在宅勤務・テレワーク環境下での連帯感の高め方

更新日 2021.05.182021.05.17コラム

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新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから1年以上経過しましたが、残念ながらいまだ完全な収束には至っていません。現在は出社することが増えている会社もあれば、継続して在宅勤務やテレワークを推奨している会社も多くあります。新型コロナウイルス感染症の流行が長引くにつれ、在宅勤務やテレワークの期間も長くなっていることでしょう。中には、今後の新型コロナウイルスの流行の収束如何に関わらず、これまで以上に在宅勤務やテレワークを推奨していく企業も増えているようです。そのような中、課題として多くあげられることの1つが、「従業員同士のコミュニケーション、連帯感をどうやって保つか」です。物理的に離れている中で、どのように連帯感を高めていくのか。本日は、そのために重要なポイントを2点、ベストカンパニー(働きがいのある会社)の事例を交えてご紹介します。

ビジョンや大切にする価値観を改めて明確化し、共通認識を形成する

在宅勤務やテレワークの機会増加などにより、従業員は上司や仲間と接する機会が減り、帰属意識が薄れることも考えられます。その結果、組織の目標への意識も薄れてしまう可能性があります。

そこでポイントとなるのは、会社のビジョンや価値観です。自分たちがここで働く意味は何なのか、共通認識を持てているかがカギとなります。「なぜ私たちは共にこの会社で働いているのか」を理解できていれば、個人の仕事だけに没頭することなく、離れていても共にビジョンに向かって働くことができるでしょう。

(ベストカンパニー事例)

● 毎週のオンライン全社ウェブミーティング(全社集会)の開催

経営陣自ら毎週全社向けのオンライン全社集会を実施。方針や戦略、会社として大切にすること、今重要なことは何なのかのメッセージを頻繁に伝え、従業員と話し合い、質問に答える。

● オンラインでのオンボーディングプログラム

新しく入社した従業員が少しでも早く活躍できるように、組織としてサポートする仕組みをオンラインにて実施する。ラーニングシステムを使ったオンラインでの研修に加え、経営陣自身の言葉で歓迎のメッセージを伝えるとともに、ミッション/ビジョン/バリュー/行動原則について共有するオンラインセッションを開催。

● 従業員の声を反映させた新しい働き方のスタイル(価値観)の決定

在宅勤務、テレワークの機会が増えたが、一方で、良いコミュニティや関係性を生み出すにはリアルな場での交流も重要であるということを踏まえ、従業員の声を反映させながら自分たちが大切にすることは何かを明らかにし、新しい働き方のスタイル(価値観)を決定。出社をして働く場合はどのような職場とするのかという考え方を打ち出すとともに、原則月に一度は、各部署内のチーム内で対面でのチームビルディングの場を作るなど、新しい働き方の原則を決定。

雑談を含め気軽なコミュニケーションの機会を保ち、協働意識を醸成する

物理的に離れていると、お互いの様子をうかがうことができません。特に若手や新入社員は、ちょっとした質問をすることも難しくなるケースがあります。そしてテキストベースのコミュニケーションが増えることで、雑談や気軽な対話が減ってしまい、孤独感を強めてしまう恐れがあります。

お互いの状況が理解し合えないと、信頼関係を形成することも難しくなり、結果的に協働意識が薄れてしまう可能性があります。対面でコミュニケーションをしている時以上に、意識的に雑談・気軽な対話、質問ができる場を設けることや、自身の仕事のプロセスを開示するといった取り組みを行い、相互理解を促進していくことが重要です。

(ベストカンパニー事例)

● なんでも質問を投げこめるコーナーをチャットツールに設ける

チャットツールを活用して、何か困ったことや質問があるときに投げ込めるコーナーを設け、誰でもどんなことでも質問ができるようにする。質問については答えられる人が積極的に回答する。「●●をきちんと読むこと」のように指摘をすることはせず、物理的に離れていても気軽に相談・質問ができるよう配慮されている。

● なにかあれば皆で祝い合う

リモートで実施する朝礼や夕礼などの機会を使って、祝い合う機会を設ける。メンバーの成功や誕生日を祝い合う他、「ありがとうタイム」として時間を設けて、日常の感謝を伝え合う時間も設けている。

● チームの会議でお互いの仕事やプロセスについて開示する

対面で仕事をしていた時より頻繁にチームのオンライン会議を実施するよう変更し、各メンバーの仕事の状況やプロセスについて開示し合う。

● ランダムで組まれたチームでフリートークを行う

ランダムに組まれたメンバーで、オンライン上でフリートークを行い交流する時間を設ける。「最近見た映画」などテーマは自由に設定ができ、数週間ごとにメンバーを交替して実施。部門を超えた交流、相互理解の促進の場となっている。

【まとめ】連帯感の醸成において大切なことができていれば、在宅勤務・テレワークにおける弊害を最小化することができる

物理的に離れている中での、連帯感の醸成のポイントや事例をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

なお、会社のビジョンや価値観を大切にすることや、相互理解を促進し、コミュニケーションをすることは、オフィスに出社し同じ場所で働いている場合でも同様のことであり、連帯感のある働きがいの高い会社づくりにおいて重要なポイントです。逆に言えば、日ごろからこの2点を意識して実施してきた企業は、在宅勤務やテレワークが増えたとしても、連帯感に与える悪影響は少ないと言えるでしょう。

実際、働きがいの高い企業の中には、完全在宅勤務・テレワークに移行しても、むしろ連帯感を高めることに成功しているケースもあります。ポイントは、対面で行ってきたビジョン浸透施策や価値観の共有、気軽なコミュニケーションを、いかに非対面の環境でも質を落とさずに行うかというところにあります。物理的に距離が離れている中で、テクノロジーを活用しつつ、それぞれの会社ならではの工夫をしていくことが重要でしょう。

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