前期比188%成長のベンチャーが認定を活用する理由 株式会社KITENの事例

更新日 2025.11.122025.11.12

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目指すのは「力」と「愛」がバランスする組織
KITENの「働きがい」を第三者認定で裏付ける

株式会社KITEN 代表取締役 松村 周 様

メンバーの人生の「起点」となり、「機転」の力でクライアントに貢献する。そんなパーパスを掲げる株式会社KITEN。平均年齢20代半ばの組織は、わずか1年で組織規模は約2倍という急成長を遂げています。そんな同社がなぜ「働きがいのある会社」調査を導入したのか。代表取締役 松村周様、人事部 宮田彩花様に、その理由と活用について伺いました。

<抱えていた課題>
✓「自社のカルチャー・価値観にフィットした人材」を採用したい
✓採用広報において「客観的な強み」を示していきたい

<導入の決め手>
✓信頼性の高い第三者認定が、KITENの優れたカルチャーの裏付けになると考えた
✓認定があることで、求職者に向けて心理的安全性を確保できると感じた

>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る

平均年齢20代中盤、わずか1年で組織規模が約2倍に

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GPTW 御社の事業概要とその特色を教えてください。

松村様 広告代理店事業とD2Cのメーカー事業、新規事業やM&Aによる企業買収と事業再生に取り組んでいます。広告代理店の特徴は、たとえば「ジムの入会申し込み1件でいくら」といった「成果報酬型」。当社が集客のリスクを負い、結果に連動して売上が立つモデルです。マーケティングの戦略からオペレーションまで一気通貫で手掛けています。M&A事業では、韓国の化粧品ブランドや、遺伝子検査に基づくヘアケア商品のようにプロダクトの芯が強いものを買って再生。マーケティング力を活かし、ビジネスを加速させています。

当社は現在5期目です。前期比で売上は188%成長、営業利益も伸びています。社員も約2倍に近いペースで増えており、新卒が1割、第二新卒が8割、残り1割がいわゆるミドルレイヤー・ハイレイヤー人材という人員構成です。今期のグループKGI(重要目標達成指標)は「売上100億円」。さらに5年後は「1000億円」を掲げています。

社長の原体験……「力」と「愛」が組織づくりのルーツ

GPTW 御社にとっての「働きがい」の位置づけを教えてください。

松村様 僕は「愛はあるけどお金はない家庭」で育ちました。父親は経営者としてチャレンジしているけど儲からない。なので、母が音楽教室の先生の仕事で家計を支えていました。そんな背景もあり、「自分は絶対成長する」「いつかめちゃくちゃ稼ぐ」と考えていたんです。大学時代にマレーシアでインターンして、初めてFacebook広告の運用を経験。1日16時間くらい働いていました。意地悪な先輩にいびられたり、ひどい扱いを受けたりしながらも、「成長したい」という渇望感で頑張っていた。仕事のやりがいはあったけど、心理的安全性なんてまったくなかったです。

その後、上場企業やファンドで働き、21歳で起業しました。広告代理店を立ち上げて2年でバイアウト。その後は売った会社の役員に入り、上場を目指しました。訪問営業がメインの会社でしたがコロナで営業ができなくなり、上場もできなくなった。「俺たち仲間だ」って言っていた人たちが、次々やる気をなくして辞めていく様子を目の当たりにしました。

そんなときに、地元の先輩が立ち上げたナハトという会社と出会いました。温かい社風で、僕も受け入れてもらい、頼りにもされて……それまでの環境と違いすぎてカルチャーショックを受けたんですね。僕自身はずっと「お金」とか「効率」とか、分断する「力」の中にいたからこそ気づいたんです。「力」は物を動かすのに必要だけど、それだけだと組織は分断して壊れていく。「愛」は結合のエネルギー。だから、この「力と愛」が動的にバランスする働きがいのある組織を作りたいと思った。それが25歳でKITENを立ち上げた一番の目的です。

100人規模に拡大する中で必要になった共通の物差し

GPTW 「働きがいのある会社」調査に参画したきっかけを教えてください。

松村様 売上100億円・1000億円を目指す中で、経営陣も幹部も成長に向けてギアをぐっと上げました。5人×5チーム+リーダーで30人くらいの規模なら、対話ベースでやりがいをつくれます。でも、100人規模になると評価制度や文字ベースの基準値が必要になる。それをどうつくるか。「働きがいのある会社」調査が一つの物差しになると期待しています。

interview_251106_04.jpeg宮田様 採用面では、「働きがいのある会社」認定が求職者の心理的安全性につながる期待がありました。世の中には「ホワイト企業認定」のような認定がいろいろありますが、その中で当社が「働きがいのある会社」認定を選んだ理由はシンプルです。私たちは、仕事に対して熱量があって、働きやすさだけでなくやりがいも求めている人に来てほしい。「働きがいのある会社」認定に興味を持ってくれる人たちは、まさにそういう人材だと考えました。

私たちが求めるのは、スキルよりもカルチャーへのフィットや共感。一言でいうなら「仕事への熱量」と「仲間意識」です。ワクワクしながら仕事に向かえるか。そして「仲間と一緒だから楽しい」と思えるか。自分の夢や目標をしっかり持って、それに本気で挑戦できる強さや行動力を持っているか。そういう人たちと一緒に働きたいと考えています。

松村様 僕らは青臭いことを言うし、実際に青臭いことを体現しようともがいている会社です。会社の中にいれば熱量が伝わるけど、外からすると「令和の時代にそんな会社ある?」って思われてしまう。そういう意味で、信頼性のある認定は客観的な裏付けになると思います。僕らが言っていることがただの理想論じゃないと示す証拠の一つです

