【事例あり】採用マーケティングとは?メリットや手法・実践手順など詳しく解説

更新日 2024.11.212024.11.21コラム

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近年、企業の採用活動において「採用マーケティング」が注目を集めています。このアプローチは、従来の採用手法にマーケティング戦略を組み合わせることで企業が求める人材を効率的に引き寄せることを目指しています。採用マーケティングは、単なる求人活動にとどまらず、企業のブランド価値や文化を発信し、潜在的な求職者層へのアプローチも可能にするため、企業の採用力を大きく向上させる鍵となる手法です。

本記事では、採用マーケティングの特徴や仕組み、他の採用手法との違い、導入の具体的なステップなどについて詳しく解説します。採用担当の方はぜひ参考にしてください。

企業が注目している採用マーケティングとは?

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企業が注目している採用マーケティングの特徴とその仕組みについて解説します。

採用マーケティングの特徴

採用マーケティングは、従来の採用活動にマーケティングの考え方や手法を組み込み、戦略的に理想の人材を引きつけるアプローチ方法です。通常のマーケティングが顧客のニーズに応えるように、採用マーケティングでは企業が求める人材のニーズを把握し、それに応じた待遇や職場環境を整え、ターゲット層に企業の魅力を届けることを狙いとします。

採用マーケティングにより、転職意欲のない潜在層にまで企業の認知を広めることも可能です。さらに、採用マーケティングは採用ブランディングとも関わりが深く、ブランド力を高めることで「選ばれる企業」としての価値を訴求し、質の高い人材との接点を増やすことを目指しています。このような戦略により、企業は競争力を高め、理想とする人材の効率的な獲得を可能とするのです。

採用マーケティングの仕組み

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マーケティングでは、認知から購入までの顧客の意識変化を「ファネル」という逆三角形のフレームワークで表します。採用マーケティングにおいても、入社前から入社後までを一貫したファネルでとらえ、段階に沿って戦略を組み立てます。

また、マーケティングが購入したあとのアフターフォローでリピーターを増やすのと同様に、採用マーケティングでも入社をゴールとせず、入社前・入社後に分けて戦略を立てます。採用マーケティングでは「認知」「興味」「応募」「内定」「配属」「活躍」など、段階を分けることで対象者の状態を整理でき、適した情報発信につなげることができます。採用マーケティングの仕組みを確立した企業では、採用の成功はもとより、内定辞退防止や早期退職の予防といった効果も期待できます。

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採用マーケティングとその他の採用手法との違い

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採用マーケティングと従来の採用手法には、どのような違いがあるのでしょうか。また、採用マーケティングの中でも重要な概念である採用ブランディングについても触れ、その違いについて解説します。

採用マーケティングと従来の手法との違い

従来の採用活動では、人材紹介会社の利用や求人媒体への出稿、採用イベントへの参加などが一般的でした。これらの手法では、採用担当者や企業の関係者は主に応募者の集め方や選び方に意識を向けており、求職者の中で積極的に転職を考えている層をターゲットとしていました。

一方、採用マーケティングは、採用の目的や現状の課題に基づき、採用戦略を立てることを重視します。これにより、従来の手法ではアプローチしづらかった「転職意思のない潜在層」までターゲットを広げることが可能です。採用マーケティングでは、企業が求める人材像を明確にし、積極的に自社の魅力を伝え、適切な候補者を引き寄せるための戦略を構築します。この方法により、より多くの求職者に対して企業の存在を認知してもらうことができ、長期的な視点で人材の確保につながります。

採用マーケティングと採用ブランディングの違い

採用マーケティングと採用ブランディングは密接に関連しているものの、異なる概念です。採用ブランディングは、採用マーケティングの活動の一部として位置づけられ、企業が自社を魅力的な職場として位置づけるための戦略を指します。企業の文化や価値観を伝え、求める人材に自社の魅力をアピールすることが目的です。

