ニューノーマル時代において、連帯感のある"強いチーム"をつくるには?

更新日 2021.12.092021.12.09対談

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働きがいが高い組織では、経営・管理者と一般従業員の信頼関係や職場の「一体感」が高いレベルで実現されています。GPTW代表がファシリテーターとなり、ソースネクスト株式会社の代表取締役社長 小嶋智彰様と、株式会社NATTY SWANKY代表取締役社長 井石 裕二様、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 広報 副社長 津釜宜祥様の3名で、「強いチームづくり」をテーマにディスカッションをしました。ニューノーマル時代において、連帯感のある”強いチーム”をつくるために、リーダーたちが考えていることとは?

※本記事は2021年10月27日に開催した【GPTW事例セミナーVol.5】タテ・ヨコ・ナナメの連携を強化し働きがいを高める!ニューノーマル時代の”強いチーム”をつくるには~「働きがいのある会社」ランキング上位企業登壇~のパネルディスカッション抄録です。

<記事のポイント>
✔縦横だけではない、あえて「斜めの関係」を構築する方法
✔連帯感や一体感はそもそも必要か?
✔ニューノーマル時代の「強いチームの定義」と「リーダーのスキルセット」

強いチームに欠かせない「斜めの関係」を構築する方法

GPTW荒川 強いチームを作る上では、縦や横の関係だけでなく部門横断型のネットワーク構築が欠かせないと考えています。小嶋様はリーダーとして、どのように「斜めの関係」を構築していますか。

小嶋様 当社には全社員から、製品やマーケティングに関するアイディアを募る「MI制度」があります。例えば、管理部門の社員からマーケティングのアイディアが私に届いたとき、それを営業部門や企画部門のトップやマネージャーに繋げていくのが私の役目です。そこで自然と「斜めのコミュニケーション」が成立します。また当社は製品ごとにプロジェクトを組んで動くので、常日頃から他の部門とミーティングすることが多いですね。

GPTW荒川 井石様は斜めの関係をつくるために意識していることはありますか。

井石様 本社はワンフロアで常に顔を合わせながら仕事ができるため、自然と斜めの関係が構築されていると思います。肉汁餃子のダンダダンの店舗も、毎月出店していますし、出店するたびに人事異動が行われています。多い人だと1年に3回くらい異動することも。少なくても2年に1回は異動があるため、上司や同僚が頻繁に変わります。斜めの関係性が生まれやすい環境と言えるかもしれませんね。

津釜様 当社では、ERGと呼ばれる社員ネットーワーク戦略を積極的に採用し、日々の業務では関わりがない社員同士でも共通の目的に向けて様々な活動を行う仕組みを設けています。社員ネットワークからメンター制度や人事ガイドラインなども生まれており、全社規模で社員同士が斜めの関係を自然に作れるようになっています。

そもそも、どうして連帯感や一体感が必要になるのか?

GPTW荒川 それでは次のテーマに移ります。会社全体の連帯感や一体感がどうして大事だと思いますか。特に井石様の会社は店舗の品質に関わる重要事項だと思いますので、まずは井石様から伺ってよろしいですか。

井石様 当社の場合は、「肉汁餃子のダンダダン」をワンブランドで展開しているので、店舗数が増え、人数が増えても、みんなが同じ価値観を持って働いてくれないと、ブランドの構築ができなくなってしまいます。そういう意味で、当社にとっては連帯感や一体感の重要度がとても高いです。

GPTW荒川 アメックスも相当力を入れていらっしゃるのではと思いますがいかがでしょうか。

津釜様 企業が成長し、社員数が増えるほど、一体感が失われていくリスクが高くなると思います。多くの社員が一つの方向に向かうためには、一人ひとりが同じような価値観を共有し、ひとつの文化をつくり、それを継承することが大事です。要職の人が辞めても、残り続ける文化がなくてはならない。そのためには、やはり連帯感の醸成や、共通の価値観の認識が重要なカギになります。

GPTW荒川 価値観を共有するために大事にしている取り組みも教えていただけますか。

津釜様 弊社は年初に一人ひとりが業務において「1年間のうちにこれを達成します」と宣言します。そして、年末に達成度をみるのですが、たとえ100%達成したとしても100%の評価をもらえるわけではありません。もう1つ、一人ひとりが「どういうリーダーシップを発揮したのか」という観点で評価されます。つまり「目標を達成した」「リーダーシップを発揮した」の両方を達成しないと、最大の評価をもらえないのです。

アメックスのリーダーシップは、上に立つ人だけのものではなく、「一人ひとりが発揮しなければならないもの」と定義づけています。どういうリーダーシップがこの会社で求められているのかを明示して、それに基づいてコミュニケーションをとっているので、「共通する価値観の醸成」につながっていますね。

GPTW荒川 小嶋様は一体感と連帯感の重要性についてどうお考えですか。

小嶋様 ITやIoTの業界は動きが速いため、会社の戦略や事業そのものをピボット(方向転換)しなくてはならないことがあります。ピボットすべきタイミングで、会社の連帯感・一体感がないと、動きについてこられなくなります。経営者側も社員に忖度して、思い切って舵を切れないでしょう。これがリスクだと思っています。そのため連帯感・一体感は欠かせないものです。

