みんなのホンネ大公開、「働きがいってほんとに必要?」

更新日 2020.06.022020.06.01コラム

column_200529_main.jpg

当機関はこれまで、働きがいを高めることの重要性を様々な形でお伝えしてきました。しかし、なんだか遠い世界の話に感じて、いまいち自社のことに結び付けられない、という経営者や人事の方もいるのではないでしょうか。今回はインターネット調査によって得られたデータを用いて日本の働きがいの実態をのぞき、改めて働きがいの必要性について考えてみたいと思います。

今の職場で働きがいを感じている人は41%

まず、日本で今の職場に働きがいを感じている人はどのくらい居るのでしょうか。『総合的にみて、自分の勤務先は「働きがいのある会社」だと言える』という質問に対し、「ほとんど常に当てはまる」「しばしば当てはまる」と肯定的な回答をした人の割合は41%でした。

Q. 総合的にみて、自分の勤務先は「働きがいのある会社」だと言える

colmun_200529_01.png

※肯定=「ほとんど常に当てはまる」「しばしば当てはまる」
 中立=「時には当てはまらない、時には当てはまる」
 否定=「しばしば当てはまらない」「ほとんど常に当てはまらない」

また業種別には、以下の結果の通りとなりました。

Q. 総合的にみて、自分の勤務先は「働きがいのある会社」だと言える【業種別】

colmun_200529_02.png

※n=20未満の業種は非表示
※グラフ内記号は、全体平均と比較して統計的有意差があることを表す。▲▼=信頼度99%以上/△▽=95%以上/∴∵=90%以上

多くの業種で、働きがいを感じている人は半数に満たないことが分かります。製造業、情報通信業、運輸業・郵便業は全体平均と比べても働きがいを感じている人が少ないようです。逆に、教育・学習支援業、公務は全体平均よりも多いという結果が見られました。

「働きがい」とは、文字通り「働いた甲斐」を感じるということです。働いた甲斐は、例えば、以下のような場合に感じることができます。

 ・働くプロセスそのものが面白い、工夫や裁量の余地が大きい
 ・やったことに対する反応が得られる、フィードバックがある
 ・働いた分だけの評価や報酬が得られる

業種別の傾向についても、例えばこのような要素が影響して差が生じているということは考えられそうです。あなたの業種や会社ではいかがでしょうか?仮説を立てながら改めて自組織と向き合ってみると、新たな発見があるかもしれません。

一方で、74%の人が「働きがいは必要」と回答

全体では半数以上の人は働きがいを感じられていない、という結果を皆様はどのように感じたでしょうか。「日本人にとっての仕事とは結局そういうものなのでは」と思われた方もいるかもしれません。

ここで、実態と比べての「理想」を確認してみましょう。今回同じ回答者に対し、『あなたは、自分の仕事に「働きがい」が必要だと思いますか』という質問も投げかけてみたところ、「非常にそう思う」「まあそう思う」と肯定した人は74%という結果となりました。また、「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と働きがいの必要性を否定した人は8%とごく少数に留まっています。

Q. あなたは、自分の仕事に「働きがい」が必要だと思いますか

colmun_200529_03.png

※肯定=「非常にそう思う」「まあそう思う」
 中立=「どちらともいえない」
 否定=「あまりそう思わない」「全くそう思わない」

業種別では以下のような結果が見られました。

Q. あなたは、自分の仕事に「働きがい」が必要だと思いますか【業種別】

colmun_200529_04.png

※n=20未満の業種は非表示
※グラフ内記号は、全体平均と比較して統計的有意差があることを表す。▲▼=信頼度99%以上/△▽=95%以上/∴∵=90%以上

多少のばらつきはあるものの、全ての業種で肯定派が否定派を大きく上回っているということ、また働きがいを感じている人が比較的少ない業種であっても働きがいを求めている人が多いことは、忘れずにおきたい点です。いかなる仕事であっても、「働きがいが必要だ」と思うことは、自然なことのようです。

働きがいが必要だと答えた人へその理由を自由記述式で尋ねてみたところでは、以下のような意見が寄せられました。

仕事を「継続するため」に必要だから。働きがいがないと壁を乗り越えられないから。
こちらは最も多く見られたコメントです。転職という選択肢も当たり前になった今、働きがいは人材の定着を促すうえで非常に重要な指標となるでしょう。

お金だけではモチベーションにならないから。
当機関が提唱する「働きがい=働きやすさ+やりがい」という定義で、報酬は「働きやすさ」(衛生要因)の部分に該当します。そのため「やりがい」(動機付け要因)がなくては真の働きがいにはなりません。今回多く見られた「お金だけではだめ」という意見は、その人の中で「報酬」と「やりがい」が明確に区別されていることの現れともいえます。

「働きがいは会社が与えるものではない」の罠 ~会社と従業員がともに作る働きがい~

今、日本において働きがいを感じながら働けている人は41%、それに対し自分の仕事に働きがいを求めている人は74%と、その数値には大きなギャップが見られました。GPTWは、このギャップを少しでも埋めていきたいという想いを持ち、年々多くの企業様のサポートをさせて頂いています。

働きがいを高める最初のステップは何よりもまず、経営者が「自社の働きがいを高めよう」という固い意志を持つことです。しかし中には、「会社が働きがいを与えるというのは甘い考えだ。働きがいは従業員が自分で見出すものではないのか」という疑問を持つ方もいるようです。たしかに、働きがいは会社が一方的に与えるものでないのは事実です。しかしそこで経営者や人事は、「働きがいを感じるかどうかは従業員次第」とすべてを従業員に委ねるべきではありません。

ここでお伝えしたいことは、最終的に働きがいを見出すかどうかは従業員一人ひとりの責任だとしても、良く耕された土壌が無ければ芽は生えようがない、ということです。仕事の価値や意味を感じられるような「環境(=土壌)」を用意してあげることで初めて、従業員は自らの「働きがい」を見つけ出します。自社の従業員は、どんな土壌であれば芽が生え、そして伸び伸びと育つのか。そこに思いを巡らせることから、働きがい向上の一歩が始まります。



――――――――――――――――――――――――
<調査概要>
・調査対象:20~50代の働く男女
・有効回答数:943
・調査手法:インターネット上のアンケート調査
・実施時期:2020年3月19日 ~ 2020年3月24日
――――――――――――――――――――――――

「働きがいのある会社」を
目指しませんか?

GPTWは世界約150ヶ国・年間 10,000社以上の導入実績を活かし、企業の働きがい向上や広報をサポートします。

  • 自社の働きがいの現状を可視化したい
  • 働きがい向上の取り組みを強化したい
  • 採用力・ブランド力を向上させたい