ブラックライン株式会社

更新日 2023.07.182023.07.07

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コアバリューで一枚岩の組織を従業員主体でつくり、
「働きがい認定企業」で採用ブランディングを加速

ブラックライン株式会社
代表取締役社長 宮﨑 盛光 様

2023年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100の小規模部門(従業員25名〜99名)に選出されたブラックライン株式会社。日本に上陸してわずか4年の外資系SaaS企業です。「働きがいのある会社」調査初参画にも関わらず、39位にランクインしました。同社代表の宮﨑様に「カルチャードリブンな組織のつくり方」や「働きがい認定企業の活用方法」などのテーマでお話を伺いました。

<記事のポイント>
✔「一枚岩」になれる組織が顧客満足と事業成長に繋がる
✔コアバリューを軸とした採用でカルチャーフィットを追求
✔「働きがい認定企業」をブランディングに最大限活用

世界のどこにいても働ける「Work from Anywhere」

interview_230707_01.jpgGPTW ブラックライン株式会社の成り立ちと、宮﨑様のご経歴を教えてください。

宮﨑様 経理財務分野には膨大な時間がかかる業務が多々あります。Excelで入力したデータでシステムからシステムへと橋渡しするなど、非効率な作業も少なくありません。これをITによって劇的に可視化し、標準化し、自動化して、業務生産性を向上させるのが、経理変革プラットフォームの「BlackLine」です。本国アメリカでは2001年に設立され、現在はFortune 500の5割が採用しています。前職のSalesforce時代、お客様経営層とお話しする中で「攻めのDXよりも守りのDXが手薄なんだ」と言う話を多く聞くようになりました。お客様が今、本当に困っていることを解決したいと思ったのです。

GPTW 現在の組織の特徴を教えてください。

宮﨑様 私が着任した2年半前は15名でしたが、現在40名を超えています。ダイバーシティを強く意識しており、女性の従業員比率が高く、マネジメントレイヤーの7名中2名が女性です。「Work from Anywhere」と名付けた世界のどこにいても働ける環境も特徴的だと思います。東京をはじめ、大阪、福岡、館山、イギリスとさまざまです。

GPTW 事業成長と組織マネジメントの関係性をどのように捉えていますか?

宮﨑様 鶏と卵のような関係です。両輪で育てていくものだと思います。もし、どちらに重きを置くか尋ねられたら、組織マネジメントです。私がよく使うフレーズに「一枚岩」があります。全従業員が一枚岩となって強い組織を作ることが、結果として事業成長につながるからです。私たちが提供しているクラウドモデルのサービスにおいては、売上を伸ばすことも重要ですが、それ以上に重要なのは、お客様が満足しているかどうかです。お客様の満足をおざなりにしてマイナスの噂が先行し、結果的には売上が減少するサイクルに陥る事態を、過去に何度も目の当たりにしてきました。顧客満足を追求して、一枚岩になれる組織が欠かせないのです。

本国アメリカでは2001年に設立され、現在はFortune 500の5割が採用しています。前職のSalesforce時代、お客様経営層とお話しする中で「攻めのDXよりも守りのDXが手薄なんだ」と言う話を多く聞くようになりました。お客様が今、本当に困っていることを解決したいと思ったのです。

採用では徹底的にカルチャーフィットを追求

interview_230707_02.jpgGPTW 組織が拡大するフェーズで、カルチャーが揺らいだ経験はありますか。

宮﨑様 私たちは採用に関して、「カルチャーフィット」を重視しています。マネージャーだけではなく、現場の従業員からもインタビューしてもらい「一緒に働きたいか」を確かめています。それでも揺れが生じたときに重要になるのが「コアバリュー」です。現在の「コアバリュー」は、従業員が30名弱だった頃に全員で集まって決めたものです。「Passion&Fun(熱く楽しく)」「Raise the Bar(限界を決めない)」など5つのキーワードにまとめられているのですが、これを再度強調し、会社全体により深く浸透させています。タスクフォースを設立して、毎週、全従業員が参加するオンラインミーティングを開催。毎月、最もコアバリューを体現した人をアンケートで選び、そのコメントと共にバリュー推進委員会から表彰しています。毎週リレー形式での賞賛が行われることで、従業員全員が常にコアバリューを意識するようになっています。

