男性の育休促進のための3つのC

2020.12.03

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コロナ禍をきっかけに在宅勤務を初めて体験した従業員は職場以外で働くことに新鮮な価値を見出した人も多いでしょう。特に子供のいる男性従業員の中には、自宅で過ごす時間が増え、これまでの家族との関わり方を見つめ直している人もいるかもしれません。男性が家事や育児に積極的に関わることは、家族の幸せに限らず、自身のワークライフバランスにつながり、働きがいを高めるきっかけにもなるでしょう。ベストカンパニー(GPTWが認定する働きがいのある会社)でも制度を整え、後押しをする企業は多くあります。今回は父親施策について取り上げます。

男性の育児休業取得率は低い

日本人の働く男性が家事を行う時間は世界的にも短いといわれていますが、同様に育児にも十分に関われていない実態を示す1つの指標として、育児休業(以降、育休)の取得率の低さが指摘されます。男性の育休取得率はここ数年ゆるやかに上昇しているものの、最新の調査では、7%となっており、女性の83%と比較するとかなり低い状況です(「令和元年度雇用均等基本調査」より)。男性であってもフィンランド、スウェーデンといった北欧の先進諸外国は80%台を達成しているのとは対照的といえます。

日本の育児休業制度は、国連児童基金(ユニセフ)の調査において、給付金の支給期間の長さが諸外国を押さえてランキングトップ入りするなど、高い評価を得ています。男性・女性ともに取得可能であるのに男性がほとんど利用できていない実態は、いささかもったいない話です。

育休取得の向上にむけて優先したいこと

男性の育休取得が進みにくい背景として、主に3つの理由が言われています。“休みの間の給与保証”、“周囲への迷惑”、“昇進・昇格への将来的な影響”です。これらの不安が解消されない限り、男性の育休取得率を上げていくことは難しいと考えられています。

こうした状況を踏まえて、ベストカンパニーでは、数値的な育休取得率向上を目的とした施策を行うというより、まずは不安の解消に向けて、本人や周囲の意識改革、風土づくりを優先させています。男性従業員が家族との大切な時間を過ごせるような制度・プログラムを積極的に導入し、活用実績を増やしていくのです。高額な出産お祝い金や、100%の休業保障など奇抜な施策もありますが、多くのベストカンパニーでは、対象者が男性・女性を問わず公平感のある制度・プログラムをつくり、運用の工夫を地道に積み重ねています。

具体的な支援内容について、「3つのC(ケア、カルチャー、コミットメント)」に整理してみました。

ベストカンパニーにおける3C(Care、Culture、Commitment)とは

「Care(ケア)」は、子供が生まれた際に報酬や福利厚生など、金銭面でサポートすることです。ポピュラーな例は、アルバムや洋服・おもちゃなど乳幼児に必要なグッズのプレゼントです。子供一人当たりにつき毎月手当金を支給している会社もあります。また、出産時のみならず長期的な育児支援として、例えばベビーシッターを利用した際の料金や塾や習い事といった教育費の一部を補助する制度が挙げられます。

「Culture(カルチャー)」は、男性が育休をとる選択が当たり前となる風土づくりです。育児に携わる職場仲間とのネットワークは一例です。業務終了後に親である従業員が集まり、育児に関わる情報交換、有識者の特別講演などを企画しています。こうしたネットワークの参加者は女性がメインであることが多いのですが、男女比率を同等にして男性も参加しやすい工夫をしている企業があります。パパ・ママ予備軍も参加することができ、会社が費用を負担しています。また“相談室”という場を設定して、育児経験の豊富な社員が、育児や仕事の両立・キャリアの形成などの悩みについてアドバイスを行っている会社もあります。

「Commitment(コミットメント)」は、育休取得者への経営からのエールといえます。男性の役員・管理職が自ら率先して取得し、会社が育休をポジティブにとらえていることを強く発信しています。従業員から出産の報告があれば、すぐに人事部から利用できる関連制度について案内を行ったり、全社員向けの社内報でお祝いメッセージを伝えるのもよい方法です。ダイバーシティ推進室が、育休取得は昇進・昇格に影響を与えないことを文書で明記している会社もあるようです。

誰もが活躍できる職場づくりを

男性の育休を促す企業は、組織の多様性を重んじ個人のやる気を引き出します。女性もともに力を発揮できる強い組織ともいえるでしょう。育休取得は従業員にとって選択肢の一つに過ぎませんが、希望する従業員が不安に思うことなく選択できることはその会社で働く大きな魅力といえます。家族との時間が充実している従業員は選択した働き方や制度の利用を通じて会社への信頼を感じ、働きがいが高まることもあるでしょう。

コロナ禍のリモートワークをきっかけにして、ぜひ父親施策についてもニューノーマルを探ってみませんか。

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