2022年版 日本における「働きがいのある会社」若手ランキング 発表会
<企業講演>
中規模部門1位 株式会社キュービック
株式会社キュービック
執行役員/CHO(チーフ・ヒト・オフィサー) 木村 圭介様
更新日 2024.10.312022.08.02
2022年版 日本における「働きがいのある会社」若手ランキング 発表会
<企業講演>
中規模部門1位 株式会社キュービック
株式会社キュービック
執行役員/CHO(チーフ・ヒト・オフィサー) 木村 圭介様
2022年7月6日に2022年版日本における「働きがいのある会社」若手ランキングのオンライン発表会が開催されました。若手ランキングは、2022年版日本における「働きがいのある会社」ランキングでベスト100に選ばれた100社の中から、特に34歳以下の若手従業員にとって働きがいがあると評価された企業を、大中小各部門より上位5社選出したものです。
中規模部門で1位となった株式会社キュービックの取り組み事例を、執行役員/CHOの木村圭介様にご講演いただきました。
※本記事は2022年版日本における「働きがいのある会社」若手ランキングオンライン発表会の抄録です。
<記事のポイント>
✓学生インターン100名以上「学生・会社・社会」の三方良しを目指す
✓働きがいのある会社づくりに欠かせない「能力と意欲を養う取り組み」
✓信頼を醸成するポイントは「情報の積極開示」「心理的安全性を保つコミュニケーション」「挑戦の激励」
>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る
まず初めに当社について簡単にご紹介させてください。当社は設立17年目のデジタルマーケティング企業です。ミッションは「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」。マーケティングとデザインを融合させたユーザーのインサイト獲得技術を強みに、インターネット上でユーザーを最適な意思決定へと導くメディア運営をしています。デジタルメディア事業を軸としつつも、SNSアニメ事業や通販事業者向けの集客支援など新しい事業にもトライしています。
組織の特徴は学生の長期インターンが非常に多いことです。常に100名以上の学生が社員と遜色ない活躍をしています。我々が学生インターンと働く理由は、学生・会社・社会の三方良しを実現したいからです。学生が早い段階で社会に関わる経験を通じて、キャリア観が養われることは大きなメリットだと考えています。社会においても、労働人口が減っていく中で、一人当たりの生産性を高める必要があります。長期インターンで働いた学生が即戦力として社会に羽ばたいていくことは日本のプラスになるでしょう。我々としても、インターネット市場は非常に流れが速いので、学生の視点をビジネスに取り込むことは非常に重要です。この学生・会社・社会の三方良しという仕組みを世の中に広めていきたいと考えています。
続いて働きがいを高めるための取り組みをご紹介します。当社は「メンバー一人ひとりが高い価値を発揮している組織」こそが働きがいのある組織だと捉えています。高い価値は、能力と意欲の掛け算で生まれるため、能力を高める取り組みと、意欲を高める取り組みを両輪でまわしていくことが重要です。能力を高める取り組みとしては、キャリア・ディベロップメント・サイクル(CDC)を通じて実現しています。
CDCは人材開発の枠組みです。メンバーのWILL(やりたいこと)の確認や強み・課題などを踏まえて、メンバーの目標に反映させます。人事考課のタイミングでメンバーの強みや課題が何なのかを明らかにするため、徹底的に議論を重ねます。多くの会社だと、人事考課は査定のための評価になりがちですが、当社は育成の機能としても大事にしています。強みと課題について話された内容をメンバーにフィードバックし、次の半期の目標をメンバーと上長と議論しながら設定します。その際に大事にしているポイントは重点実行項目です。KPI的な考え方であり、目標達成のための先行指標としての機能と、メンバーの強みの伸長および課題の克服という機能、その2つを持ち合わせています。定めた目標をもとに実行し、最低月1回は上司と面談を行います。そこで目標の進捗を確認し、強みを活かせているか、課題が克服されているか議論するのです。半期が終わったタイミングで、結果の振り返りをしてまた次につなげていくサイクルをぐるぐると回すのがCDCの特徴です。
意欲を高める取り組みとしては「信頼の醸成」があります。大事にしているポイントは3つ「オープネス(情報の積極開示)」「心理的安全性を保つコミュニケーション」、そして「挑戦の奨励」です。
「オープネス(情報の積極開示)」の事例としては経営会議があります。メンバーは誰でも経営会議に出席可能で、質問や起案もできます。月1回は全メンバーが参加するマンスリーセッションを開催し、1カ月の間にあった会社のトピックや営業成績を公開したり、抱えている課題についても包み隠さず伝えたりしています。
「心理的安全性を保つコミュニケーション」では、メンバー同士の距離感を大切にしています。例えば、「FAM(ファム)」という社内における家族のようなコミュニティがあります。全メンバーをシャッフルし、年齢や部署、立場関係なくグループを組んで、気軽に助け合える関係を作っています。また、感謝とリスペクトを伝え合うことにも積極的です。Slackには感謝とリスペクトの交換を目的とした専用チャンネルがあったり、オフィスでは「やるじゃんレター」メッセージカードが常備されていたり、オンラインオフライン問わずあたたかいコミュニケーションを促す仕掛けが用意されており、それらが心理的安全性の担保につながっています。
「挑戦の奨励」という面では抜擢人事があります。新卒2年目社員や業界未経験中途社員を事業責任者にしたり、新卒4年目社員を年商16億以上の部門長にしたり、入社1年目のインターンを新規メディア責任者にしたり。年齢関係なく能力のあるメンバーには挑戦的な機会提供をしており、成功確率的には5割くらいあれば任せます。足りない部分はCDCなどを通じて全力で支援していくという考え方で、大きな仕事を渡すようにしています。
マネジメント能力はスキルであると我々は捉えています。一方で、リーダーシップはメンタリティです。このメンタリティは責任とプレッシャーがある中で決断経験を繰り返すことなしに育めないと考えています。ですから、打席に立つことが何より重要で、たとえ失敗したとしても再び挑戦的な機会の提供をしながら、メンバーの成長を後押ししたいものです。
そうしたチャレンジを後押しする施策として、「キャリアフライト制度」があります。これは、本人のチャレンジ意欲を尊重し、3ヶ月間限定でワンランク上のポジションに抜擢する制度です。フライトを通じた本人の成長をみて、その後の昇進も検討します。社員全体の5%ほどのメンバーが入れ替わりフライトに挑戦しています。
また、成果を上げた人には、全社を上げて賞賛する機会をつくっています。月間/四半期/半期ごとに表彰をおこなってその挑戦を讃えています。
今回ご紹介したように、私たちは能力と意欲の二つを高める取り組みをおこない続けてきました。これらの取り組みは若手に限定して特別におこなっているものではありません。全てのメンバーの能力と意欲を高めることを考え、取り組んできました。その結果として、今回の若手の働きがいにつながったのだと考えています。