イケア・ジャパン株式会社

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同一労働・同一賃金、全従業員正社員化だけではない、
働きがいのある職場を創り出すイケアの理念経営

イケア・ジャパン株式会社
Country HR Manager Elin Åhlund(エリン・オールンド)様

「より快適な毎日を、より多くの方々に」をビジョンとするスウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニー イケア。その日本法人であるイケア・ジャパンは、2014年9月から、パートタイムのスタッフを含めて「すべての従業員を正社員化」し、フルタイムとパートタイムを区別しない「同一労働・同一賃金」に踏み切りました。2018年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング(Great Place to Work® Institute Japan)では、初参加にも関わらず大企業部門で8位。イケアならではの「働きがいのある会社」のつくり方とはどのようなものなのか、イケア・ジャパン株式会社のCountry HR Managerを務めるElin Åhlund(エリン・オールンド)氏にうかがいました。

イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」

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イケアの原点は、スウェーデンのスモーランドという、かつて貧しかった地域にあります。大きな石がゴロゴロと転がっている畑を耕すために、スモーランドの人々は力を合わせて石を取り除き、それを集めて美しい石垣を作りました。

創業者のイングヴァル・カンプラードはこのスモーランドの出身であり、イケアの名前は、経営していた農場の頭文字をとってつけられたものです。イングヴァル・カンプラードは2018年1月27日に91歳で亡くなりましたが、その精神はこれからもイケアのなかで生き続けます。

イケアの事業は、ボールペンの販売からスタートしました。やがて文房具から家具、生活用品へと取り扱う商品が広がり、今は世界で事業を展開しています。私たちのビジネスは、常に進化発展していますが、根本にある「理念」は変わりません。イケアのコワーカー(co-worker:ともに働く人)は、家具を作って売るだけではなく、「より快適な毎日を、より多くの方々に」という理念をいつも胸に抱いています。そして、ビジネスと人事の側面から実現に向けての指針を掲げています。

デザイン性と機能性を備え、環境にも優しく、しかも手ごろな価格の製品を提供すること。一言でいうとこれが、ビジネスの指針です。人事の指針は、すべてのコワーカーに対して、プロフェッショナルとして、そして、一人の人として成長する機会を提供すること。それに加えて、お客さまはもちろん、自分たちも含めて、より快適な毎日を創り出すことを目指しています。「より快適な毎日を、より多くの方々に」というビジョンを実現させるためには、まずコワーカーが快適な毎日を過ごすことが大切なのだと、私たちは信じているのです。

14万9000人のコワーカーが「イケアバリュー」でつながっている

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会社の成長の源泉は人。コワーカーが成長すれば、仕事を通じて会社も成長します。イケアで働くコワーカーの指針となっているのは、「イケアバリュー」です。具体的には、「連帯感を持つ」「環境と社会への配慮をする」「コスト意識を持つ」「シンプルに考える」「刷新して改善する」「意味のある違うやり方にトライする」「責任を与え、引き受ける」「自らが手本となる」の8つがあります。

コワーカーが朝出社し、みんなにあいさつして、一緒にコーヒーを飲みながら、当たり前のように職場の課題について話し、ともに解決していく。このような企業文化を大切に育ててきました。イケアはグループ全体で14万9000人のコワーカーが働いており、当然、さまざまな国出身であり、育ってきた文化も違いますが、「イケアバリュー」が彼らを結び付けているのです。

また、イケアはコワーカーに対して、誰もがほかの人の役に立つ価値ある何かを持っていると信じ、「WE BELIEVE IN PEOPLE(イケアは人の力を信じています)」という約束をしています。人の力を信じているからこそ、世界から集まったコワーカーが、のびのびと活躍できるように、「INCLUSION(多様な人材の受容と活用)」に取り組んでいます。これまでも、すべての国籍、民族、年齢、ジェンダーを尊重し、一人ひとりが自分らしく働ける環境をつくってきました。もちろん、誰に対しても「EQUALITY(平等な成長機会)」を提供しています。