GPTW荒川 事業がピボットするときに、連帯感が大事なんだということですね。

ニューノーマル時代に「強いチームの定義」は変わったのか

GPTW荒川 では最後のテーマです。ニューノーマル時代に入り、「強いチームの定義」は変わったと思いますか。

井石様 チームの定義は変わっていません。ただ、強いチームであり続けるためにするべきことは変わってきたと思います。例えば、我々は時短要請に従っていましたし、売上が何分の1になった時期もありましたので、アルバイトさんたちの出勤機会が限られてしまいました。社員2人でアルバイト10人くらいの店舗を運営しているので、アルバイトさんたちが本当にやめてしまうと困ります。そこで、どうやってアルバイトさんたちをつなぎとめるか、社員にアドバイスしたりなど、強いチームであり続けるために頻繁にコミュニケーションをとっていました。

小嶋様 私も基本的にはチームの定義は変わっていないと思います。やはりミッション、ビジョン、バリューに賛同、共感し、同じ方向を向いているチームが理想です。ただし、テレワークが浸透したこともあり、これまで以上に柔軟に、個別の事情にも合わせていく必要があります。

例えば、お子さんを預けていた施設の対応時間が変わってフレキシブルな働き方をしなくてはいけない、ご家族に疾患を持っている方がいて出社ができないなど、お互いの立場を理解しながら強い組織をつくることが求められていると思います。

津釜様 私も強いチームの定義は変わっていないと思います。しかしながら、チームをリードする方法は変わりました。現在ではアメックスの場合はリモートワークが中心ですから、自宅の部屋から自分の組織をリードしていかなくてはなりません。一人ひとりの置かれている状況をきちんと柔軟に捉えて組織をリードしていくことや、他の人が置かれている立場、自分とは違う立場にいることを理解してリードできる能力が問われています。つまり、「新しいスキルセット」が求められているのです。

「新しいリーダー」に求められるスキルセットとは?

GPTW荒川 津釜様から、新しいリーダーのスキルセットが求められるという話がありましたが、お二方はどうお感じになられましたか。

小嶋様 おっしゃる通りだと思います。身近なところで言えば、メールやSlackによるコミュニケーションの割合が増えて、「相手がこれをどう受け取るか」を配慮しながら発信することなどが、とても重要になりました。

井石様 当社はテレワーク中心ではないので、基本的にはこれまでと変わりません。しかしながら、出勤していないメンバーが多い中で、店長がSNSで積極的に発信することが、チームの一体感を維持することにつながっているのでは間違いないと思います。

GPTW荒川 そうしたTIPSが組織の中に還元されていくといいですよね。それではここからは視聴者の方からの質問に移ります。「井石様は価値観を共有するための研修をされているということでしたが、小嶋様と津釜様の会社にもございますか?」とのこと。小嶋様いかがですか。

小嶋様 今年は創立25周年でしたので「今後の25年をどうしていくのか」というテーマでディスカッションを半日かけて行ないました。また創立記念日には、当社が大切にしている価値観である「エキサイティングとは?」について話をすることもあります。コロナ禍ではテレワーク中ということもあり3カ月に1回くらいはそうした場をつくっています。

津釜様 当社も企業理念や行動規範がきちんと定められています。毎年、全社員が必ず受けるオンラインのトレーニングがいつくかあり、その一つに企業理念と行動規範に関するものがあります。 例えば、「こういうシチュエーションではどう行動すべきだと思いますか」という問いに答えていくと、その人のアンサーに対して「会社の理念、行動規範ではこれが望ましいです」と具体的なアドバイスが提示されるというものです。

また、アメックスでは「グロース・マインドセット」という言葉を使って議論しています。グロース・マインドセットとは、常に成長を志向するマインドのこと。例えば、同じポジションに3年いたら、「ちょっと新しいポジションにトライしたほうがいいんじゃないか。新しい挑戦をしようよ」という感じで話します。あえてカンファタブルでないことに挑戦し、視野を広げ、スキルを身につけようと社員に語りかけていますね。

テレワークが浸透する中でオフィスの位置付けはどう変わる?

GPTW荒川 では最後の質問です。「テレワークが浸透する中で、オフィスの位置付けをどう考えていますか」。小嶋様は週1回出社とうかがいましたが、オフィスの位置付けはどのように考えていますか。

小嶋様 オフィスの面積を縮小します。しかしながら社員が集まれる場所は必要だと考えているため、フリーアドレス制にして社員の交流をはかるつもりです。

津釜様 当社は現在もオフィスの50%のキャパシティまで使えるようにしています。*2021年10月現在 ただし、コロナが収束しても、全員が毎日会社に来ることはないんだろうなと。例えば週2回、週3回とか、会社に来るというモデルを取ろうと考えています。その一方で、全く会社来ないというのは、企業文化をつくる意味で難しいかもしれません。1人ひとりに柔軟な働き方を提供できるように、まさに今整備をしているところです。

GPTW荒川 まだまだご質問をいただいていますが、お時間となってしまいました。本日はみなさまありがとうございました。

本内容は2021年10月時点の情報です。

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