職場にオリンピック級のチームをつくろう!

更新日 2018.10.042018.02.26コラム

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2月、冬季オリンピックで日本中が大盛り上がりしました。個人種目によるパフォーマンスも素晴らしいものでしたが、団体戦も目が離せませんでした。同じゴールを目指してがんばり続けた仲間同志が喜びを分かち合うシーンに、心を打たれた方も多いのではないでしょうか。

特にカーリングやスピードスケートでは、選手同士の“チームワークのよさ”が話題となり、勝利へと導いた円滑なコミュニケーションの手法に注目が集まりました。カーリング女子の「おやつタイム」もその一例です。緊張する試合の合間でも、笑顔でくつろぎながらおやつを楽しむ様子をテレビなどで見ると、本当に仲のよさを感じます。そして、勝てるチームともなれば、単なる仲良しグループではなく、厚い信頼関係で結ばれていることでしょう。

チームワークのよさは、チームスポーツ競技において大変重要な要素でありますが、言うまでもなく、職場においても同様に不可欠な要素であります。

チームワークをなぜ高めるのか

GPTWが発表する「働きがいのある会社」(以下、ベストカンパニー)でも、職場の仲間や周囲との連帯感やチームワークを感じながら仕事ができる職場が多くあります。それは、偶然、周囲とコミュニケーションをとるのがうまい人が集まっているからではありません。実際、お話を聞いてみると、「自然とみんなが仲がよい」とか、「特に社員の交流を深めるような仕掛けはしていない」というようなことはなく、意識的に社員同士の一体感が高まるような取り組みをし、風土づくりに日々努力されています。

その理由としては、社会や市場の変化にスピード感を持って対応していくには、個人の力だけではもはや限界があり、チームで知恵を出し合い、協力していく必要があると感じられているからです。各人がより有機的に、効率的に自分のナレッジやアイデアを出し、それらを結合させていくには連帯感が欠かせません。

また、チームワークのよい組織であれば、なにかのときに、お互いを思いやり、助け合うことができます。長いキャリアを過ごす中で悩みがあっても、周囲に気軽に相談ができる環境であれば、社員が簡単には辞めにくいといったメリットも期待できるでしょう。

よいチームのために、なにをすればよいのか

では、どうしたら一体感のある、よいチームをつくっていくことができるのでしょうか?さまざまな方法が考えられますが、ベストカンパニーでは、社員同士が交流し、コミュニケーションを取り合える機会を意図的に多く持っています。それはいつも業務に関連することばかりでなく、業務以外のことも多く、“みなで祝う”や“楽しさを分かち合う”といった趣旨で行っています。例えば、「お茶会」、「ランチ会」、「誕生会」、「運動会」、「ハロウィンパーティ」、「バーベキュー」などです。

しかし、これらのイベントを実践したときに、いまひとつ盛り上がらず、参加者が本当に楽しんでいるのか疑問に感じてしまう企業もあるかもしれません。最初の数回は新鮮でよかったとしても、しばらくすると形骸化し、マンネリ化してしまうといった悩みも出てくるようです。

こうした背景を考える上で、チームがつくられていくプロセスについて触れたいと思います。心理学者のタッチマンが提唱したモデルによると、それには大きく「形成(様子見)」→「混乱」→「統一」→「機能」の4段階あるようです。「形成(様子見)」とは、チームメンバー同士がお互いを知らないといった状況であり、その後お互いの価値観のぶつかり合い(「混乱」)を経て、チームとして協働できる状態(「統一」)になり、最終的に活発な議論ができるような状態(「機能」)に達するということです。

例えば、チームが「様子見」の段階にあれば、お互い打ち解けていない状況なので、上記のようなイベントを企画してもうまく盛り上がらない、心から楽しめないといったことが起きてしまうことも合点がいきます。そこで、よりよい関係性の土台づくりとして、まずは職場のメンバー同士がお互いを理解しあえるような機会をつくっていくことが必要な場合もあるでしょう。

このように、「なにをするか」を考えるときには、今のチームの状態について観察し、適切なやり方を選択していくことが大切でしょう。

よいチームづくりに欠かせない存在とは

先に挙げたカーリングチームでは、チームの雰囲気づくりに奔走されたコーチがいました。同様に、職場の雰囲気がよいベストカンパニーでは、経営者や上司が職場づくりに積極的に関わっていることが多く、マネジメントによる支援はチームづくりに欠かせません。

先日、あるベストカンパニーの経営者とお話しする機会がありました。「連帯感」が非常に高い会社であるのですが、日頃の職場づくりにおいては「従業員一人ひとりが安心できる環境をいつも心がけている」とおっしゃっていました。具体的には、雇用を安定し、失敗も許容する風土づくりに注力されているとのことでした。会社として個人を尊重し、精神的にも安心できる環境を提供することで、メンバー同士が遠慮なくお互いに対してフィードバークをし合い、コミュニケーションが活発になるそうです。

お互いが心から信頼し合い、すぐれた成果を出せるチームにまで育っていくには、長い時間がかかります。しかしながら、意識して小さなことを積み上げていくことにより、それは必ず実現できるでしょう。オリンピック級のチームであれば、あなたの職場での「おやつタイム」は、きっと素晴らしい笑顔に満ち溢れるでしょう。

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