一方、採用マーケティングは、ターゲティングやブランディングに加えて、求人活動全般にわたるマーケティング戦略を指します。採用マーケティングでは、ブランディングを活用しながら、適切な候補者を引きつけ、採用活動を成功させるためのプロセス全体を包括的に考えます。したがって、採用マーケティングは採用ブランディングを含む広範な活動であるといえます。

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採用マーケティングが求められている背景

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近年、採用マーケティングが企業の採用活動において重要な位置を占めるようになっています。採用マーケティングが求められる背景について、以下に解説します。

現代の企業における採用の課題

現代の企業は、少子高齢化の影響により労働人口が減少している一方で、求める人材の高度化が進んでいます。例えば、総務省のデータによると、2024年には日本の労働人口がピークを迎え、その後減少に転じると予測されています。

さらに2023年度の新卒採用倍率は1.58倍に達し、企業の採用活動が難航していることが分かります。こうした状況により、単なる採用活動にとどまらず、企業文化や働き方の魅力を伝え、求職者の関心を引くための採用マーケティングがますます重要になっているといえるでしょう。求人広告や人材紹介を通じてアプローチできる「顕在層」だけではなく、転職意思が薄い「潜在層」にも自社に興味を持ってもらわなければなりません。マーケティングの手法を活用することで、企業はより多くの求職者にリーチし、適切な人材を効果的に採用することができるのです。

参考:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2023年卒)」

求職者の価値観の変化

求職者の価値観が変化していることも企業が採用マーケティングを重視する理由の一つです。特に新卒のミレニアル世代やZ世代において、キャリアに対する価値観が多様化しています。従来は、給与や雇用条件が求職者に重要視される傾向がありました。その結果、高い給与水準や大企業というブランドが求職者に対して価値を発揮していたのです。

しかし現在では「働き方」や「そこで得られる経験」に重きが置かれる傾向があります。20代の社会人が仕事一辺倒ではなく「プライベートも重視しつつ仕事をしたい」という考え方を持っているのも価値観が変化している例の一つです。ワークライフバランスだけではなく、個人がそれぞれの基準で仕事を選ぶようになっています。 

このような変化しつつある求職者の価値観を踏まえ、企業は新しい採用手法を取り入れて、魅力的な職場環境をアピールする必要があります。

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採用手法の多様化

従来の求人広告やエージェントを活用した採用活動だけでは、他社との差別化が難しくなっています。近年では、SNSやダイレクトリクルーティングといった新しい採用手法が増えており、求職者はさまざまな媒体・角度から情報を収集します。企業は、求職者が情報過多である状況を踏まえ、手法を効果的に組み合わせながら、採用市場において競争優位性を築かなければなりません。企業がターゲットに効果的に情報を届けるために、採用マーケティングの知識とそれに沿った戦略・施策の展開が求められます。

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採用マーケティングを取り入れる3つのメリット

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採用マーケティングの導入は企業の採用活動に大きなメリットをもたらします。ここでは、その主なメリットを3つのポイントに分けて解説します。

1.ターゲット人材からの応募増加につながる

採用マーケティングは、ターゲットを広く設定することで、即戦力を求める「顕在層」に加え、転職意思が薄い「潜在層」にもアプローチできます。

従来であればターゲット外とされていた退職者や、選考に参加しなかった層にも企業の魅力を発信し、採用・入社に向けて興味を促すことができます。採用マーケティングに力を入れることで、求める人材の応募増加が期待できるでしょう。採用マーケティングでターゲットとする人材と、狙いについて以下に解説します。

ターゲット1:転職希望者

転職希望者は、すでに求人情報を収集し、転職に関心を持つ層です。この層に向けた採用マーケティング活動は、応募者を増やす基本といえます。求人内容や企業の価値を強調することが、転職希望者の応募増加に直結します。

