コロナ禍で急加速した在宅勤務、従業員はどう捉えている?

2020.07.15

column_200715_main.jpg

新型コロナウイルス感染症により、各企業での在宅勤務の導入が急加速しています。これまでも働き方改革推進の動きから、在宅勤務制度を導入する企業もありましたが、“利用できる対象者が限られている”、“制度はあるものの、使いづらい雰囲気がある”など、実際の利用はなかなか進まなかったのが実情でした。ところが、厚生労働省の全国調査によると、このコロナ禍のオフィスワーク中心(事務・企画・開発など)の方における在宅勤務の実施率は東京都で*最大52%にもなりました。
では、こうして導入された在宅勤務を、従業員は実際にどう捉えているのでしょうか。今回、GPTWの調査を通じて寄せられた代表的な声を紹介していきます。
*参照:厚生労働省 『第1-3回「新型コロナ対策のための全国調査」からわかったことをお知らせします。』

在宅勤務に対するポジティブな声

まず、実際に在宅勤務を利用した声として、様々な肯定的な意見が多く見受けられました。下記に、特に多かった声を紹介します。

➤ 通勤のストレスを軽減できた
・通勤時間が無くなるというのはストレス軽減につながると感じる
・通勤時間がなくなったので、その分時間を有効に使えるようになった
・毎日通勤電車に乗らずに家で仕事ができるのは時間短縮になり快適である

➤ 業務の効率が上がった 
・時間の有効活用や柔軟性が増し、効率的に業務を進められている
・より多くの業務に傾注できるようになった
・ミーティングの時間が全体的に短くなり生産性向上につながっている
・集中する時間が確保でき、効率的に仕事ができる

➤ 家族と過ごす時間が増えた
・家族と過ごす時間が増え、非常によい機会であった
・土日以外で家族とコミュニケーションが取れた
・家族と過ごせる時間が増え、子供の成長を感じられた

➤ 生活の質が向上した
・睡眠時間や家族と過ごす時間が増え、心身ともにプラスになった
・同じ時間働いても私生活の充実を図ることができる
・暮らしをゆっくり意識する機会にもなり、より人間らしい生活が出来た

通勤によるストレスの軽減や、業務効率化が代表的な声として多く寄せられました。次いで、家族との時間が増えたことや、自身の生活の質が向上したことについてのコメントが続きました。在宅勤務制度の利用が、仕事の無駄や仕事以外の生活と向き合うよい機会にもなったことがうかがえます。

在宅勤務を進める上での課題

在宅勤務に対して肯定的な意見が上がった一方、同時に在宅勤務を進める上での課題も揚がりました。下記に、課題として多く寄せられた、代表的な声を紹介します。

➤ コミュニケーションが取り辛くなった
・ちょっとした質問や確認がやや行いにくくなった
・納得感や理解度が図りにくく、一方的なコミュニケーションになっていないかと心配になる
・文字に起こして対応しているため通常より時間がかかることや、口頭で伝えていることが伝わっていないケースが増えた(忘れられているケースや、双方の認識が相違している)

➤ 通信環境/労働設備が十分でない
・PCの画面が小さいため、眼精疲労や肩こりなど体調面で辛く感じる
・画面が小さい・動作が重いなどで、業務が滞る
・ネットワークやサーバーに障害が起きると作業がストップしてしまう
・画面が小さく、データの比較などは困難。モニターなどマルチディスプレイで作業ができるとより効率があがると思う

➤ 金銭的負担が増えた
・在宅で仕事を行う環境がないため、モニターを購入したりキーボードを購入したりと光熱費含めて想定していない出費がかさんだ
・設備の貸与や購入費の補助が欲しい
・食費や光熱費が跳ね上がり、生活が苦しくなった

➤ 家庭との両立が難しい
・小さい子供がいる家庭の場合、在宅勤務では業務を妨げられる
・家庭と仕事でずっと動いており、休む時間がない
・ミーティング時間に家族にも協力してもらう必要があり、会議が続くと負担になる

➤ 管理・指導が難しい
・新人のフォローが難しい
・業務状況がリアルタイムで見られないため、メンバーが瞬間的に困っていることや繁忙状況(休憩が取れていない)が連絡ベースでしか察知できず、ケアが後手になるなど、モチベーション管理が難しい
・勝手がわからない作業を一人でこなさなければならず、細かい手順などを教えてもらうのが難しい

最も多く寄せられたのは、コミュニケーションに関する課題、次いで労働環境・設備の低下に関する課題でした。また、在宅勤務による自己金銭負担や、家庭との両立、指導の難しさも課題として多く挙がり、家族構成や業務内容によって生じる課題も少なくないようです。

コミュニケーションの課題にどう対処するか

在宅勤務において様々な課題が明らかになりましたが、最も多く声があがったのはコミュニケーションの課題です。

在宅勤務中は、お互いの様子や顔を直接確認しながら業務を行うことが難しく、放っておくと業務の進捗状況や相手の状況が掴み辛くなってしまいます。そのため、お互いが遠慮することなく、自分の状況を発信し合うことが必要です。自分の業務の予定や計画を伝えたり、1日や1週間の終わりに、仕事の進捗状況を共有したりするなど、顔が見えない中だからこそ、意識的に状況や進捗を伝え合う努力をすることが大切なのです。また、話しかけやすいような環境づくりも大切です。例えば在宅勤務中であっても、業務の開始・終了時にはチャットで挨拶をし合ったり、離席時間や終了予定時刻を予め周囲に伝えておくなどといった工夫で遠慮なく声を掛け合うことができるようになるかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の脅威がある間は難しいですが、可能であれば、時々は直接対面で会う機会を設けることができると、コミュニケーションが促進されるきっかけとなることが期待できます。

今後の在宅勤務制度の行方

ここまで、在宅勤務を実際に利用した従業員の様々な声を紹介してきました。課題を一つひとつクリアしながら、在宅勤務制度がよりスムーズに利用できるように工夫いただきたいと思います。

とはいえ、いつまでも“在宅勤務をどううまく進めるか”という議論ばかりに終始しているわけにはいきません。在宅勤務はあくまでも働き方のひとつの手段です。With/afterコロナの時代、一人ひとりがどのように働くことが、個人・会社の双方にとってベストなのか、そしてその時に、望ましい働き方・スタイルはどういうものなのかということを改めて考えたいものです。その中に、よりよい「在宅勤務」のあり方が、再定義されるものと信じています。

あなたの会社の働きがいを調査してみませんか? 詳細はこちら