報酬では差別化できない!「働きがい」で業界をリードする保険代理店の事例

更新日 2025.01.272025.01.27

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一匹狼の集団から上質な組織へ
「働きがい」で会社としての質にこだわり、「1000年継栄」を目指す

R&C株式会社
代表取締役 足立 哲真 様
専務取締役 今村 英之 様

2024年版の働きがいのある会社調査にて「働きがいのある会社」として認定されたR&C 株式会社。その背景には、社員一人ひとりが「仕事の価値」を実感しながら成長できる環境づくりがありました。保険代理店という人材獲得競争が激しい市場で、なぜ「働きがい」を高めていこうと考えたのか。代表取締役の足立様、専務取締役の今村様のお二人に伺いました。

<記事のポイント>
✓「働きがい」を打ち出して他社と差別化
✓ オープンな対話を増やし従業員の信頼を獲得
✓調査結果で可視化された自社の「働きがい」を採用で活用

>>>「働きがいのある会社認定」について詳しい情報を見る

報酬重視の業界で「働きがい」を打ち出し、差別化を図る

GPTW R&C の事業概要を教えてください。

足立様 当社は保険加入希望者と保険会社のあいだを取り持つ保険代理店です。今でこそ保険を選べる時代になりましたが、たとえば日本生命の保険は、日本生命からのみ入る1社専属の時代が長く続いていました。

保険代理店業界は誕生から30年程度の業界です。2021年の調査によると保険市場は約44兆円であり、15.3%の人が保険代理店から加入したというデータがあります。割合は増え続けていますが、まだ20%に届いていない状態です。この20%を超えてくると、経済学の理論で言う「キャズムの壁」を超えて一気に広まるとされており、そのタイミングがすぐそこまできていると我々は考えています。

GPTW 働きがいを高めることを大切にしている理由を教えてください。

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足立様 まず、私たちは、「どう働くか」とは「どう生きるか」であり、仕事は人生そのものだと考えています。そのため、プロフェッショナルとして仕事を全うし、報酬を得ることはもちろん、働きがいを高めていくことも同様に大切だと思っています。また、保険代理店は、扱う保険商品や価格で差別化することが難しい業界です。優秀な人材を獲得するために報酬制度で競う保険代理店が多いなか、「働きがい」を打ち出す会社がほとんどなかったため、差別化にもつながると考えました。保険の営業というと、一匹狼のイメージが強いと思いますが、我々はそれを変えていきたい。保険代理店業界では、業績は良くても、実は社内の人間関係が劣悪だったりするケースもあります。私たちは、人間関係も良く、業績も良い「上質な組織」を目指していきたいのです。

初回の調査では、マネージャー陣の課題が浮き彫りに

GPTW 組織改革を進めるにあたり、GPTWの調査を活用した理由を教えてください。

今村様 「働きがいのある会社」ランキング(中規模部門)で 7年連続1位の株式会社コンカーの方と食事をしているとき、組織づくりの話題になりました。その際、Great Place to To Work(R)をご紹介いただいたのがきっかけです。やはり会社の目的や目標に共感し、ともに高みを目指すからこそ応援し合えるし、人間関係も良好になる。会社の未来を考えたとき「働きがいのある会社調査」が役立つと考えました。

GPTW 最初の調査結果をご覧になったとき、どんなことを思いましたか。

足立様 印象に残っているのは、マネージャー層の「働きがい」が高くなかったことです。「こんなに身近で頑張っている人たちが低いんだ」と愕然とした記憶があります。振り返ると、コミュニケーション不足が原因だったのかなと。今はコミュニケーションの密度も随分高くなりましたし、会社の課題などのマイナスの話を含めてオープンにしたことで、従業員に信頼されやすくなったと思います。

GPTW 働きがいを高めるために実施した改善の取り組み内容を教えてください。

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足立様 バリュープロジェクトという、「会社として大切にしていきたい価値観(バリュー)」を形にしていく取り組みを始めました。マネージャー推薦の若手メンバー10名と役員3名がプロジェクトメンバーです。役員とマネージャー/マネージャーとメンバー/管理部門と営業部門など、社員同士の対話の機会をつくり関係性の向上を図っています。たとえば、リラックスした雰囲気で少人数による対話を行う「ワールドカフェ」もその一つです。それぞれのメンバーが考える価値観や会社の理念を照らし合わせて、模造紙に頭の中に浮かんだ風景やテーマを書き込み、それに基づいてみんながコメントし、書き重ねていくというものです。狙いは、メンバー同士がお互いを知ること。この人はこんなことを考えていたんだとか、こういう背景を持っているんだと知る機会をつくることが目的でした。売上や営業手法も大事ですが、それ以上に「仕事の価値」や「仕事に込める想い」が大切だと思います。それを基にチームを引っ張っていける拠点をつくるための取り組みの一つです。