ターゲット2:従業員

現職の従業員も採用マーケティングのターゲットに含まれます。従業員に対する採用マーケティングでは、会社のファン化を狙いとします。従業員の職場への愛着や仕事へのモチベーションが高まることで、好意的な口コミの拡散やリファラル採用の促進が期待できるからです。従業員向けの採用マーケティングには、社内広報や職場の環境整備が含まれます。

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ターゲット3:退職者

定年退職以外で退職した元従業員(アルムナイ)も採用マーケティングの重要な存在です。第一に、退職者は再雇用の可能性があります。退職者との良好な関係を築くことで再雇用が期待できるからです。退職者は企業文化を知っているため、即戦力となる上、他社で得た経験も活かせるというメリットがあります。

次に、退職者は良質な情報発信者としての役割も期待できます。求職者にとって元従業員の体験談は信頼性の高い口コミです。採用活動に大きな影響を与えるでしょう。最後に、退職者は顧客としての側面も持っています。退職者が自社と近い業態に転職すると、将来的な顧客やファンとなる可能性もあります。

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2.採用コスト削減につながる効率的な運用ができる

採用マーケティングを取り入れることで採用活動のコスト削減が可能となります。ターゲットに対して最適な採用ファネルとチャネルを設定することにより、広告費の最適化が進むからです。具体的には、求人広告やエージェントといった高額な媒体への依存度が減少し、採用単価が削減されます。

従来の採用手法では、求人媒体への出向を通じて認知度を高めることが一般的でした。しかし採用マーケティングでは、興味を持つ潜在的な候補者層に対し、複数の手法で自社の魅力を発信し続けることで認知の拡大が実現できます。

また、採用マーケティングは、コンテンツやノウハウを蓄積することが可能です。自社で展開した施策の効果検証を行い、改善しながら採用活動に活かすことで、長期的なコスト削減が見込めるでしょう。

3.早期離職の防止につながる

採用マーケティングは早期退職の防止も期待できます。採用マーケティングで戦略的に情報を発信することで、自社の社風に合った人材や、自社のビジョン・ミッションへの共感の高い人材を採用することができるからです。入社前・入社後のギャップを減らし、定着率を向上させられます。

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新卒・中途採用それぞれに期待できる採用マーケティングの効果とは?

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採用マーケティングは新卒採用と中途採用の両方で重要な役割を果たします。それぞれの採用活動における採用マーケティングの効果について、以下に解説します。

新卒採用

新卒採用は毎年一定のスケジュールに沿って企業が採用活動を展開します。学生は応募から内定に向けて、非常に多くの情報に接します。その中で、魅力的な企業であるという認識を持ってもらうには、戦略的に採用活動を行わなければなりません。

昨今の仕事への価値観の変化に合わせ、企業は情報の届け方を工夫することが求められます。学生は求人広告や説明会に頼るだけでなく、SNSやデジタルメディアを通じて求人情報を収集することが主流となっています。

例えば、InstagramやX(旧Twitter)を活用した企業の採用活動や、YouTubeでの会社紹介動画などSNSやデジタルメディアによるコンテンツは学生にとって重要な情報源です。これらの採用手法を活用する上でも、採用マーケティングは重要といえるでしょう。

中途採用

人材不足・採用の難易度増加は新卒採用だけでなく、中途採用においても課題の一つです。2022年以降、多くの産業では人手不足の状態が続いています。介護業界や小売・サービス業など、人手不足が慢性化している業界は少なくありません。

また、デジタル人材のように、企業の成長・競争力増加には欠かせない人材を欲しているものの、なかなか採用成功に至らないというケースもあります。

企業はより戦略的な採用活動を求められており、実現するには潜在層をターゲットにしたアプローチが必要です。従来の求人広告や人材紹介だけではなく、LinkedInなどのプロフェッショナル向けプラットフォームを利用したダイレクトリクルーティングなど、多様な採用手法を活用しつつ、中途採用を行わなければなりません。

