社長と社員のコミュニケーションで会社への信頼を高める方法
更新日 2024.11.262019.11.06コラム
私たちGPTWは、働きがいを高めるうえでの最も大事な要素は組織における“信頼”であるとこれまでお伝えしてきました。
一方で、「信頼関係の構築が重要なことはわかったが、どうやって信頼関係をつくっていけばいいのか分からない」という声をよくいただきます。たしかに、信頼関係と一口にいっても、上司と部下の関係、同僚同士、お客様との関係など、様々な関係が存在します。しかし「働きがいのある会社」を実現するためには、とりわけ社長と社員の間における信頼が重要です。会社をリードするトップに対してポジティブな気持ちを持つことができなければ、会社へのロイヤルティやエンゲージメントを高めることは難しいでしょう。それでは、社長が社員からの信頼を集めるうえでは何が必要なのでしょうか。
社長のコミュニケーション術には発信の仕方が重要
組織の信頼構築において、社長からのコミュニケーションは最重要項目と言っても過言ではありません。社長からのコミュニケーションというと、企業戦略の立案や経営システムの整備など様々ありますが、その中でも直接的な‘’発信の仕方‘’にフォーカスを当てて今回は考えてみたいと思います。
発信の一環として、全社総会や朝会、社内報など様々な機会を通じてコミュニケーションを取る努力をしている企業は少なくないと思います。しかし、やり方を間違えると、時間とコストをかけて社員への発信を行っていても、意図がまっすぐ伝わらずに懐疑的な目で受け止められてしまい、せっかくの努力も水の泡となってしまいます。
社内向けコミュニケーションの機会を増やす
重要なメッセージでも、一回で全員に伝えきるのは難しいものです。表面的な情報を伝えるだけでなく、メッセージの背景にある考え・思いの熱量を伝えるには、発信をこまめに行っていく必要があります。
あるベストカンパニーでは、社長が毎日日誌を書き、それを社内のイントラで共有しています。日誌には社員からのコメントがつけられるようになっており、その社員のコメントにさらに社長が直接反応しています。過去には、社長の日誌をきっかけにして更に議論が発展し、具体的な戦略検討や改善のアクションに結びついたこともあったそうです。
またあるベストカンパニーでは、社長からのメッセージビデオを毎週撮影して配信し、親近感を感じられるように工夫しています。内容は、日々の仕事の話だけではなく、業界のニュースや最近読んだ本の話など多岐に渡っています。トップの視点を多角的に知ることで、普段のメッセージの理解が深まったとの声もあるそうです。
さらに別の大規模ベストカンパニーでは、入社後には全国配属されてしまうため、なかなか社長と会える機会が少ないそうですが、内定~新入社員の受け入れ時に社長からのメッセージを出来るだけ頻繁に伝えています。入社式・内定者研修・新卒研修・入社後研修の中で社長が登場し、入社1年以内に4回は社長からメッセージを届ける機会を設けているそうです。この機会が多くあることで、全国配属後にも社長との心理的距離が近いとアンケートで答える若手社員が多いそうです。
社内コミュニケーションに対する積極的な姿勢
もう一つの発信の鍵は、自分たちの会社のトップの顔が見える直接的なコミュニケーションを持つことです。業態の都合上、直接的な関わりの機会を持つことが難しいこともあるかもしれませんが、会社が関わりを持とうとしている姿勢が伝わることは大事です。
あるベストカンパニーでは、社長ができる限り全国事業所を訪問し、全社方針や社員への期待を直接語る取り組みをされていらっしゃいます。また訪問した際には一方的に語るだけでなく、社員の声を直接聞く機会にもしており、普段は取りづらい双方向のコミュニケーションの機会が生まれています。
また別のベストカンパニーでは、社長と社員数名との雑談会を定期的に開催しており、年間で90回近く会が開催されています。毎回エントリー枠が埋まるほど盛況で、社員の要望により回数を増やして開催しているそうです。また同時に、「社長研修」を定期的に開催し、社長自らが仕事における重要な要素や心がけ、ノウハウなどを社員に語っています。社長から直接熱のこもったメッセージを聞くことで、会社としての本気度や覚悟にふれる機会にもなります。単純な文章や文面だけでは伝わりきらない想いに感化され、信頼感が高まることが期待されます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。こうしたポイントをコミュニケーションの中で意識的に心がけていくことが、社長と社員一人ひとりの信頼を高める機会に繋がります。その積み重ねがトップとの信頼関係の土壌となり、ひいては「働きがいのある会社」の土壌になっていくのです。
ぜひ、この機会に自社の“発信の仕方”を点検してみてはいかがでしょうか。
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