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未来への期待を語る1on1、月1600通を超える「ありがとう」の文化

GPTW 「働きがい」を高めるために、具体的にどんな取り組みをしていますか。

松村様 1on1を積極的にやっています。人が働く理由は大きく3つで、人間関係、給与を含む仕事のやりがい、未来への期待だと思います。人間関係は心理的安全性に関わる部分。やりがいは「決裁権を持って自由にやれているか」「有能性を発揮できているか」「関係性がちゃんと担保されているか」。未来への期待は「この会社にいて自分はどうなれるのか」をポジティブに描けるかどうかだと考えています。

上司は日々KPIの話をするので、やりがいの部分に話題が寄りがち。未来への期待を語れるのは、やはり僕や役員なんですよね。だから会社を立ち上げて2期目から4期目ぐらいまで、社員50人全員と毎月1時間ずつ面談していました。毎月1/3くらいの時間をメンバーと話していたので、正直かなり大変でしたね。今は役員陣も1on1を毎月やっていますし、これからはよりシステム的に運用していく予定です。

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もう一つ大きいのは「サンクス制度」です。社員同士で「ありがとう」を送り合う仕組みで、僕も毎月70通くらい送っています。全社で毎月1600〜1700通の「ありがとう」が飛び交っていますね。この仕組みの良いところは「この人は今月、どんなことをしていたかな」「実はこういうところで助けられていたな」って思い出すこと。それが、「心理的柔軟性」や「他者理解」につながる。だからリーダー陣には特に意識してやってほしいと伝えています。こういう取り組みが信頼関係を生むからです。信頼関係があるからこそ、ハードな議論やストレートなコミュニケーションもできる。心理的安全性と挑戦は両立する。そのバランスをとるためにサンクス制度は効いていると感じています。

第三者認定を求人票やWantedlyで掲載し、求職者からの安心感につなげる

GPTW 「働きがいのある会社」認定をどのように活用していますか。

宮田様 求人票やホームページ、ビジネスSNSなどに「働きがいのある会社」認定について載せています。求職者の方から「創立してまだ6期目なのに、こんなに認定を取っていてすごいですね」って言われることも。この「働きがいのある会社」認定が加わったことで、より求職者に安心感を持ってもらえていると感じます。

松村様 今後は認定だけで満足せず、さらに上を目指していきたいですね。たとえば「働きがいのある会社ランキングで日本12位です」って言われたら、「え、日本で12位ってすごいじゃん」となるじゃないですか。そういう位置づけになってくると、もっと意味があると思っています。

僕たちは「日本一、人が育つベンチャーをつくる」をこの10年の目標にしています。だからこそ「働きがい」という文脈は、僕らにとって本質的に重要です。しっかり実態を伴わせながら、ランキングでも1位に近づいていけたらいいなと考えています。

熱量を持って働き続けるには「働きがい」が不可欠

GPTW これから働きがいを高めていきたい企業に向けてメッセージをお願いします。

松村様 たとえば、広告制作のようなクリエイティブな仕事には終わりがなくて、どこまでも突き詰められます。その最後の1%を埋める原動力というのは、技術云々より結局は感情だったり、仕事への熱量だったりします。サッカー選手でサッカー嫌いな人がいないのと一緒で、本気でやっている人は、「働きがい」を感じているからそこに立てていると思うんです。

interview_251106_03.jpgもちろん会社は、学校でも職業訓練校でもないので成果は求めます。でも、その人の個性や感情を織り込んで仕事に臨めるような環境をつくりたいし、僕自身もそうありたい。だから仕事に熱量を持っている人と一緒にやると決めているし、働きがいは不可欠です。

一方で、「物心両面」って言われるように、まず物があるから心が育つのだと考えています。赤字だったら「サンクスカードを書いてる暇があったら仕事しろ」っていう話になるかもしれない。だから、「物心両面」の幸せを追求すべきだと思います。人が長く働き続けられて、非連続に成長できる場をつくれば、働きがいは自然とついてくる。僕はそう思って経営しています。

株式会社KITEN 代表取締役 松村 周 様

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1995年生まれ。上智大学経済学部在学中にマレーシアへ渡航し、Webマーケティング会社でEC立ち上げやSNS広告運用に従事。帰国後はクラウドワークスに入社し新規事業開発を経験。21歳で広告代理店を創業し、売上20億円規模に成長させた後に事業譲渡、譲渡先の役員を務める。2020年に株式会社KITENを設立し、SNSマーケティングやD2C事業を基盤にM&A・新規事業開発を推進。2022年より株式会社ナハト取締役を兼任し、現在は関連会社を含む5社を展開。

株式会社KITEN

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5つの子会社を擁するホールディングス会社として、D2Cコンサルティングを中心に多角的な事業を展開。クライアント企業の成長支援にとどまらず、起業家育成や社会貢献も視野に入れた事業運営を行う。既存産業に新たな価値をもたらす「Marketing×X」、市場調査から広告制作ディレクションまでを包括的に担い売上最大化を実現する「広告運用」、投資先に対して戦略から実行まで伴走し企業価値を高める「ハンズオン支援」、広告事業の知見を活かしてオーラルケアを中心に多様なプロダクトを展開する「メーカー事業」、さらにSNS広告に特化した「DRMコンサルティング」など、多彩な領域で成果を追求。

本内容は2025年10月時点の情報です。

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