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採用マーケティングの効果を高める4つの手法

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採用マーケティングの効果を高めるために効果的な4つの手法について以下に解説します。これらを活用することで、より多くのターゲットにリーチし、企業の採用活動を効率化することができます。

1.リファラル採用

リファラル採用とは、従業員や取引先といったすでに関わりのあるネットワークを活用し、採用につなげる手法です。リファラル採用の大きなメリットは、信頼できる推薦を得られることです。既存の従業員が間に入ることで、応募者は企業のリアルな情報に触れることができます。仕事内容や自社の社風、企業風土など、面接前にすでに情報を持っていることで、効率的に選考を進められます。採用のミスマッチを減らし、定着率を高める効果も期待できます。また、既存のネットワークを活用する点で、長期的に採用コストを抑えることも可能です。

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2.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が積極的に求職者にアプローチする採用手法です。求人広告や人材紹介を介さずに企業自身が直接接触する点が特徴です。ダイレクトリクルーティングでは、企業がターゲットとする候補者に向けて働きかけ、志望動機を醸成したり、応募を促したりします。そのため、よりミスマッチの少ない採用が可能です。

ダイレクトリクルーティングのメリットとしては、企業が求めるスキルや経験を持つ候補者に直接アプローチし、効率的に最適な人材とつながれる点があげられます。ビジネス特化型SNSや人材データベースを活用することで、過去の経歴をもとにターゲット層を絞り込むことができ、より精度高く採用活動を進められます。

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3.オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングとは、自社のWebサイトやブログ、SNSを活用し、求人情報や企業文化、働き方などを発信する採用手法をいいます。オウンドメディアリクルーティングに力を入れることで、自社の情報を多角的に発信することが可能です。

例えば、「労働条件」に興味がない人が「仕事のやりがい」をきっかけに応募を検討するかもしれません。「働きやすいオフィス」が認知につながることもあります。また、情報を自発的に収集する過程で、求職者の志望動機が醸成することが期待できます。オウンドメディアリクルーティングにより、自社に興味を持ってもらいやすくなり、求人情報を求める候補者に対して深い理解を与えられるのです。

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4.ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用して求人情報や企業文化を発信し、求職者との接点を持つ手法です。SNSを利用することで、リアルタイムで求職者にアプローチでき、企業の魅力を直接伝えることが可能です。これにより、企業の認知度が向上し、より広範囲な求職者へリーチできるようになります 。

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実践的な採用マーケティング手順

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採用マーケティング活動を戦略的に進めるためには、企業の現状を分析し、ターゲットを明確に設定した上で、適切なチャネルやコンテンツを用意することが重要です。採用マーケティングの具体的な手順について、6つのSTEPに分けて解説します。

STEP1:企業の現状を分析・理解する

採用マーケティングの第一歩は、自社の現状分析です。企業の経営理念や事業計画を理解し、強みと弱みを認識します。この段階では、3C分析(顧客・競合・自社分析)やSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威分析)などのフレームワークが活用されます。自社の位置を把握することで、次のステップに進むための基盤を築きます。

STEP2:ペルソナを設定する

STEP1で得た情報をもとに、自社に必要な人材や求める人物像を形にします。ここでは、ターゲットとなる人材像を「ペルソナ」として具体化し、その人物像にどのような属性や志向があるかを細かく設定します。

例えば「大手企業・経験3年~5年」「顧客折衝経験のある人」といった要素は職歴についてのペルソナ設定です。他にも、パーソナリティや転職理由などもペルソナに盛り込みます。ペルソナの設定により、採用活動の方向性が明確になります 。

STEP3:カスタマージャーニーを設計する

カスタマージャーニーとは、求職者が自社を知り、応募に至るまでのプロセスを示したものです。このプロセスを設計し、求職者がどのように自社に関心を持ち、応募に至るかを理解することが重要です。目標を設定し、各段階でのアクションを洗い出すことがカギとなります 。

