管理しすぎはNG!テレワークで部下をサボらせないためのポイント

2020.12.24

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テレワークでは部下がサボっていないか、心配になる管理職が多いと聞きます。確かに、部下にチャットをしてもすぐ返信がなかったりすると、「休憩が長くないか?サボっているのか?」と、途端に不安になるものです。しかし、サボらせないためにいつも以上に報告・連絡・相談を求めたり、細かく日報を書かせたりということは効果的ではありません。そうした管理をすることで部下は一時的にサボらなくなるかもしれませんが、上司の管理がゆるくなるとまた逆戻りです。これからの日本企業ではテレワークを主体とした働き方が増えていくことが見込まれていますから、上司自身も部下の一挙手一投足を確認するようなガチガチの管理で疲れることは避けたいですね。では、テレワークで部下をサボらせないために、どうしたらいいのかを考えていきましょう。

人はなぜサボるのか?2つの要因

人がサボる要因は、「今の職場や仕事に働きがいを感じられていない」「自律的に仕事を進めるスキルが身についていない」という2つが要因だと考えられます。若手の部下にはこの両方が当てはまることが多いですが、自律的に仕事を進めるスキルが身についているはずのベテランでもサボる部下がいる場合、「働きがい」に特に注目していただきたいと思います。

では、それぞれの要因についてもう少し詳しく見ていきましょう。まず要因の1つめ、「今の職場や仕事に働きがいを感じられていない」について。GPTWが定義する働きがいの尺度に、「誇り」があります。自分の仕事に意味や意義を感じているか、自分が組織に貢献できていると感じられるか、ということです。サボる部下は、仕事を単なる作業として捉えてしまい、自分にとって仕事の意味や周囲への貢献実感を持てていません。結果として、人の目がないテレワーク環境において、作業に意味を見出せずダラダラと仕事をしてしまいます。そうすると注意力が散漫になり、テレビやゲームなどの誘惑に負けて、「ちょっとくらい、いいか・・・」となるのです。

続いて要因の2つめ、「自律的に仕事を進めるスキルが身についていない」について。サボる部下、実際には上司から見てサボっているように見える部下、ということになりますが、彼・彼女たちは自律的に仕事を進めるスキルがまだ身についていません。対面で仕事をしていたときにも、実際には仕事の進め方で困っていたのですが、上司が声をかけたり周囲がフォローする中で、なんとかなっていたと考えられます。それが、テレワークという環境の中では、気にかけて小まめに声をかけてくれる人もいなくなり、自分ではどうしたらいいのかわからないまま、時間が過ぎてしまう。結果として、さぼっているつもりはなくても、仕事の効率や成果が上がらないという状態に陥っている可能性があります。

テレワークで部下をサボらせない方法①働きがいを高める

では、どうしたらよいのでしょうか。1つめの「今の職場や仕事に働きがいを感じられていない」については、部下に対して仕事の意味や意義を喚起するために、上司が自分自身の武勇伝を語って、仕事の価値を語ってもあまり効果がありません。そうではなく、本人の「やる気のスイッチ」がどこにあるのかを見極めてみましょう。

その際に参考になるのが、GPTWの全員型「働きがいのある会社」モデルです。部下は、どんな時に仕事に対して没頭できる状態になるのでしょうか。「自分の仕事にこだわりを感じるとき(誇り)」「仲間と共に切磋琢磨しているとき(連帯感)」「上司から期待されたとき(信用)」「新しい挑戦をしているとき(イノベーション)」など、人によってスイッチは異なります。入社から今までの仕事経験の中にある喜怒哀楽(どんな時に喜び、どんな時に悲しむのか)をヒアリングしていくと、その人の「やる気のスイッチ」が見えてくることも多いものです。

そうして明らかになった部下本人の働きがいを高めるポイントを、いかにして仕事の中に組み込んでいくかは、上司の腕の見せ所です。今アサインしている仕事、これからアサインしようとしている仕事を丁寧に意味づけて、本人にとって取り組む意味と価値があるものとして認識させていくことで、働きがいの向上に繋がっていきます。

テレワークで部下をサボらせない方法②自律性を高める

2つめの「自律的に仕事を進めるスキルが身についていない」については、細かく日報を書かせたり、頻度の高い報告・連絡・相談をさせるだけでは、やっている仕事のチェックにしかなりません。そうではなく、部下の自律性を高める育成的な関わりが欠かせません。

自律的に仕事を進めるスキルを高めるために、今月、今週、今日一日の時間の使い方をまず自分で考えさせることから始めてみましょう。そして、実際に仕事を動かしてみて、何で躓いたのかを丁寧に振り返っていきます。仕事のPDCAサイクルを高速で回し、共に振り返ってフィードバックをしていくことが重要です。お勧めは、週1回の1on1です。その中で、部下に1週間の行動計画を自分で決めさせます。今週取り組む仕事は何で、そのために見込まれる工数(仕事時間)はどれくらいで、そのためには何時から何時まで働くのか。それをすべて自分で計画させることが重要です。

そして、やってみた結果についても改善案を自分で考えてもらいましょう。もちろん、ヒントや方向性を示すことは上司のアドバイスとして問題ありませんが、部下が自分で考えてやってみる、という行動を見守ってください。加えて、困っていることを気軽に質問でき、すぐに回答を得られる環境を整えることも、自律的に仕事を進めていく上では重要です。1から10まで仕事の進め方を周囲に確認するようでは困りますが、自分で決めたプラン通りに仕事を進める中で、すぐに問題が解消できるという安心感は大切です。

テレワーク環境下において特に有効な施策は、例えば社内のチャットツールで「誰か教えて!」とチームやグループ全体に質問を投げかけることができ、先輩や上司が回答を寄せるという仕組みです。その際に、先輩や上司は「そんなこともわからないのか!」と否定的な回答は絶対にしない、ということもポイントです。わからないことは誰かが必ず教えてくれる、いつでも質問していいのだ、という心理的安全性を担保していきましょう。

働きがいと自律性の関係

なお、「自律性」は「働きがい」とも関係性が深いことが、リクルートマネジメントソリューションズの調査からわかっています。この調査によると、自律の水準が高くなるほど、個人の「ワークエンゲージメント=働きがい」や「所属組織へのポジティブな関わり」は増加する傾向が見られるということです。

また、自律的な仕事を行っていると思う人は、仕事を面白いと感じて、その結果仕事や組織へのコミットメントが高まったり、仕事で感じるストレスが低減したりすることが、先行研究でも示されています。(出典:今城志保・正木郁太郎(2018). 働き方改革は何を目指すべきか 異なる結果変数に対する側面別満足度の影響の違い.日本社会心理学会第59回大会)

すなわち、人は自律的に働くことを奨励され、裁量を与えられることで仕事での創意工夫を行い、結果として仕事や組織への貢献実感が増していく、つまり働きがいが高まっていくものと思われます。テレワーク環境下で部下をサボらせないためにも、部下の自律性を高める上司からのアプローチ(育成的関わり)を意識し、一人ひとりの働きがいを高めていきましょう。

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