GPTW 働きがいを高める取り組みや、組織風土をつくるための取り組みにはほかにどのようなものがありますか。

宮﨑様 根源的に考えると、扱っている製品が優れていることが、働きがいにつながると思います。製品を通じて顧客の困りごとを解決することで、我々自身も喜びを感じるからです。我々が取り組んでいる一つの工夫として、お客様からいただいた言葉をテキスト化し、全社で共有するチャットグループを作って "カスタマーボイス" と呼んでいます。営業やインサイドセールスのお客様とのやりとりを全員で見られる環境をつくり、喜びを分かち合うことが一つの工夫です。

「ファミリーファースト」も我々が大切にしている価値観です。働きながらの子育てや介護など従業員それぞれ事情が異なりますが、一人ひとりが自身に合った働き方をすることを重視しています。ただし、私が気をつけているのは、「ファミリー」とは自分の両親であり、兄弟であり、もちろん子どもも含みます。また、配偶者やパートナーも含んでいます。「身近な大切な人を一番に考える」という意味を込めて、「ファミリーファースト」のメッセージを発信しています。

「働きがい認定企業」をブランディングに最大限活用

interview_230707_03.JPGGPTW 働きがいのある会社調査の結果を見たとき、どんな感想をお持ちになりましたか。

宮﨑様 ランキングに入って良かったと感じましたし、アンケートから課題を抽出できました。スタートアップフェーズの会社では、事業成長とともに組織の体制が変わるのは当然のことです。だからこそ、どうすれば昇進できるのか、あの人と私の違いは何なのかという疑問を抱く従業員は多いと思います。そのため、マネージャーと現場の従業員が一緒に働く中で、キャリアの話を四半期ごとにする機会をつくりました。

もう一つの課題は「賞賛」を高めることです。数字が見える営業部門などは賞賛されやすいですが、縁の下の力持ちであるポストセールスや導入支援チーム、これら以外のコアバリューを体現している人々も称賛されるべきです。全従業員から称賛を受けるような機会を増やしたいと思っています。

GPTW 「働きがい認定企業」の認定はどのように活かしていますか。

宮﨑様 「働きがい認定企業」であることがわかるように名刺に印刷したり、ホームページでも発信したりしています。新入従業員のボーディングのタイミングで、なぜ我々がランキングされたのか私から説明をしています。また、我々とお付き合いのあるリクルーティングエージェントさんなどが、「ブラックラインは働きがい認定企業に認定されていますよ」と紹介してくださっているはずなので、採用にも好影響があると思います。

世界中から優れたSaaS企業を発掘し、中長期的な視点で共同経営を行うJapan Cloudというグループがあります。その11社が六本木のミッドタウンのワンフロアに入っているのですが、「働きがい認定企業」は当社だけなのです。そのため、みんなで集まる時には、あえてGPTWのロゴが入ったタオルなどを持ってアピールすることもあります。

GPTW 最後に、組織マネジメントに苦労しているベンチャーやスタートアップ企業に向けてのメッセージをお願いします。

宮﨑様 「採用に手を抜かない」ということです。「人員を増やさなければ事業が拡大しない」という圧力に押されて、採用をしてしまう誘惑があります。しかし、そこで採用しても最終的には組織に合わずに去っていくケースが多いです。この人とこの会社を大きくしたいと思える人であれば、その人が何の専門家であろうと重要ではないと思います。入り口が営業であろうがなんだろうが会社を大きくするために奮闘してくれるからです。人材が強く求められている時こそ、一緒にバスに乗せてよい人材かどうかを慎重に見極めることが重要だと思います。

ブラックライン株式会社 代表取締役社長 宮﨑 盛光 様

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法政大学卒業後、日本リース株式会社入社。 GEグループの一員となり中小企業のファイナンス支援に従事。 2002年ニイウス 株式会社(NIWS)入社。大手金融機関担当営業部門の本部長などを歴任。 その後、2008年株式会社セールスフォース・ドットコム入社。 2017年エンタープライズ営業本部の執行役員、2019年同部、常務執行役員就任。 2021年ブラックライン株式会社代表取締役社長に就任。

ブラックライン株式会社

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ブラックラインは決算業務プロセスのデジタル化、リモート決算を実現するクラウド型決算プラットフォーム「BlackLine」を提供。「BlackLine」は運用効率向上、リアルタイムの可視化、統制およびコンプライアンスの改善によって、単一の統合クラウドプラットフォーム上で決算業務管理と経理業務の自動化が可能となり、導入企業は継続的な経理モデルへと変革する。世界130か国以上、3400社の企業、290,000を超えるユーザーに利用されている。

本記事は2023年7月時点の情報です。

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