STEP4:ファネルに応じたチャネル選定を行う

カスタマージャーニーで設定したファネル(ストーリー)に応じたチャネルを選定します。例えば、認知度向上にはSNSやWEB広告、興味喚起にはイベントや求人情報、応募促進にはダイレクトリクルーティングを活用するなど、ファネルに合わせたアプローチ方法を決定します 。

STEP5:効果的なコンテンツを企画する

採用マーケティングにおいて、魅力的なコンテンツ広告やイベント、メディアに載せるコンテンツを企画し、ターゲットに適切なメッセージを届けます。この段階では、手段やコンテンツ作成のポイントを押さえた内容の提供が重要です 。

STEP6:データ分析と継続的な改善を繰り返す

採用マーケティングの最後のステップは、データを活用して活動を続けることです。従来の採用方法ではなかなか見えてこないデータや傾向を収集し、次回に生かすことが求められます。エントリー率、チャネルごとの反応、ウェブページのビュー数など、さまざまな客観的なデータを集めます。チャネルだけではなく、コンテンツごとの反応といったデータも重要です。このサイクルを回すことで、より効率的な採用活動が実現できます 。

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採用マーケティングに活用できるフレームワーク4選

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自社の分析やペルソナ設定など、さまざまなシーンで活用できるフレームワークを以下に紹介します。

SWOT分析

SWOT分析は、採用マーケティング戦略を強化するためにも役立てられるフレームワークです。自社の強み・弱みの把握の他、市場での立ち位置の整理に活用できます。採用マーケティングにSWOT分析を役立てられる理由は以下です。

  • Strengths(強み):自社の強みを理解することで、採用活動における優位性を生かすことができます。例えば、社内の教育制度や福利厚生、企業文化などが強みとなり、特定のターゲット層にアピールできる要素となります。
  • Weaknesses(弱み):自社の弱みを認識し、それを改善する手段を見つけることができます。例えば、競合他社に比べて給与が低い場合、給与面での改善策を講じる必要があると分かります。
  • Opportunities(機会):市場や業界のトレンドを分析し、自社にとっての採用チャンスを見つけられます。例えば、特定のスキルを持つ人材が市場で不足している場合、その人材をターゲットにする戦略が取れます。
  • Threats(脅威):競合の採用活動や市場の変化に対して自社が直面する脅威を把握できます。例えば、他社が提供する福利厚生が自社よりも魅力的である場合、その点を改善する必要があるでしょう。

SWOT分析は、採用マーケティングのターゲット設定やポジショニングの段階で特に役立ちます。例えば、ターゲット層の選定では、従業員のスキル向上に力を入れているといった自社の強みを活かして、キャリアアップを重視する求職者をターゲットに設定できます。

また、競合他社の弱みを見極め、それに対して自社の強みを打ち出すことで他社との差別化を図ることが可能です。これにより、採用活動の方向性が明確になり、より効果的なメッセージを候補者に届けられます。

STP分析

STP分析は、Segmentation(市場の細分化)、Targeting(ターゲット選定)、Positioning(ポジショニング)の3つのステップから成り立つフレームワークです。STP分析を採用マーケティングに役立てられる理由は以下です。

  • Segmentation(市場の細分化):採用マーケティングにおいて、求職者のニーズや属性をもとに市場を細分化します。例えば、経験者と未経験者、新卒と中途採用の違いを明確にし、それぞれに合わせたアプローチを考えます。これにより、採用活動がよりターゲットに合った形で行えます。
  • Targeting(ターゲット選定):細分化された市場から、自社が求める人材層を選定します。例えば、特定のスキルセットや経験を持つ人材にアプローチする場合、対象となる層を絞り込むことで、採用効率が向上します。
  • Positioning(ポジショニング):ターゲットに選定された求職者に対して、自社がどのように魅力的な存在であるかを明確に伝えることがポジショニングです。企業文化や提供するキャリアパス、福利厚生など、他社にはない強みを打ち出すことで、求職者の関心を引きます。

