【Z世代社員トークセッション】 「働きがいのある会社」若手ランキングのトップ企業で働くZ世代社員の本音に迫る
更新日 2023.09.122023.09.12対談
Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)は、「働きがいのある会社」認定企業(2021年7月~2022年9月調査実施)の中から、特に若手の働きがいに優れた企業を規模別に上位5社を若手ランキングとして選出しました。その記者発表にて、レバレジーズ株式会社の執行役員である藤本様、Z世代社員の古川様、若手世代の育成に詳しい株式会社リクルートマネジメントソリューションズの武石様と、GPTW代表の荒川の4名でトークセッションを行いました。本記事では当日の内容をダイジェストでご紹介いたします。
※本記事は2023年版 日本における「働きがいのある会社」若手ランキングの記者発表会の抄録です。
※同日に開催されたレバレジーズ 藤本様による講演の内容はこちら:若手ランキング2年連続1位!レバレジーズが「若手の働きがい」を創出できる理由
社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、IT・医療介護ヘルスケア・M&Aの領域で事業創造を行う。2005年に創業以来、黒字経営を継続し2022年度は年商869億を突破。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指す。
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。
目次
なぜ今の会社で働きたいと思ったのか? Z世代の就職観
荒川:まず、古川さんに簡単な自己紹介をいただきたいと思います。
古川:2020年に入社し、今年で4年目になる古川です。現在は、医療・介護・保育などヘルスケア領域における新規事業の責任者を務めています。今年も新卒が10名以上入りまして、事業部全体では50人程度です。
荒川:今日はそんな古川さんに色々お話を伺いたいと思います。最初の質問は「なぜ今の会社で働きたいと思ったのでしょうか?」です。
古川:大きく3つの軸で就活をしていました。まず「自分がやりたいことができる」こと。学生時代からマイナスをプラスにするような事業をつくりたいという思いがあり、それを実現できる会社だることが企業を選択する上での条件でした。次に「どんな環境で働くか」そして「どんな人がいる場所で働くか」です。これらを全て実現できると確信した会社がレバレジーズでした。
荒川:最後の決め手はなんだったのでしょうか?
古川:先ほど述べたように、自身の就活の軸に合致していたというのはもちろんですが、他の企業に比べて感情的に惹かれたということも大きいです。サマーインターン人参加した際には、社員の熱量やコミットメントを追求する姿勢を間近で感じました。また、「日本を代表するベンチャーをつくる」というメッセージも響きました。この会社に入ることに意味と価値を見出すことができたのです。
若手の「働きがい」はどのように育まれる?
荒川:次の質問は「今、働きがいを感じていますか?」です。実感としていかがでしょう。
古川:私は働きがいを過去と未来で捉えています。過去というのは「やってよかったな」という働きがい。未来というのは「今やっていることはすごく意義があるよね」と感じられることですね。今やっている事業や組織から、未来に向けての働きがいを感じています。
荒川:藤本さんにも伺いたいのですが、入社後に働きがいを感じてもらうためにしていることはございますか?
藤本:その人に合う仕事、役割を提供していくことです。古川の場合は新規事業をつくりたいと言って入社したわけですが、採用の時点から彼は新規事業をつくれそうだなと思ったから採用しました。仮に、新規事業向けじゃなくて、営業のほうが向いていそうだなと思ったら、「まず営業からスタートして、こういう経験を積んでからやっていこう」という擦り合わせをしていたと思います。
古川:採用時のエピソードでいうと、まだ内定をもらう前、藤本から「お前はこの会社じゃなくて、別の会社のほうがすぐに成長できるんじゃないの?」という話をされたことがありまして。レバレジーズでは「その人に合う仕事、役割を提供していく」という考えのもと人事をしています。それを知っていたので、この言葉でむしろ本気で向き合ってもらっていることを強く感じました。
荒川:藤本さんに伺いたいのですが、採用時にはどのような気持ちで望んでいるのでしょうか。
藤本:自分が内定を出すときの心情として、「この人の人生に責任を持てる」「この人が困ったとき助けたいと自然に思える」という気持ちが湧くかどうかで決めるというところはあるかもしれないです。
若手の成長を促す「寄り添い方」のヒント
荒川:次の質問は「入社してから今までで、会社に助けてもらった大きなことはありますか?」です。いかがでしょうか?
古川:これまで藤本と会話する機会が多かったのですが、物の見方や考え方をシフトするためのスイッチを入れてもらっていたと感じます。新卒1年目の頃、藤本から「本気で仕事に向き合えているか?」という問いを投げかけられたことがあり、その問いをきっかけに新規事業の企画により熱が入りました。
武石:藤本さんが、まさに若手のセルフリーダーシップを引き出すスイッチを押し続けてきたのですね。
藤本:古川はほっといても成長できるんです。だから、仕事のやり方を教える必要はあまりなくて、捉え方や考え方、物事と向き合うときの心の持ち方とか、そういったものをインプットすれば、あとは自分で勝手に走っていけると思っていました。
武石:まさに、自律のベースとなるスキルですね。そこが上手くいけば、ビジネスも上手くいく。それを体現されているお話だと思いました。
荒川:スイッチを押すことは、マネージャーが一人ひとりを理解していないとできないですね。
藤本:ウチの場合は、3階層下までマネジメントするように伝えています。直下のメンバーだけではなく、さらにその下のメンバーくらいは最低限コントロールすることが必要です。そうしないと、「いや、お前、部下からこう思われているよ」「この子が困っているけれど対策しないの?」みたいな指示ができないんですよ。
挑戦する未来を自分で選ぶ「Z世代のキャリア観」
荒川:では次、「今の会社で長く働きたいと思っていますか」という質問ですが、古川さんはいかがでしょうか?
