働き方が変わらなければ、ビジネスモデルは変わらない!レジル株式会社の挑戦

更新日 2025.02.062025.01.06

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「従業員の意志ある成長を支援する」をコンセプトに、
働き方の自由度を大幅に向上

レジル株式会社
執行役員CHRO HR本部長 須山 一成 様

2024年版の働きがいのある会社調査にて、「働きがいのある会社」として認定されたレジル株式会社。脱炭素社会の実現を目指し、革新的な事業展開を行う同社では、働きがいの向上を競争戦略の核としています。今回のインタビューでは、働きがい向上がもたらす経営戦略上の意義や、「働きがい認定」の活用方法について執行役員・須山様にお話を伺いました。

<記事のポイント>
✓働き方の自由度を大幅UP
✓女性管理職比率が上昇し、求人応募者数は約4倍
✓働きがいのある会社調査結果を社内外で活用

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働きがい向上を競争戦略の核に据える

GPTW レジルの事業概要を教えてください。

須山様 当社は「脱炭素を、難問にしない」をミッションに掲げ、企業や生活者、さらには自治体にとって便利で安心で、かつ無意識に脱炭素に貢献できるサービスを提供しています。

エネルギー関連領域で30年にわたり事業を運営しており、中でも20年間続くマンション一括受電事業(マンション1棟に対し一括で電力を供給することで価格メリットを提供するサービス)が、強固な経営の基盤となっています。

この経営基盤を活かしながら、さらなる成長を見据えてビジネスモデルの変革を進め、現在は大きく4つの事業を展開しています。まず1つ目はマンションに対する防災・脱炭素支援事業です。前述の一括受電サービスに加え、マンションに対し蓄電池や太陽光発電設備等を初期費用無料で設置し、その運用・制御を行う防災サービスを提供しています。これにより、マンションの脱炭素化やレジリエンス向上に貢献するとともに、エネルギーの最適利用を実現する基盤を構築しています。2つ目は法人向け電力小売事業です。中小企業や自治体などに対し、低価格かつ実質カーボンフリーの電力を供給し、脱炭素経営を後押ししています。3つ目の事業は、エネルギー業界の企業に対するDX支援事業です。自社事業で培ったシステム・ノウハウの提供を通じてエネルギー業界の経営効率化を支援することで、コスト合理化を提供し、企業の脱炭素化への投資を可能にしています。そして4つ目の事業が脱炭素支援事業です。現在は主に「地域脱炭素」を目指す自治体に対して当社のアセットを柔軟に組み合わせて提供しており、直近では北九州市や横浜市との連携を発表しています。

今後のさらなる成長を目的として、2024年4月には東証グロース市場に上場しました。

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GPTW 働きがいを高めることを大切にしている理由を教えてください。

須山様 「働き方が変わらなければ、ビジネスモデルは変わらない」という考え方のもと、「従業員の意志ある成長を支援する」をコンセプトに取り組んできました。2021年に代表取締役社長の丹治が着任し、会社をトランスフォームしていく中で、そのことがより明確になりました。中長期的に掲げる「分散型エネルギープラットフォーム」という構想の実現に向け、抜本的な改革を行っているところです。

不安定な再生可能エネルギーの有効活用を実現する仕組みを作り、その仕組みをプラットフォームとして日本全体に広めることで社会全体の脱炭素を支える、という構想ですが、まだ正解が定まっていない未知の領域でもあります。こうした状況では、単純なトップダウン型の意思決定では限界があるため、全従業員がエンパワーメントされ、自律的に行動できる組織文化が必要だと考えています。

そのため、2年前から、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことを目的とし、コンセプトの具現化に向けて、コアタイムのないスーパーフレックスタイム制や自由な服装の導入など、働き方の自由度を大幅に向上させました。働きやすさとやりがいを高めることは、事業の競争力を高めることに直結するからです。

他社比較で見える組織改革の成果と課題

GPTW 組織改革を進めるにあたり、当社の調査を活用している理由を教えてください。

須山様 組織改革の成果を確認し、現在の課題を把握することが目的です。組織の健康診断のような位置付けで行っています。さまざまな調査があるなかで、GPTWを選んだ理由の一つは、他社と比較できる点です。この調査を通じて、働きがいの高い企業と自社のスコアを比較し、自社の強みや課題分析の参考にしています。

なお、直近の2年間で調査のスコアを大きく伸ばすことができました。働きがいを高めるための具体的な取り組みとして、まず働き方の制約を解除しました。具体的には、スーパーフレックスタイム制度や直行直帰、ロケーションフリーを導入。働く拠点を従業員が選択できる仕組みを整え、育児や介護など特別な理由がある場合にはフルリモート勤務も可能にしました。これまで設けられていた服装規定も廃止し、今では従業員各々が自由な服装で働いてくれています。

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パラレルキャリアや副業の支援としては、社内に副業専用のスペースを設置し、従業員が1社に縛られない働き方を選択できる環境を整えました。また、従業員が希望する部署に自ら応募でき、他部門からのスカウトを受けられるような社内公募・FA制度も新たにつくりました。

