テレワーク導入で大事にしたい3つのケア

2020.03.27

colmun_200327_main.jpg

新型コロナウイルス感染症の拡大防止策としてテレワークの導入が急がれています。初めて導入を検討する企業にとってはネットワーク設備やセキュリティーの確保などハード面の課題に関心がいきがちですが、実はすでに制度がある会社でも社内の利用者がなかなか増えないなど、運用面で課題を抱えているケースは少なくないようです。テレワークというこれまで日本ではあまり馴染みのない働き方を多くの人にとって当たり前にしていくには、職場の風土や個人の価値観といったソフト面での見直しが大切です。

テレワーク導入の実態とメリット

総務省(2019)「平成30年通信利用動向調査」によれば、企業におけるテレワークの導入率は、2018年は13.9%でしたが2019年は19.1%となっており、規模が大きいほど導入が進んでいます。GPTWの調査においても「在宅勤務またはテレワークの導入の有無」について調べたところ、2019年調査では導入企業が51%でしたが、2020年調査では60%になりました。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が奨励されている様子がうかがえます。

colmun_200327_01.png

2020年版「働きがいのある会社」ランキング 全体傾向レポート参照)

テレワークの対象者は育児・介護など特別の事由がある社員に限定されている場合もありますが、最近では事由を問わずすべての社員が利用できるなど対象を広げる企業が増えています。また最先端の企業ではコールセンターで働く社員などこれまで導入が難しいとされてきた職種にまで拡大する動きも出ています。

テレワークのメリットは、「通勤時間が短縮され時間に余裕ができる」、「資料作成など集中を要する業務がはかどる」、「オフィスを離れて働くことで発想の転換が期待できる」などいろいろあります。時間に余裕が生まれることはワークライフバランスが改善され働きがい向上にもつながるでしょう。

テレワーク導入に感じる不安

メリットの多いテレワークですが、ハード面が整備されてもうまく運用できていない会社はどのような不安を抱えているのでしょう。声として多いのは、「部下が目の前にいないのでマネジメントしにくい」、「若手社員の場合、ちょっとした質問が解決できず仕事が滞ってしまうのではないか」、「対面でのやりとりが減り情報共有がしにくい」といったコミュニケーションに関連したものです。しかし、考えてみればこれらの不安は会社に来れば解決されるというわけでもなく、例えばフリーアドレスなどで傍に部下が座るとは限らない職場などでは同じことが起きてしまう可能性があるでしょう。

うまくいっている会社が大切にしていること

では、テレワークをうまく活用できている会社ではどのようなことに気を付けているのでしょうか。ここではコミュニケーションの問題を解決する3つのポイントを紹介したいと思います。

① 日頃から何でも言い合える人間関係を築いている
テレワークでは、ちょっとした質問やお願いなど、“チャット”というシステムを使うことが多くあります。メールや電話より気軽に投げかけがしやすく、スピード感もあるのでとても便利です。しかし、効果的に使うには相手とのコミュニケーションの関係性がフラットであることが大切です。多様な年齢層が入り混じる組織では、若手社員が上司やベテラン社員に気兼ねして躊躇してしまうことがあります。顔がみえない中でもこうした心理的なハードルを下げるには普段からコミュニケーションをとりやすい関係性があることが必要です。

② ビジョンと仕事を結び付け、個人がやるべきことを認識できている
テレワークでは基本的に一人で業務を進めることが多く、上司から細かいフォローを受けたり、適切な指示をすぐにもらえる環境ではありません。またオフィスでは当たり前の設備(コピー機、共有ファイル、電話など)が使えないことも考慮しなければなりません。個人は自分のやるべきことを認識した上で、いつなにをやるのか整理し、テレワークではどのような仕事をすると最適なのか、主体的に考え実行することが求められます。自分のやるべきことが明らかであるためには、会社のビジョンやバリューについてよく理解し、自分の仕事との意味付けができていることも大切です。

③ 個人の仕事の状況を誰にでもわかるように仕組化している
テレワークが進まない理由の1つにお互いの仕事の状況が見えづらく協働がしにくいということがあります。管理職は部下の健康面のチェックや仕事の進捗を把握しづらく、同僚同士も「連絡をとって迷惑にならないか?」と気兼ねしチャットや電話を躊躇してしまうのです。こういう事態を避けるためには、各人の予定や行っている作業はスケジュール管理表などで誰でも見えるようにしておくなど、仕組化しておくことが大切です。また、自分から仕事の進捗や忙しさの状況などをこまめに発信したり、相手から投げかけがあった場合には必ず反応するなどをチーム内でよい習慣を育てていくのも効果的です。みなが快適にやりとりするにはどうしたらよいか、予め話し合っておくとよいでしょう。

このように3つの基本があれば、オフィスでみなが顔を合わせる機会にはむしろ何に力を注ぐべきかはっきりしてくるでしょう。対面でしか成し遂げられない“価値”は何であるのか、質のよいコミュニケーションを実践していくことが大切です。普段から同じオフィスにいながら、あまりコミュニケーションをせず、隣の人の仕事でさえよくわからない状況であれば、テレワークを導入してもうまくいかない可能性があります。GPTWの設問には“細かく管理されていなくても仕事をすると信頼されている”、“この会社の人は努力を惜しまない”といった項目がありますが、お互いの信頼関係が高い職場であればうまくいく可能性は高まるでしょう。ハードとソフトと両面が整うと、テレワークは柔軟な働き方の1つの選択肢となり、生産性向上や働きがいを高めることにつながります。あなたの職場についてもぜひ3つのポイントからチェックしてみてください。

あなたの会社の働きがいを調査してみませんか? 詳細はこちら