古川:人生は短距離走の連続だと考えているので、「数年間は新規事業を絶対にやり切るぞ」という思いでやっています。その先については、いまは未だなにも決めていないです。仮に新しく挑戦したいことができて、それが社内でできれば社内で行いますし、別の場所で挑戦することになるかもしれないです。
荒川:GPTWのベストカンパニーにランクインしている企業の一部は、意外と離職率が低くなく、社員が次のステージに行くことを応援したり、企業の理念に共感してくれる人を求めているので、無理に止まらせなかったりしているところもあります。
従業員への理解が深いから的確な支援ができ、信頼が生まれる
荒川:続いて「経営層への信頼をどういうタイミングで感じますか?」という質問ですが、古川さんはいかがでしょう? 若手ランキングの調査を見ても「上司の言動が一致している」「事業運営能力が高い」ということが働きがいを高める上でのポイントになっています。
古川:たとえば、執行役員の藤本が、自分が今置かれている現状や、環境などを含めて一緒に考えてくれます。その時に私に足りない視点や観点を教えてくれる。そういう信頼感があります。
藤本:自分としては、従業員から「え?藤本さんはそこまで僕のことを知っているんですか?」と驚かれるくらいの状態を作ることが大事だと思っているんですよ。
一番気をつけているのはミッションマネジメントです。私の部下は300人くらいいます。その300人がどんな目標を持ってこの半年間の仕事をするのか、その仕事が本人のWillと合っているのかなどチェックしながらミッションを設定しています。組織のデータマネジメントシステムを活用し、状態が悪い人をアラートでキャッチして、マネージャーと連携しながらサポートしているのです。
荒川:細かく個別に把握しているから支援ができるし、上司への信頼にも繋がりそうですね。古川さんにも全員を見るようにアドバイスしているのですか。
古川:一人ひとりとどう向き合うかというところは大事にしています。ただ、リソースの観点で限度があるので、そこの工夫が重要だなと感じているところです。
藤本:ちょうど先週くらいに古川が担当している部署の1チームの状態がよくないので、古川と議論して改善策を打ったところです。
荒川:そのくらいのレベルで徹底して取り組まれているのですね。いかに一人ひとりに寄り添って、その人らしさを尊重しながら、手を差し伸べていくことが重要なのだと感じました。
事業戦略・組織戦略の納得度が全社で高い状態を作る
荒川:一方で、「事業運営能力が高いと感じる」という項目に関しては、一般の従業員から見えないので、そこをどう高めていけばいいのか悩まれている企業もあります。
藤本:それは、事業戦略と組織戦略の納得度が、上から下まで高ければ、自ずと高まるのではないでしょうか。この事業戦略を進めれば、お客様にも価値を提供できるし、事業成長にもつながると全員がわかっていて、各メンバーが自分の仕事の意義を感じている。その浸透徹底が事業戦略上重要です。
組織戦略も、「なぜこの人が上の立場なのか」という疑問が出てこないように納得感のあるものにすべきだし、組織構造を変えるならその目的を説明して納得してもらう必要があると思います。つまり、納得度が高い状態をいかに作れるかが重要です。
荒川:なかなかトップの発信が従業員に届かず、結果として浸透しないという企業もあると思います。
藤本:それは情報発信の機会を増やすことである程度解決できると思います。当社はキックオフや社内メディアを活用していますし、カルチャーとしてマネージャーが全員集めてZoomミーティングで、戦略について発表し、議論したりしています。社内メディアでは今年の方針を動画やテキストで発信していますし、情報発信の頻度が高いほうだと思います。
古川:私たちの事業部も、メンバーを集めて事業の実績と事業戦略について月1回くらいは話しています。
荒川:素晴らしいコミュニケーション量ですね。経営と現場のコミュニケーション量と、一人ひとりに心を配る姿勢が、若手の働きがいを高めるためのポイントなのだと改めて感じました。
武石:私も同感です。全ての個性を受け入れて、生かすというスタンスに感動しました。若手のみなさんが生き生きと活躍する様子が思い浮かびます。
荒川:それではこれにてトークセッションは終了です。みなさん、示唆に富むお話をありがとうございました。
レバレジーズ株式会社 執行役員 藤本 直也 様 プロフィール
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRD統括部 HRDサービス開発部 研究員 武石 美有紀 様 プロフィール
※ 本記事は2023年7月時点の内容です。