新しいことにチャレンジすれば、失敗することもあります。しかし、失敗のなかにこそ学びがあり、成長がある。コワーカーが失敗を恐れないためには、会社との信頼関係がとても重要です。そのため、「SECURITY(長期的な関係構築の保障)」を約束し、コワーカー一人ひとりとの対話に惜しみなく時間を費やし、率直な意見交換ができる職場環境を築き上げてきました。私たちが大切にしている創業者イングヴァルの言葉に「人間が失敗しないのは、眠っている間だけ」というものがあります。「失敗するよりも、何もしないほうがよほど悪い」という価値観が、イケアに根付いているのです。

「同一労働・同一賃金」はイケアの取り組みの一側面にしかすぎない

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イケア・ジャパンは2014年、人事規則の大きな変更を行い、フルタイムもパートタイムも、能力と成果が平等に評価される「同一労働・同一賃金」を実現させました。福利厚生もすべてのコワーカーが共通であり、全員が正社員として無期雇用契約を結んでいます。すべてのコワーカーと、長期的な信頼関係を築くことが目的です。安心して長く働けるからこそ、さまざまなチャレンジを経て経験を積み、成長できるのだと考えています。

コワーカーと長期的な関係を築くための環境整備も行っています。具体的には、育児や介護など人生のさまざまなステージが訪れても、イケアで働き続けられるように、労働時間や休暇制度を何度も見直し、整備してきました。コワーカーが利用できるだけでなく、地域にも開かれた託児所「Dagis(ダーギス)」もあります。賃金の設定の仕方も常に見直しを行っていますし、働き方の選択肢を増やすために、ジョブシェアリングも進めていく予定です。

こうした絶え間ない取り組みの結果、イケアの管理職は男女比が5:5になりました。私のマネージャーも子供がいる女性です。男女比率50%の目標は達成したので、次はパートタイムの管理職も増やしていこうと考えているところです。

コワーカーの幸せを追求する取り組みはこれからも続きます。ハッピーなコワーカーがいるから、ハッピーな顧客を増やすことができる。ハッピーが生まれる職場環境ができれば、ビジネスも成長していく。私たちはそう信じています。だからこそ、これからも努力を続けなくてはなりません。

イケア・ジャパンがGPTWの調査に参加したのは、さらなる改善努力をより効果的にしたいからです。調査に参加することで、私たちの強みや弱みを客観的に把握できますし、新しい視点を得られるのではないか、という期待もあります。

「より快適な毎日を、より多くの方々に」というビジョンを実現するため、イケアはもっともっと人に投資していく必要がある。私たちは自分たちが信じる価値観のために、コワーカーが働きがいを感じられる職場環境づくりを目指し、行動し続けたいと思います。

イケア・ジャパン株式会社 Country HR Manager Elin Åhlund(エリン・オールンド)様 プロフィール

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2017年8月より、イケア・ジャパン株式会社のCountry HR Managerに着任。2010年にマルメストアにてDeputy HR Managerとして入社後、イケアの一号店であるエルムフルトストアにてHR Managerとして勤務。その後、商品開発の本拠地である、IKEA of SwedenのRange and SupplyにてHR and Competence Managerとして働く。ルンド大学で心理学を専攻。プライベートでは6歳、8歳、10歳の子どもを持つワーキングマザー。

イケア・ジャパン株式会社

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イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」お届けすること。このビジョンを支えるのが、イケアのビジネス理念である「優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング製品を幅広く取りそろえ、より多くの方々にご購入いただけるようできる限り手ごろな価格でご提供する」ことです。イケアグループは現在、世界29カ国に355のイケアストアを展開しています。2017事業年度のイケアストアへの来店者数は8億1700万人、イケアのウェブサイトの訪問者数は21億人でした。

スウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニーイケアの日本法人イケア・ジャパン株式会社は日本で9番目のイケアストア「IKEA長久手」を2017年にオープン。また、IKEAオンラインストアをスタートしました。

本内容は2018年5月時点の情報です。

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