3C分析

3C分析は、顧客・競合・自社という3つの視点を軸にして、自社の採用戦略を分析・改善する方法です。3C分析を採用マーケティングに役立てられる理由は以下です。

  • Customer(顧客):マーケティングによる3C分析では「顧客」とあるものの、採用マーケティングにおいては「求職者」に置き換えられます。採用マーケティングでは、求職者のニーズや価値観、働き方に対する期待を理解することが重要です。例えば、柔軟な働き方やキャリアアップの機会を重視する求職者が増えている場合、これに合わせたアプローチが必要です。
  • Competitor(競合):競合他社の採用活動を分析し、どのような特徴があり、どの層にアプローチしているのかを把握します。競合企業の強みや魅力、例えば優れた福利厚生や働きやすい職場環境などと比較し、他社との差別化を図る戦略を立てます。
  • Company(自社):自社の採用活動における現状や強み、弱みを分析します。自社がどのような特徴を持っており、どのような人材を求めているのか、また他社に対してどの点で優位性を持っているかを理解します。例えば、3C分析を活用することで、求職者のニーズにぴったり合ったメッセージや情報を提供できます。

「働きやすさ」や「フレキシブルな勤務環境」を重視する求職者には、自社のワークライフバランスを強調したブログ記事や動画を用意すると良いでしょう。健康管理支援といったような、自社独自の福利厚生を特集したインフォグラフィックスやインタビューコンテンツを作成し、競合との差別化を図ることも可能です。

5A理論

5A理論とは、Aware(認知)、Appeal(魅力)、Ask(質問)、Act(行動)、Advocate(推奨)の5段階から成る理論で、消費者の購買プロセスをモデル化したものです。採用マーケティングにおいては、このプロセスを求職者に当てはめて、どの段階でどのようにアプローチすれば良いかを考えることができます。

  • Aware(認知): 求職者が自社を知る段階。企業の存在を知るきっかけとなる広告やPR活動が重要です。
  • Appeal(魅力): 求職者が自社に魅力を感じる段階。企業の文化やビジョン、福利厚生など、求職者に響く要素を伝えます。
  • Ask(質問): 求職者が企業についてもっと知りたくなり、質問をする段階。オープンなコミュニケーションが求められます。Q&Aセッションや企業説明会をオンラインで開催し、双方向のコミュニケーションを促進するといった例があります。
  • Act(行動): 求職者が実際に応募する段階。応募フォームの簡便さや、エントリーしやすい環境の整備がカギとなります。例えば、応募プロセスをシンプルにし、求職者が手軽に応募できるようにするというのは応募率を高める施策です。また、面接の流れや応募後のフォローアップを迅速に行い、求職者の不安を解消するという方法も有効です。
  • Advocate(推奨): 求職者が企業の魅力を他の人に伝える段階を指します。採用後も企業の良さを広めてもらうために、ポジティブな体験を提供することが重要です。社内の文化や福利厚生など、働きがいを感じてもらえる環境を整えることがカギとなります。

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採用マーケティングの成功事例

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最後に、採用マーケティングに成功した企業の事例を紹介します。ペルソナ設計や求める人材像の明確化、母集団形成などに採用マーケティングが活かされているのでぜひ参考にしてみてください。

事例1.ペルソナ設計を重視した採用

まずはペルソナ設計を重視した採用活動の事例を紹介します。株式会社プレシャスパートナーズでは、会社の理念や求める人物像を明確にするために、単にスキルや経験を重視するだけでなく、個々の候補者の趣味やパーソナリティにまで踏み込み、理想的な人物像を具体的に設定しました。