これらはあくまで取り組みの一部です。従業員にとって働きやすい環境の中で、意志ある成長を実現できる仕組みが増えたことで、働きやすい会社として評価され、スコアも大幅に向上したのだと思います。

働きがい改革が導いた女性活躍推進と採用応募増

GPTW 働きがいのある会社を目指して取り組みを重ねた成果には、ほかにどのようなものがありますか。

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須山様 20246月時点ですが、従業員の約29%が女性であり、女性管理職は約23%を占めています。なお2021年は4.5%でした。大幅に増加した背景には、働きがいを徹底的に追求した結果があると考えています。たとえば、前述のスーパーフレックスタイム制度やロケーションフリー勤務、育児や介護を支援するフルリモート勤務を導入したことで、特に女性がマネジメントに進む際に感じていた「時間的制約」や「負担感」が軽減されました。性別に関係なく誰もが働きやすい環境を整えた結果として、女性の比率が上昇しました。

また、2021年から2023年にかけて、求人応募者数は約4倍に増加しています。採用活動の成果が具体的な数字として表れているのは、働きがい向上の取り組みが実を結んでいる証拠だと感じています。

調査で組織改革を可視化し、働きがい認定で信頼を強化

GPTW 働きがいのある会社調査の結果や「働きがい認定」をどう活用していますか。

須山様 私たちが調査のスコアを重視しているのは、組織改善のための重要なインサイトを提供してくれるからです。調査結果を受け取った後、スコアを全社的に共有するだけでなく、取締役会や経営会議の中で詳細分析を共有しています。スコアが高い項目と低い項目を一覧化し、各事業部やチーム単位での状況を可視化。具体的な課題や取り組みの優先順位を明確化し各本部単位で調査結果を共有します。さらに、本部長主導のワークショップを通じてデータを読み解き、それぞれの本部で独自の改善計画を立て、実行に移すという流れです。全社的な結果や改善の取り組みに関しても積極的に共有しています。

2024年度の調査結果を見てまず感じたのは、特に「働きやすさ」に関する項目がしっかり評価されている点です。一方で、たとえば「明日、会社に行くことが楽しみである」という項目のスコアはまだ伸び代があります。また、サービスや仕事そのものに対するエンゲージメントにも改善の余地があり、従業員が自分たちの価値を実感できるようなフィードバックの仕組みが不足していると感じます。

「働きがい認定」については、採用面で間接的に大きな役割を果たしていると感じています。採用面談での会社説明資料にも記載し活用しています。取り組みについて説明するだけではなく、従業員の評価と第三者機関の認定による裏付けがあるため、より説得力を持つメッセージになっていると感じます。

さらに、株主総会での報告や説明資料にも「働きがいのある会社」としての取り組みを盛り込み、人的資本への投資が成果を上げていることを伝えています。「人的資本開示」の一環として、働きがいが向上している会社である印象を持っていただけるようにしました。

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GPTW これから働きがいを高めていきたいと考えている企業の担当者へのメッセージをお願いします。

須山様 いまや採用市場は「企業が人材を選ぶ」から「人材が企業を選ぶ」時代に完全に変わり、働きがいの向上は、もはや「やるべきかどうか」を議論する段階ではなくなりました。当社は幸いにも、経営課題としてこの重要性が理解されており、積極的な取り組みを進めています。

しかし、どの企業でも同じようにスムーズに進むわけではありません。ここで人事部門の役割が重要になります。特に、制度や仕組み(ハード面)の変更は、人事でなければ動かせない部分が多く、主体的にリーダーシップを発揮しなければなりません。人事が経営層に働きかけ、具体的な施策を前に進めていくことで、働きがいの向上に向けた基盤を築くことができます。私たちもまだ道半ばですが、人事と経営が一体となることが不可欠だと思います。

レジル株式会社 執行役員CHRO HR本部長 須山 一成 様

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フードサービス会社を経て株式会社ディスコに入社。人事マネジャーとして主に人事企画を担当。株式会社リクルート住まいカンパニーに入社し人事部長として人事機能全体を管掌。吸収合併に伴いリクルートへ転籍し、販促・SaaS事業の人事部長および全社人材組織開発部長を担当。不動産テックのスタートアップで人事マネジャーを経て、2023年11月にHR本部長としてレジルに入社し、人事・総務全般を統括。

レジル株式会社

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1994年設立。分散型エネルギー事業、グリーンエネルギー事業、エネルギーDX事業、脱炭素ソリューション事業の4つの事業を展開し、脱炭素社会の実現を目指す。また、100%子会社として、電気保安事業や電気工事業を行う中央電力ソリューション株式会社と、電力卸売・小売事業を手掛ける中央電力エナジー株式会社を有する。2023年9月には社名をレジル株式会社に変更。2024年4月に東京証券取引所グロース市場に上場。

本内容は2024年12月時点の情報です。

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