戦略について教えてください。

阿久津様 テレビ会議の専用機はニッチではありますが一定のニーズがあるため、安定的にこれからも提供していこうと考えています。一方で、テレビ会議専用機を常時接続システムとしてリニューアルし、新たな製品も提供しています。新製品では、大画面でオフィスとオフィスを常時つなぐ、あるいは自宅とオフィスを常時つなぐことで、遠くにいながら臨場感のある自然なコミュニケーションを実現でき、社内のエンゲージメントを高めることができる。導入されたお客様から喜びの声もいただいており、今後力を入れて核となる事業にしていけたらと考えています。今後も、コロナ以降のリモートワークやハイブリッドワークなどの新しい働き方に着目して、それらを軸に新たな事業展開をしていきたいです。

また人材戦略に関しては、それ単体で考えるというよりも、経営戦略の延長として考えています。従業員一人ひとりが誇りを持って生き生きと働けるような会社を作り上げれば、自然と優秀な人材が集まってきて一生懸命働いてくれると思っているんです。

リモートコミュニケーションを実現すべく社内改革に奔走

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GPTW 働きがいのある組織づくりのために取り組んできたこと、その過程で苦労されたことについて教えてください。

阿久津様 今後も時代のニーズに合わせながら、リモートコミュニケーションの会社として発展していこうと考えていたのですが、実は、当社内でのリモートワークが全然進んでいなかったんです。当社内で自社製品を実際に活用できていないと、従業員が誇りを持って売り込むことができないし、お客様に納得していただくこともできない。そう思い、当社が率先してリモートコミュニケーションを本気で実践してみようと改革に踏み切りました。

今まで超アナログでやってきた会社だったので、リモートワーク規定なんてないですし、もちろん社内は紙だらけ。それこそ、タイムカードやハンコをどうしようから議論が始まるんです。そうしたなかで、経理のSaaSや、クラウド、チャットシステムなどを適宜導入しながら、地道にそれらの細かな問題を一つ一つ解決していきました。当初は、絶対テレワークなど無理と反発していた部署も、「意外とテレワークができるね」ということなり、最終的には全部署テレワークを導入できました。現在は、65型のモニターを導入し、自社製品で東京と大阪のオフィス、各自のリモートワーク環境をつないで、コミュニケーションをとっています。

社内改革を通して思うことは、「軸がないと改革は進まない」ということです。慣れているやり方のほうが良いとか、個別にそういう意見はどうしても出てくる。しかし、「どこでも働けて、どこからでもコミュニケーションできる環境を整える」という軸が周知できていたから、そこに向けて全てのシステムを最適化するように、改革を進めることができたんです。

ある日、当社の営業担当が「最近は、営業しているというよりも、自社製品を自慢しに行っているだけなんです。お客様も納得してくれて売り上げも伸びるし、楽しくてしょうがないです」と話してくれました。このとき、自社製品を活用してリモートコミュニケーションの環境を整えた成果を改めて実感しましたね。

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「働きがい認定」で魅力的な人材から応募が来るように

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GPTW 「働きがいのある会社」調査の結果や認定を受けて、社内外からどのような反応がありましたか?また、調査の結果や認定をどのように活用していますか?

阿久津様 何より従業員がすごく喜んでいましたね。認定を通して、自分たちのやってきたことが間違いないんだと確認できたのだと思います。認定をもらえたから満足ということではなくて、さらに良い会社にしようという意識が高まったと感じています。

採用に関しても、とても魅力的な方から応募が来たり、今まで欲しくてもなかなか来なかった開発職での応募も来たりするようになりました。給与面ではなかなか大手企業には及ばないなか、そういった応募が増えているのは、やはり認定が取れたおかげだと思っています。

働きがい認定に関しては、ここ数年で非常に盛り上がりを感じています。当社がその一員であることを誇りに思いますし、今後も維持していかなければいけないので、良い意味で気が抜けないとも感じますね。例えば、今回の調査結果で、経営陣に対する信頼という項目が高スコアだったので、今後も落とさないように努力を続けようなど参考にしています。また、足りなかった部分は、一つひとつ来年までに改善しようと明確になるので、今後の指針になっています。

現在当社のホームページに働きがい認定のロゴを掲載していますが、今後は従業員の名刺にも入れて、対外的にさらにアピールしていこうと考えています。

空間的な自由から心理的な自由へ

GPTW 阿久津社長が今後も理想として目指していく働きがいがある職場とは、どのような職場でしょうか?

阿久津様 まだ模索中ではあるのですが、イメージとしては「自由こそが働きがい」なのだろうと思っています。現在の当社のテーマは、空間的な自由にとどまっているのですが、いずれは、心理的な自由や権限の自由にも着目していきたいと考えています。従業員が自分自身で物事を判断して仕事ができる環境というのが、本当の意味で働きがいのある環境だと思うので。まだ道半ばではありますが、今後も勉強しながら、より理想的な働きがいのある職場を目指していきたいと思っています。

ギンガシステム株式会社 代表取締役社長 阿久津 貴史 様

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東京都出身。1994年立教大学経済学部卒。株式会社ベンチャー・リンクを経て、2018年株式会社会社焼肉坂井ホールディングス(東証スタンダード)代表取締役社長就任、2023年同社退任。現在はギンガシステム株式会社にて代表取締役社長を務める。現職では、リモートワークで「働く場所を自由に」という信念のもと、社内のリモートワーク環境を整備。日本一働きがいのある会社を目指している。

ギンガシステム株式会社

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1997年創業。英会話NOVAの「お茶の間留学」から始まり25年以上、自社開発のテレビ会議システムを他社に先駆けて提供してきた。現在は、「人と人をつなぐ」をテーマに、企業向けのテレビ会議システム、リモートワーク支援ソリューションの提供をしている。主力製品は、「LoopGate」、「お隣オフィス」、「テレ窓」など。

本内容は2024年10月時点の情報です。

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