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「1000年継栄」の理念を実現するための工夫と実践

 GPTW 働きがいを高める取り組みとしてはほかにどのようなものがありますか。

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足立様 毎週30分ほどオンライン朝礼を実施し、全社員へ重要な連絡やメッセージの発信をしています。たとえば、営業成績の高いメンバーにインタビューしたり、数字は目立たないけれど、当社の価値観に沿った行動を重ねて模範になっているメンバーにインタビューしたりして、その活躍ぶりを紹介することもあります。我々はどうしても「保険を売る会社」と思われがちですが、実際には保険を売っているわけではなく「お客様の課題を解決するために保険という手段をどう使っていくか」を考えています。手数料によって売る保険商品を変えるのではなく、お客様本位で考える。そういったプロフェッショナルな発言や行動を称賛しています。

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また、我々が大切にしている考えを振り返ることができるよう、「R&Cコーポレートスタンダード」という小冊子を配布しています。そこには、会社の存在意義や目指す組織像、対話の意義などについても記載されています。朝礼で「このページを開いてください」という形で共有することも。会社全体の共通言語として機能するスタンダードをつくることが狙いです。当社には「1000年継栄」という理念があります。小冊子のなかには1000個の星を並べたページがあり、現在は18個の星に色が塗られています。1年ごとに色のついた星が増えるのです。1000年先に向けて一体感を持って歩んでいくための工夫を施しています。

GPTW 調査から「仕事に特別な意味を感じている」のスコアが高いことが窺えました。

足立様 保険という商品の性質上、これは当然のことだと思っています。よくセミナーや入社式など「我々はドクターでも救えない未来を救う仕事をしている」と話しています。ドクターは治療することができますが、「この人は本当に職業復帰できるだろうか」「ちゃんと生活を立て直せるだろうか」と思うことがあるそうです。そのとき、保険に入っていれば、ご家族に迷惑をかけることなく、経済的にもお子さんを学校に通わせることができる。保険という仕事は、ドクターが救えない未来を救う仕事であるとも言えるわけです。保険業界で働く人であれば、大なり小なりみんなが感じていることだと思いますが、そういう話に触れる機会を意識的に増やすようにしています。

「働きがいのある会社認定」が新卒採用に与えるプラスの影響

GPTW 「働きがいのある会社認定」をどのように活用していますか。

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今村様 新卒採用においては、働きがいのある会社認定を持っていることが、ある程度評価されているように感じます。採用サイトにも「働きがいのある会社認定」を5年連続でいただいたことを記載していますので、少なからず影響があると思います。評価が高かった設問として「長期勤続意向がある」「報酬に対する納得感が高い」「仕事に特別な意味を感じている」と並んでいるので、応募者に対する安心材料になっているかもしれません。

なお、採用人数を増やし、組織を拡大させる中で、働きがいを担保することにも取り組んでいます。まず入社の段階で、理念に共感できる方をしっかり選ぶことが大前提です。そして、入社式では1日かけて、理念や会社の考え方について徹底的にお伝えします。その後も、毎週・毎月のミーティングなどで繰り返し理念に触れる機会を作ることで、新卒・中途関わらず、新入社員が比較的早い段階で「こういう会社なんだ」と馴染めるようにしています。

GPTW これから働きがいを高めていきたい企業に向けてのメッセージをお願いします。

足立様 冒頭にも少し触れましたが、今の時代、お金や知名度だけではなく、それぞれの「幸せ」を求める時代になっています。でも、仕事の時間は人生の中でも多くを占めるので、そこが充実していないと人生そのものの充実にも繋がらないんですよね。その中で、会社における「働きがい」は非常に大きな要素だと思います。報酬や見えるものだけではなく、目に見えない部分の価値が上がることで、社員のモチベーションや企業の成長にも影響すると考えています。

そうした前提の上で、経営者が最初にやるべきことは「現状を知ること」です。そして、会社として目指すべき目的や目標を明確にし、それを社員に伝えることが重要。ただ、「これが目標だ!」という押し付けではなく、それをベースに社員自身が「自分はどうしていきたいか」を考えられる環境を作ることが大切だと思います。そのため、リーダーは「全体の方針を出しつつ、現場を巻き込んで主体的に進めてもらう」という姿勢が欠かせないと思います。

R&C株式会社 代表取締役 足立 哲真 様

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金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な独立組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に25歳で入会。保険の価値を1人でも多くの方に伝え、日本で一番多くのお客様の“約束”を守る保険代理店になるビジョンを掲げ、有益な存在であり続けるProfessionalが集まるCollectiveな組織を目指す。譲れない経営判断基準として1000年継続して栄える「1000年継栄」を定めている。

R&C株式会社 専務取締役 今村 英之 様

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1973年島根県生まれ。早稲田大学卒業後、小田急電鉄やプルデンシャル生命等を経て2012年R&Cに入社。

R&C株式会社

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「法人・個人向けのサステイナブルソリューション」および、「お客様向けのコンサルティングサービス」を提供する総合保険代理店。主要取引先として、東京海上日動あんしん生命保険株式会社やSOMPOひまわり生命保険株式会社など、多数の保険会社と提携している。「日本で一番お客様を“守る”保険代理店になる」というビジョンを掲げ、その実現のために、“一人一人の人生を守る”ことにフォーカスして保険の提案を行う。

本内容は2025年1月時点の情報です。

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