例えば「体育会選抜採用」では、大学のスポーツチームでキャプテンや主将を務めた経験があり、目標に向かって努力を続ける力を持つ人物をペルソナとして設定しました。「インフルエンサー採用」では、SNSで1万人以上のフォロワーを持つ人物を想定。SNSを愛し、トレンドに敏感で、目標達成に向けてストイックに努力できる人物像をペルソナに設定しました。同社のペルソナ設計は、候補者の趣味や好きなファッションブランドといったパーソナルな要素まで含めて、ターゲット人物をより具体的にイメージしたことが特徴といえます。

同社で働きたいと強く思っている人物を採用することを重視した結果、単に募集人員を満たすのではなく、理念に共感し、会社で活躍できる人物が集まるような採用を展開することに成功しました。

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成功事例2.求める人材像を明示化した採用

ブラックライン株式会社の採用活動では、求める人材像を明確にし、カルチャーフィットを重視したアプローチを採用しています。同社では、単に職務経験やスキルだけでなく、応募者がどのような価値観を持ち、どのように会社の文化に適応するかを確認するために、現場の従業員も採用プロセスに参画しています。これにより、組織のカルチャーを保ちながら、適切な人材を見つけることに成功したのです。

さらに同社では、組織の「コアバリュー」をもとにした選考を行っています。例えば、「Passion&Fun(熱く楽しく)」や「Raise the Bar(限界を決めない)」といった価値観を従業員全員に浸透させるため、毎週全従業員が参加するオンラインミーティングやコアバリューを最も体現した人への表彰制度を導入。こうした取り組みは、組織の一貫したカルチャーを維持するための強力な手段となっています。

また、同社は「ファミリーファースト」の価値観を大切にしており、個々の従業員が自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるよう配慮しています。従業員が安心して働ける環境を提供し、企業の働きがいを高めることに成功した事例です。

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成功事例3.「働きがい認定」を通じて母集団形成を増やした採用

Great Place To Work®の「働きがい認定」を活用した採用活動の事例を紹介します。Wasshoi Tohoku Groupでは「働きがい認定」を得ることで、インナーブランディング効果を高め、組織全体の士気を向上させ、母集団の形成につなげました。

特に採用活動において、同じ広告文面で「働きがい認定」を掲載した求人広告とそうでない広告を比較したところ、掲載した広告はそうでない広告と比較して、広告を閲覧した人が応募した割合が190%になりました。また、応募者数が増えるだけでなく、求人への関心が高まり、より多くの適切な人材を集めることができたのです。

単に「働きがい認定」をアピールするのではなく、志を持って働いている従業員の存在や、従業員の想いを絡めて「働きがい認定」について発信することで、組織の士気を高めることに成功しています。

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「働きがい認定」の取得は採用マーケティングにつながる

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採用マーケティングにおいて、企業の働きがいを示す認定を取得することは、応募数や内定承諾率を高めるための効果的な方法の一つです。採用活動においては、単に応募者数を増やすだけでなく、より多くの求職者が自社で働きたいと感じる環境作りが重要です。「働きがい認定」を通じて、企業が従業員の働きがいや価値観を大切にしていることの証明につながります。働きがい認定は、求職者に安心感と信頼をもたらすでしょう。その結果、採用応募数の増加が期待できます。

また、「働きがい認定」を活用した採用広報では、自社の文化や価値観を求職者に詳しく伝えられます。これにより、求職者は自社で働く未来をより明確にイメージしやすくなるでしょう。求職者が企業の理念や働き方に共感し、内定を承諾する可能性も高まります。「働きがい認定」を取得して活用することは、採用活動の成長に直結する重要な戦略の一部です。企業文化の発信と従業員満足度の向上を通じて、より多くの優秀な人材を引き寄せ、安定した採用活動の成功につなげられるでしょう。

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編集ライター 湯浦 孝恵

社会保険労務士事務所にて労務関係業務に携わる。経験を活かしたコラム記事を多数作成。編集ライター歴約10年。2024年現在、多くの企業の人事・労務コンテンツを作成。

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