人事異動が増える季節。これまで以上の「歓迎」をしてみませんか?

更新日 2018.12.052018.10.04コラム

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10月になり、夏の暑さと比べ過ごしやすい季節となりました。秋も、春同様、人事異動が増える季節ですので、新しい職場に異動される方も多いでしょう。異動により、力を注いでいた仕事から離れることになる方もいるでしょうし、中には前向きに捉えられない方もいるかもしれません。また、新しいメンバーを受け入れる方々は、改めて指導の時間が必要になる等、忙しくなってくるでしょう。しかし、人事異動は、異動者本人も、受け入れる側にとっても、新しい考えに触れ、新しい視点から物事を考えられるチャンスでもあります。メンバーが新しくなることにより、これまでにない発想から改善、革新につなげていけるチームを目指すには、メンバー同士の連帯感を醸成していくことが重要です。

新しいメンバーとの信頼関係を構築する

人事異動の機会をより良いものにするためには、新しいメンバー同士の信頼関係を構築していくことが重要です。GPTWでは、「働きがい」を高める9つのエリアの1つに「採用する」を掲げています。この「採用する」には、会社に合う人を採用するなどの、自社の良い企業文化を継続するための採用活動に加え、異動者等、新たに組織に加わる従業員の歓迎の仕組み、取り組みも含まれています。新入社員の場合でも、異動者として新たに迎え入れる場合においても、新しくメンバーとなる方に歓迎の意思を示すことで、期待していることを伝えましょう。思いが伝われば、新しくメンバーとなる方自身も、期待に応え、力を発揮していきたいと感じられるでしょう。新しいメンバーをどのように迎え入れるかは、信頼関係を築き、ひとつのチームとして働くための大切な第一歩です。歓迎会など、一般的なものは行われている企業が多いとは思いますが、この第一歩をより効果的にするために、これまで以上に力を入れた歓迎を行うことが有効です。

ベストカンパニーで行われている「歓迎」

「働きがいのある会社」に認定された企業(以下、「ベストカンパニー」)においては、この「歓迎」においても、ユニークな取り組みが多く行われています。具体的にどんなことをしているのでしょうか?ここでいくつか、ベストカンパニーの取り組み例を紹介したいと思います。

① 新しいメンバーを迎える日までに行うこと
あるベストカンパニーにおいては、上司となる方から新しいメンバー宛に事前に手紙やメールを送っています。いかに期待をしているのか、どのように力を発揮してほしいと考えているのか等のメッセージを伝えています。また、上司から職場のメンバーに新しく来るメンバーのことを事前に紹介をしたり、職場のメンバーと一緒に導入プランや勉強会を設計したり、OJTリーダーや教育係を事前に決め、どういう風に関わっていくのかを相談しておく、といったことを通して、職場メンバーも積極的に新しいメンバーの歓迎と育成に関わることができます。
そして、基本的なことではありますが、迎える当日のために環境づくりをしっかり終えておくことも重要です。受け入れるための机やロッカーはぴかぴかに磨かれているでしょうか?新しい名刺や文具はきちんと用意されているでしょうか?こういった準備が万端になっていることからも、歓迎の意思は伝わるものです。

② 新しいメンバーを迎える当日に行うこと
新しいメンバーを迎える当日は、特に力を入れていただきたい日です。なぜならば、やはり最初の印象はとても強く残るものだからです。この日に、「想定以上の歓迎を受けた、自分も期待に応えていきたい」と思ってもらえるかが鍵となります。あるベストカンパニーでは、ウェルカムボードや垂れ幕のようなものを用意し、歓迎の意思を示しています。別のベストカンパニーでは、アットホームな歓迎を行うために、お菓子を用意しているケースもあります。歓迎の仕方については、事前に新しいメンバーがこれまでどのような仕事をしてきたのか(新入社員であれば学生時代に行ってきたことなど)、どのような趣味があるのかなどを確認し、それを参考に歓迎を行うと良いでしょう。例えば野球が趣味であることが事前に分かっている場合などは、野球にちなんだ飾りつけをしたウェルカムボードを作成する、といったことも考えられます。
また、社外から新たに採用されたメンバーであれば、上司が本人を連れて、社長や役員、他の部署にも一緒に挨拶にいくことで、会社に馴染みやすくなります。歓迎会などの場においては、新しいメンバーの方に自己紹介をしていただくだけでなく、歓迎する側も丁寧に自己紹介をするなど、相互理解をより深めるための企画をしている企業もあります。

③ 新しいメンバーを迎えた後に行うこと
新しいメンバーを迎えた後は、その方がスムーズに職場に馴染み、力を発揮していけるようにフォローしていきましょう。しばらくの間は、上司との面談を週に1度など頻度高く実施してフォローする企業も多いです。職場のメンバーによるサポートとしては、メンター制度を導入している例はよく聞きますが、ベストカンパニーにおいては、部門内で1人、部門外に1人など、複数人によるメンター制度を設けている事例もあります。上司との面談に加え、メンターとのカジュアルな面談も実施することにより、業務内外の質問や疑問、不安等を確認し、解消につなげています。
加えて、メンバー間のランチ会を継続的に実施していくといった取り組みも行われています。特に、新たに入社したばかりの人であれば、部門を越えたランチ会、交流会などの会社全体を理解するためのサポートも喜ばれるでしょう。部門を越えたランチ会を企業の施策として仕組み化し、費用の補助を行っている例もあります。

新しく迎えるメンバーを知り、どう「歓迎」するかを考える

新しいメンバーを迎える前、当日、迎えた後として3つの段階での歓迎の事例をご紹介しました。しかし、ここで記載した方法がどの方にとっても喜ばれるとは限りません。最も大事なことは、新しいメンバーがどんな人なのか、どんな事を喜び、関心を示すのかということを把握することです。ぜひ新しく迎えるメンバーを理解し、その方に喜ばれそうなことはどんなことかを考えてみてください。連帯感の醸成は、会社が用意する制度や施策だけではなく、皆さん一人ひとりの取り組みが重要となります。

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